自然吸気V8が消えゆく時代だからこそ、RC Fの価値はさらに高まっていく

レクサス「RC F」が再び注目を集めている。

レクサス RC F トラックエディション

なかでも2019年に登場した高性能仕様「RC F Performance Package(北米名:Track Edition)」は、現在では国内外でプレミア価格が付くモデルへと変貌を遂げた。

レクサス RC F トラックエディション

2025年に生産を終了したクーペが、なぜここまで価値を高めているのか。その背景には、電動化が進む時代だからこそ際立つ「自然吸気V8」と圧倒的な希少性がある。

RC F Performance Packageは、5.0L自然吸気V8エンジンを搭載し、最高出力481PSを発生するFRクーペである。

ボンネットやルーフ、リアスポイラーなどへカーボン素材を採用したほか、チタン製エキゾーストやカーボンセラミックブレーキを装備。標準モデルより約50kgの軽量化を実現した、本格的なサーキット志向のモデルだった。

実は当初、このモデルの市場での評価は決して高くなかった。BMW M4やポルシェ911と比較される中で、「軽量化したとはいえ車重が重い」「ハンドリングがライバルに及ばない」といった声が目立ち、1400万円を超える価格設定に対して「価格に見合う価値があるのか」と疑問視する意見もあった。

ところが現在、その評価は大きく変わっている。北米では中古車価格が8万ドル(約1290万円)前後まで上昇し、低走行車では10万ドル(約1600万円)を超える例も珍しくない。新車価格を上回る価格で取引されるケースも増えている。

日本国内でも状況は同様だ。標準仕様は300万円台から探せる一方、Performance Packageや限定車「Final Edition」は1000万円超が中心となっており、レクサス認定中古車でも1300万円台後半の価格が付けられる車両も存在するなど、高い資産価値を維持している。

希少性が価値を押し上げる

RC F Performance Packageがここまで評価を高めた最大の理由は、その希少性にある。北米向け初年度生産は約50台、世界累計でも1500台未満とされ、生産台数は極めて少ない。

レクサスの限定車といえば、500台限定で生産された「LFA」が代表格だ。当時3750万円だった新車価格は、現在ではオークションで1億円を超えるケースもあり、世界的なコレクターズカーとなっている。

もちろん、RC FがLFAと同じ価格帯へ到達する可能性は高くない。しかし、「大排気量の自然吸気V8」という存在価値は、時間の経過とともにさらに高まる可能性がある。

自然吸気のピュアなV8を味わえる最後のチャンスになるか

世界的に電動化が進み、大排気量自然吸気エンジンは急速に姿を消しつつある。そんな中でRC Fは、5.0L V8エンジンならではのレスポンスやサウンドを味わえる数少ないモデルとなった。

数年後には「あの時に手に入れておけばよかった」と振り返られるモデルになる可能性は十分にありそうだ。