カワサキ・エリミネーターの基本情報

現行のエリミネーターは、398ccの水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブエンジンを搭載するストリートクルーザーである。

最高出力は35kW(48PS)/10,000rpm、最大トルクは37N・m(3.8kgf・m)/8,000rpm。トランスミッションには6速MTを組み合わせ、クラッチ操作を軽減するアシスト&スリッパークラッチも備える。

車体には高張力鋼製のトレリスフレームを使用し、フロントにはインナーチューブ径41mmのテレスコピックフォークを装備。リヤサスペンションはプリロード調整が可能なツインショック式となる。ホイール径はフロント18インチ、リヤ16インチで、ブレーキにはフロント310mm、リヤ240mmのシングルディスクを組み合わせた。

全長は2,250mm、軸間距離は1,520mmと、クルーザーらしいロー&ロングのプロポーションを形成する。一方、シート高は735mm、車両重量は176kgに抑えられており、足つきや取り回しにも配慮した設計だ。燃料タンク容量は12L、WMTCモード燃費は25.7km/L。使用燃料には無鉛レギュラーガソリンを指定する。

現行の2027年モデルは2026年7月18日に発売された。スタンダードの「ELIMINATOR」はメーカー希望小売価格85万8,000円で、カラーはエボニーとパールロボティックホワイトの2色。2027年モデルでは主にカラー&グラフィックが変更されている。

派生仕様として、装備を充実させた「ELIMINATOR SE」と、カワサキプラザ専用の「ELIMINATOR PLAZA EDITION」もラインアップする。

ELIMINATOR SEの価格は95万7,000円。ヘッドライトカウルやフロントフォークブーツ、USB Type-C電源ソケット、GPS対応型前後ドライブレコーダーなどを標準装備する。ELIMINATOR PLAZA EDITIONは91万3,000円で、専用色のキャンディエメラルドグリーンを設定。スタンダードを軸に、装備やカラーの違いから選べる構成となっている。

主要諸元表

項目ELIMINATOR
エンジン水冷4ストローク並列2気筒 DOHC 4バルブ
総排気量398cc
最高出力35kW(48PS)/10,000rpm
最大トルク37N・m(3.8kgf・m)/8,000rpm
トランスミッション常時噛合式6段リターン
全長×全幅×全高2,250×785×1,100mm
軸間距離1,520mm
シート高735mm
車両重量176kg
燃料タンク容量12L
WMTCモード燃費25.7km/L
フロントタイヤ130/70-18M/C 63H
リヤタイヤ150/80-16M/C 71H
フロントブレーキ310mmシングルディスク
リヤブレーキ240mmシングルディスク
メーカー希望小売価格858,000円(税込)

カワサキ・エリミネーターの魅力

エリミネーターの大きな魅力は、クルーザーらしいロー&ロングなスタイリングを持ちながら、構えすぎずに乗りやすい車体へ仕上げられていることだ。

ハンドルは腕を自然に伸ばせる位置、ステップは膝が適度に曲がる位置に配置されており、クルーザーに見られるような極端に足を前へ投げ出すポジションではなく、自然な姿勢で操作しやすいことが特徴である。

前述したとおり、エリミネーターは低いシートと軽量な車体を組み合わせている。足を地面へ下ろしやすく、ロー&ロングの存在感あるスタイルに対して、日常で扱いやすいパッケージとなっている。

エンジンも、クルーザーの外観だけを意識した特性ではない。低速域では扱いやすいトルクを発揮しながら、高速域では力強いパワーとリニアなレスポンスを楽しめる設定となっている。市街地でゆったり走るだけでなく、高速道路やワインディングを含めたツーリングにも対応しやすい。

アシスト&スリッパークラッチも実用面での魅力だ。クラッチレバーの操作力を軽減するとともに、急激なシフトダウン時にはバックトルクを抑え、リヤタイヤのホッピングやスリップを抑制する。

