人生初の愛車を、一生の愛車へ。

GTマシンを追い続けるBNR34!

スカイラインオーナーが全国から集結した『ARCスーパーエキシビジョン』の取材で、数多くの出展車両の中からOPTION賞として選出させてもらったのが、ここで紹介するBNR34だ。エンジンからビジュアルまで抜群の完成度を誇る1台だが、このマシンを20年前、人生初の愛車として迎え入れたのがオーナーの村田さんである。

「きっかけは、高校時代にたまたまテレビで見たGTマシンです。それまでクルマにはまったく興味がなかったのですが、R34のGTマシンの格好良さに痺れて、『絶対にこれに乗る』と決めたんですよ」と村田さん。まさに運命の出会いだった。

18歳で免許を取得すると、もちろん狙うのはBNR34一択。人生初の愛車として手に入れたのは、7年落ち・走行7万6000kmのベースグレードだった。

購入当初は完全ノーマルの状態で、しばらくは吸排気系のライトチューンを楽しんでいた。しかし、もらい事故で右フロントを損傷したことをきっかけに、チューニングは一気に本格化する。ディーラーで外装を修理した後にブースト圧の不具合が発生し、某ショップでパイピングやニスモR1タービンなどを装着。その後、エンジンを2.7L仕様へとステップアップしたものの、期待したほどパワーが出ず扱いづらかったため、リセッティングを依頼したのが名門“ティーゲット”だった。

そこで担当していたメカニック・長谷川さんが独立したことを機に、以降は“アジト”でメンテナンスからチューニングまでを一任している。

「アジトでは最初にエンジンをやってもらう予定だったんですが、イベント会場でガレージカゴタニのデモカーに装着されていたエアロを見て、一目惚れしてしまったんです。結局、エンジン用に貯めていた予算を全部エアロに使っちゃいました」と村田さんは笑う。

ガレージカゴタニのフルエアロを装着してから3年後、満を持してエンジンの新規製作に着手。2019年にアジトが手掛けたフルチューンでは、N1ブロックにHKS2.8Lステップ2キットを組み込み、ヘッドにはVカムを追加。さらに、ニスモサージタンクやHKSインタークーラー、ワンオフラジエターなど、補機類に至るまで抜かりなくセットアップされている。

タービンはトラストT517Zツインを採用し、エンジン制御はF-CON VプロVer3.4で行う。最大ブースト圧は1.3キロに設定され、約700psを発生する実力派だ。

アジトのイメージカラーでもあるオレンジのヘッドカバーとフロントカバーが映える美しいエンジンルームには、HKSクランク角センサーコンバージョンキットも装着されている。

足元はニスモLM GT4(18×10.5J+15)にシバタイヤR23(275/35R18)を組み合わせ、サスペンションはHKSハイパーマックスMAX IV GTをセット。アーム類もニスモ製へと交換されている。

室内には8点式ロールバーを組み込み、リヤシートを撤去することでGTマシンさながらの雰囲気を演出。操作系はOMPステアリングとレカロシートへ変更されている一方で、エアコンやナビはしっかり残されており、快適性にも配慮されている。に変更。

そんな村田さんにとって、この仕様もまだ通過点に過ぎない。

「最終的な夢はGTマシンのレプリカなんですが、仲間からは『やめておけ』って止められています(笑)。BNR34の価格が高騰した影響で、今では外装をお願いできる鈑金屋さんを探すのも一苦労。ボンネットの脱着すら断られることもありますし、カーボンルーフを施工した時なんて『本当に切っていいんですか?』と何度も確認の電話が掛かってきました」。

名車ゆえの苦労を抱えながらも、村田さんの情熱は揺るがない。

目標は、大ファンである本山哲選手がドライブしたペンズオイルカラー、あるいはザナヴィカラーのGTマシン。その”Xデー”に向け、現在も本物仕様のエアロパーツを少しずつ収集しながら、理想の一台へと着実に歩みを進めている。

PHOTO:HIROYUKI Kondo/REPORT:HIDETOSHI Kawasaki

「RB魂炸裂!」多数のスカイラインが集結したARCスーパーエキシビジョンイベントレポートPart.1