初心者が陥りやすい罠
初心者が陥りやすい罠として以下の3 点が挙げられた。
①視線が近い
②コース幅を使いきれていない
③ブレーキングポイントが遅い
それぞれ詳しく述べていただこう。
①視線が近い

「運転がギクシャクしてスムーズにいかない」という場合は視線が近いことが多い。遠くにするよう意識するのはもちろん、行きたい方向の「少し先」を見るように心掛けたい。
井尻講師のアドバイス
「初心者の方は視線が近いことが多いので、意識的に遠くを見るようにしてください。また、遠くを見るといってもどこか一点を見るのではなく、全体を俯瞰で見るイメージです。
そうすれば、ポストで振られている旗や前走車の様子などを早く認識できるので安全にもつながります。一般道を走る日常ドライブでも、ひとつ先の信号だけでなく、2つ3つ先の信号も見るように心掛ければ、視線が自然と広くなっていくはずです」
蘇武講師のアドバイス
「初心者の方は恐怖心から視線が近くなってしまいがちですし、心拍数が多いと視野が狭くなります。また、レコードラインをなぞることに執着し過ぎていることも多いです。
視線をクリッピングポイントにのみに置いていることが多いので、意識としては視線を置くコース上の場所を増やすことから始めるといいと思います。
ブレーキングポイント、クリッピングポイント、アクセルONのポイント、立ち上がりでアウトに寄るポイント……。 など、点を増やして線に近づけていけば、自然と視線を遠くに持っていけるはずです」
②コース幅を使いきれていない

一般道に比べると道幅が広いサーキット。初心者の場合、コース幅をいっぱい使っているつもりでもまだまだ使いきれていないことが多い。プロの車載映像などを観て、コース幅を使いきるイメージを具体的につかみたい。今回の走行会のようにプロの同乗走行ができるとさらにわかりやすい。

井尻講師のアドバイス
「車幅感覚をつかむことが大切です。わざとイン側/アウト側の縁石を踏んでみて車幅感覚を覚えるところから始めるといいと思います。
また、マイカーと同じ車種のプロの車載映像を観て、自身の走りとどれくらい景色が違っているかを見比べるのもよいですね。機会があれば、マイカーをプロに運転してもらい、助手席で体感するのが最もわかりやすいでしょう」
蘇武講師のアドバイス
「コース幅を使いきれていないのは車幅感覚をつかみきれていないからです。縁石を踏むなどして車幅感覚をつかむときは、Aピラーやワイパーアームの位置なども参考にしてみましょう。
上級者の車載映像を見て、それらの位置の違いを見比べるのもいいです」
③ブレーキングポイントが遅い

「タイムを出すにはブレーキングポイントを奥にしなきゃ」と思いがちだが、じつはこの思い込みが罠。
ブレーキランプが光るタイミングなどで上級者のブレーキングポイントを見ると、意外と手前なことに驚かされるはず。
また、「コーナーでしっかりインにつけない」という場合も、原因はブレーキング開始の遅れによることが多い。「クリッピングポイントを外さないためには、どこから減速すべきか?」冷静に考えて、確実に止まれるところから踏む。そこからやり直してみよう。
井尻講師のアドバイス
「どこを速く走ればタイム短縮できるか、考えると、ブレーキングポイントを奥にするのは違うことがわかるはずです。
速くコーナリングするよりも、立ち上がってアクセルを全開にするポイントを早くするほうがタイムを詰めやすいです。早くアクセルを全開にするために逆算すると、ブレーキングポイントは思ったよりも早くなります。
また、簡易データロガーを有効に使うのがオススメです。自身のデータとプロのデータを見比べると、プロのほうが手前でブレーキングしているのが明確にわかります」
蘇武講師のアドバイス
「コーナリングの頑張り方のイメージとしては進入8割、ボトム9割、立ち上がり10割といった感じです。ブレーキングを我慢し過ぎているといわれたら、感覚的には1台分手前からブレーキングしてみてください。
ダウンフォースが強いクルマなら、コーナリングスピードを上げる効果も大きいのですが、市販車の場合、コーナリングスピードを上げるのはリスキーです。
進入で頑張らなくてもタイムは短縮できますし、ブレーキングポイントを詰めるというのはタイム短縮を目指すうえでいちばん最後にやることです」
後編は
スキルアップに適したクルマの準備
複合コーナーの走り方
アクセルコントロールでスライドを止める方法
(7月23日 8:05~公開予定)
■REVSPEED
https://motor-fan.jp/publisher/revspeed/
■取材協力:Garage 123