また、スタンダードモデルからETC2.0車載器キットを備え、スマートフォン接続機能にも対応する。ツーリングで利用する機会の多い装備を標準で備えている点も、実用面でのメリットである。

見た目はクルーザーでありながら、街乗りのしやすさ、スポーティなエンジン特性、ツーリングで役立つ装備までバランスよくまとめられていることが、現行エリミネーターの魅力といえる。

カワサキ・エリミネーターの気になるポイント

エリミネーターを検討する際は、ロー&ロングな車体ならではの特徴を理解しておきたい。

シート高は735mmと低い一方、軸間距離は1,520mmあり、最小回転半径は3.0mとなっている。直進時の安定感を得やすい車体構成だが、狭い駐車場での切り返しやUターンでは、コンパクトなネイキッドモデルとは感覚が異なる。購入前には低速時の取り回しも確認しておきたい。

高速道路での走行風も考えておきたいポイントだ。スタンダードモデルはロー&ロングのシンプルなスタイリングを重視しており、大型のスクリーンは標準装備されない。長時間の高速走行を多く予定している場合は、ウインドシールドなどのアクセサリーを検討する余地がある。

燃料タンク容量は12Lである。WMTCモード燃費は25.7km/Lと良好だが、ロングツーリングでは大型ツアラーのような大容量タンクではないため、給油場所を意識する場面もあるだろう。

メーカー希望小売価格は85万8,000円である。予算を重視する場合は、低いシートや車体デザイン、標準装備なども含め、自分が求める使い方と価格のバランスを考えて選びたい。

カワサキ・エリミネーター中古市場

現行エリミネーターは2023年に発売されてから数年が経過し、中古市場にもスタンダードモデルが流通している。

グーバイクの「エリミネーター400」中古車一覧には、現行スタンダードに加えて旧型やPLAZA EDITIONなども含まれている。そのため、掲載総数やページ全体の平均価格ではなく、現行スタンダードと確認できる車両を個別に見ていく必要がある。

2026年8月28日時点では、2026年モデルで走行距離2,051kmの車両が79.97万円、2025年モデルで走行距離2,449kmの車両が82.8万円で掲載されている。2024年モデルでは、走行距離4,476kmの車両が79.2万円、8,503kmの車両が76.8万円、走行距離1,073kmの車両が81.8万円といった例も確認できる。

現行型では70万円台後半から80万円台前半の車両が見られ、年式が新しく走行距離の少ない個体では新車価格に近い水準となる。

中古車を探す際は、単純な価格だけでなく、モデル年式、走行距離、車検残、アクセサリーの有無などを揃えて比較すると相場を判断しやすい。

カワサキ・エリミネーター中古の注意点

エリミネーターの中古車を探す際は、まず年式と世代を確認したい。

「エリミネーター400」という名称は現行モデルだけに使われているわけではない。1986年に登場した旧型エリミネーター400は、水冷並列4気筒エンジンとシャフトドライブを採用しており、現行の398cc並列2気筒モデルとは構造もキャラクターも大きく異なる。

現在につながるモデルは2024年モデルとして2023年4月に発売された。そのため中古車検索では、車名だけで判断せず、モデル年式や初度登録年、型式などを確認して現行型かどうかを見分けたい。

車両状態では、タイヤやブレーキパッド、チェーン・スプロケット、フロントフォーク、リヤショックなどを確認しておきたい。現行型は比較的新しい車両が中心だが、走行距離だけで状態を判断せず、整備履歴も確認すると安心だ。

また、スクリーンやリアキャリア、サイドバッグ、ハンドル、シート、エンジンスライダーなどが装着された中古車も見られる。実際にグーバイクでもリアキャリアやスクリーンなどを装備した車両が流通している。カスタム車を選ぶ場合は取り付け状態や純正部品の有無、車検への適合状況を確認しておきたい。

