フォルクスワーゲンが、高性能SUV『ティグアンR』の市販化に向けた最終段階へ入ったようだ。ニュルブルクリンク近郊で目撃された最新プロトタイプは、カモフラージュを一切まとわない姿でテストを実施しており、市販モデルはすでに完成形に近い状態にあるとみられる。

フォルクスワーゲン ティグアン R プロトタイプ スパイショット

ティグアンは世界的な人気を誇るSUVだが、これまでラインアップには“R”の名を冠する本格スポーツモデルは存在してこなかった。一方でライバル各社は高性能SUVを次々と投入しており、フォルクスワーゲンにとっても空白を埋める存在としてティグアンRへの期待は高まっていた。

フォルクスワーゲン ティグアン R プロトタイプ スパイショット

スクープされた車両は、専用デザインのフロントバンパーや大型エアインテーク、4本出しエキゾースト、ヘッドライト脇の“R”エンブレムなどを装備。外観だけでも通常モデルとの違いは明確で、スポーツモデルとしての存在感を強く打ち出している。

リヤまわりではバンパー下部にメッシュ調の加飾が採用されているが、一部はダミー処理とみられる。一方で、その下には実際の4本出しマフラーが備わっており、見た目だけではない本格的なパフォーマンスモデルであることを示している。

フォルクスワーゲン ティグアン R プロトタイプ スパイショット

最大の注目はパワートレインだ。搭載が有力視されるのはゴルフRと共通の2.0L直列4気筒ターボ、EA888。最高出力は333ps級になると予想され、7速DSGと4Motion四輪駆動を組み合わせることで、高い走行性能を実現するものとみられている。さらに、ゴルフR譲りのトルクベクタリング付きリヤデファレンシャルも採用される可能性が高く、SUVでありながらホットハッチに近い俊敏なハンドリングが期待される。

フォルクスワーゲン ゴルフR EA888エンジン

ティグアンはMQBプラットフォームを採用しており、ゴルフRとのコンポーネント共有もしやすい。つまり、ゴルフRで培われたスポーツ性能を、SUVならではの広い室内空間や実用性と両立できる点が、このモデル最大の魅力と言える。

フォルクスワーゲン ティグアン R プロトタイプ スパイショット

高性能SUV市場では、アルファロメオやBMW、メルセデスAMGなどプレミアムブランドが強い存在感を示している。一方で、ティグアンRはそれらより現実的な価格帯に収まりながら、本格的なスポーツ性能を実現するモデルとなる可能性がある。

ライバルとして比較されるトヨタRAV4 GR SPORTは、優れたシャシー性能を備える一方、ハイブリッドシステムとCVTを組み合わせたキャラクターであるため、純粋なスポーツドライビングという点では方向性が異なる。ティグアンRはガソリンターボとDSGによるダイレクトな加速フィールを武器に、よりドライバーズカーとしての個性を打ち出してくるだろう。

トヨタ RAV4 GRスポーツ

現時点では欧州での発売が有力視されているものの、日本導入についてはまだ何も発表されていない。ただ、日本市場では近年、ゴルフRやT-Roc Rなどスポーツモデルへの支持も一定数あり、ティグアンRが導入されればフォルクスワーゲンSUVのフラッグシップとして注目を集める可能性は十分ある。

フォルクスワーゲン ティグアン R プロトタイプ スパイショット

フォルクスワーゲンは電動化を進める一方で、“GTI”や“R”といったスポーツブランドも継続する姿勢を示している。ティグアンRは、その象徴となるSUVとして、高性能と実用性を両立した新たな選択肢になるのではないだろうか。