ETC2.0車載器は現行スタンダードの標準装備であるため、中古車では正常に作動するかも確認しておきたいポイントだ。

カワサキ・エリミネーター中古が高い理由

現行エリミネーターの中古車は、高年式車を中心に価格が下がりにくい傾向が見られる。背景として大きいのが、現行型そのものがまだ新しいことだ。

現在のエリミネーターは2024年モデルとして2023年4月に発売されたため、中古市場に流通している現行型は登場から数年以内の車両が中心となる。長期間販売されてきたモデルのように、10年以上経過して大幅に価格が下がった現行世代はまだ存在しない。

前述したとおり、現行型では高年式かつ走行距離の少ない中古車も80万円前後で流通している。現行2027年モデルの新車価格は85万8,000円であり、個体によっては新車との価格差が数万円程度にとどまる。

また、現行スタンダードはETC2.0車載器を標準装備している。中古市場ではリアキャリアやスクリーンなどのアクセサリーが追加された車両もあり、装備内容によっては車両価格が下がりにくい場合もある。

そのため、高年式のエリミネーターを検討する場合は「中古だから大幅に安い」とは限らない。車両価格だけでなく、新車の保証や諸費用、中古車に装着されているアクセサリーまで含めて比較することが重要である。

カワサキ・エリミネーターの変遷

カワサキ・GPZ900R(1984)

エリミネーターの歴史は1985年に始まった。最初に登場したのは輸出向けのエリミネーター900である。ドラッグレーサーをイメージしたロー&ロングの車体に、GPZ900Rをベースとする908cc水冷並列4気筒エンジンを搭載した。国内では同年、エリミネーター750が発売された。

1986年にはエリミネーター400が登場する。GPZ400R系の水冷並列4気筒エンジンをベースとし、シャフトドライブと組み合わせた。1988年にはブラックを基調とする「SE」と、スポークホイールやメッキパーツを取り入れた「LX」が追加され、シリーズの選択肢が広がった。

1987年にはエリミネーター250も登場。こちらは並列2気筒エンジンとチェーンドライブを採用し、シリーズの間口を広げた。400と同様にSEやLXも展開された。

ELIMINATOR250V(2007)
ELIMINATOR125(2008)

1997年には124cc単気筒エンジンを搭載するエリミネーター125が登場した。

翌1998年にはエリミネーター250Vが登場。従来の並列2気筒からV型2気筒へ変更され、スタイリングもよりオーソドックスなクルーザーへと変化した。

250Vは2007年モデルを最後に生産を終了。エリミネーター125も2008年モデルを最後にラインアップから姿を消し、日本国内ではエリミネーターの名称が一度途絶えることとなった。

そして2023年、日本の400ccクラスにエリミネーターの名称が復活する。

新型は398ccの並列2気筒エンジンとトレリスフレームを組み合わせ、かつてのドラッグレーサー的なイメージを残しながら、街乗りやツーリングで扱いやすい現代的なストリートクルーザーとして再構築された。スタンダードとSEが2023年4月25日に発売され、その後PLAZA EDITIONも加わっている。

現行2027年モデルでは基本的な構成を継承しながらカラー&グラフィックを変更。スタンダードのELIMINATORではエボニーとパールロボティックホワイトの2色が用意されている。

まとめ

2003年に復活したエリミネーター(ELIMINATOR SE)

1985年に始まったエリミネーターは、2023年の復活によって再び400ccクラスで存在感を示している。

現行型は往年のモデルをそのまま再現するのではなく、低いシートや扱いやすい車体、スポーティな並列2気筒エンジンを組み合わせた現代のストリートクルーザーとして再構築された。

復活からまだ数年しか経過しておらず、中古市場でも高年式の車両が中心である。今後、年式が進むにつれて中古車の選択肢や価格帯がどのように変化するのかも注目したいところだ。

かつてさまざまな排気量で展開された「エリミネーター」という名前が、現在の400ccモデルを軸にどのような歩みを続けていくのか。今後の展開にも注目したい。