足つきは良くしたい。でも車体姿勢は崩したくない!
What’s up! ども、ガレージ146のイシムです。2024年の春にスタートした『XSR125カスタムプロジェクト』も、いよいよ仕上げの段階。前回はホームセンターで購入した缶スプレーを使い、タンクカバーとフロントホイールをアイボリーにDIY塗装。真っ黒だったXSR125に明るい差し色が入り、スクランブラー仕様らしい雰囲気がグッと出てきました。
そして今回は、加工に出していたシートが到着。じつはこのシート加工、見た目のイメチェンだけが目的ではありません。前後タイヤを2サイズアップしたことで、足つきがつま先立ち気味になっていたんです。ワイズギア製のローダウンリンクも試したけれど、横から見た車体姿勢が好みじゃなかったので、現在はノーマル状態。足つきは良くしたい。でも車体のバランスは崩したくない。そこで選んだのが、純正シートのあんこ抜き加工というわけです。
ローダウンで車体側を下げるのではなく、シート側で座面を調整する。これなら、XSR125の前後バランスを大きく崩さずに、足つきの不安を減らせます。しかも今回は、ただスポンジを削るだけではなく、表皮の色やタック、ステッチまで指定。どうせ加工に出すなら、見た目もちゃんと自分好みに仕上げたいじゃないですか。

加工前のXSR125。前後タイヤを2サイズアップしたことで、イシム的には足つきが気になる状態に。車体姿勢を崩さず改善するため、シート加工を選んだ。

加工前の純正シート。形状はシンプルで悪くないが、今回は足つき改善と見た目のイメチェンを狙って、あんこ抜き&表皮張替えを行う。
どうせ出すならこだわりたい! 茶色表皮で雰囲気も変える
シート加工をお願いしたのは、丸直バイク事業部。あんこ抜きやあんこ盛り、表皮張替え、タック、パイピング、ステッチ、ゲルザブ加工など、細かい仕様まで相談できるシート加工の専門店です。今回のXSR125では、足つき改善だけでなく、車体全体の雰囲気作りも狙って、茶色表皮や横タック、アイボリー糸のWステッチまで指定しました。
前回のDIY塗装で、タンクカバーとフロントホイールはアイボリーに変更済み。そこに黒い純正シートのままでもまとまりはありますが、少し重く見えるのも正直なところ。そこで茶色表皮を選び、アイボリーとの相性を狙ってみました。スクランブラー仕様とはいえ、無骨に寄せすぎず、少し上品な雰囲気も残したい。ブラウン系のシートは、そのバランスがちょうどいいんです。
表皮の色や質感を選べるのは、張替え加工ならではの魅力。ブラックで精悍にまとめるのもいいし、赤やキャメル系で遊ぶのもいい。今回は、アイボリーの差し色を生かしながら、ちょっとクラシカルに見せる方向へ。タックとステッチも加えることで、純正シートとは違う“手が入っている感”を狙いました。

表皮は色や質感の選択肢が豊富。今回のXSR125は、アイボリー塗装とも相性のいいに茶色表皮を選んだ。
前面20mm、横10mm! 足を下ろしやすい形に削る
今回の加工内容は、フロント座面を約20mmあんこ抜きし、後方へ薄くなじませるというもの。さらにフロントサイドも約10mm削り、足を下ろす時に内股部分が当たりにくい形へ整えています。単純に座面の上だけを削って低くするのではなく、横方向もスリムにしたのがポイントです。
足つきって、シート高の数字だけで決まるものではありません。シートの角が張っていると、足を下ろす時に太ももが外へ開いてしまい、結果的に地面が遠く感じることがあります。逆に、座面の前方やサイドをうまく削ると、数値以上に足を下ろしやすくなることもある。今回のXSR125は、まさにその部分を狙った大袈裟に言えばイシム仕様なんです。
もちろん、削れば削るほど良いわけではありません。スポンジを削りすぎれば座り心地に影響するし、形状のバランスも崩れやすい。だからこそ、ここはプロに任せる意味がある。DIY塗装は自分で楽しむ。シート加工は専門店に相談する。この使い分けも、カスタムを気持ちよく進めるコツですね。

シートのウレタンを削り、座面形状を整えていく。足つき改善を狙うあんこ抜きは、ただ低くするだけでなく、どこをどう削るかが重要だ。

サイドをダブルステッチにして糸色をアイボリーに。丁寧な縫製は丸直の真骨頂。表皮も質感が高くお気に入りだ。
完成シート到着! 茶色表皮とアイボリーの相性がばっちり
待つこと約二週間、オーダーしていたシートが完成。仕上がりは想像以上! 茶色表皮に横タック、アイボリー糸のWステッチ、さらにタンデムベルトも張替え。スクランブラー仕様らしいラフさは残しつつ上品な雰囲気もある。かなり印象が変わりました。
加工内容を説明すると、表皮張替えの基本料金が1万2000円、あんこ抜き加工が1万円、横タック加工が5000円、Wステッチ加工が4000円、タンデムベルト張替えが2800円。加工費合計は3万3800円で、税込合計は3万7180円。横タックは前45mm、後ろ60mm、間等幅で計10本。Wステッチは片側Wステッチでサイドから1周、アイボリー糸を使った仕様です。
完成したシートをXSR125に装着すると、前回アイボリーに塗ったタンクカバーとフロントホイールとの相性もばっちり。黒い車体にアイボリーとブラウンが入ることで、軽さとクラシカル感が一気に増しました。フロントだけ色違いのホイールも、茶色シートが入ることで浮かずにまとまって見える。これは狙いどおりです。

茶色表皮に張り替えた完成シート。横タックやWステッチも加わり、純正とはかなり違う雰囲気に仕上がった。

完成シートを装着した横姿。アイボリーのタンクカバー&フロントホイールと茶色シートの相性がよく、スクランブラーらしい軽快さもアップ。
片足なら足裏ほぼ着地ッス! 安心感はかなり変わる
見た目が変わったら、次に気になるのは実際の足つきです。加工前は、前後タイヤを2サイズアップした影響もあって、停止時はつま先立ち気味。車体自体がものすごく大きいわけではないけれど、日常的に乗るなら、信号待ちやUターン時の安心感はやっぱり大事です。
加工後はどうか。結果は、片足なら足裏ほぼ着地。両足ベッタリではないものの、停車時にしっかり支えられる感覚が出たのは大きい。つま先立ち気味だった加工前と比べると、安心感はかなり変わりました。原付二種は気軽に乗れることも魅力だから、こういう安心感の積み重ねは大きいんです。
しかも今回は、ローダウンリンクで車体を下げたわけではなく、シート加工で足つきを改善。横から見た車体姿勢を大きく崩さず、自分の好みに近いシルエットのまま乗りやすくできたのがポイントです。足つき改善というとローダウンを思い浮かべる人も多いけれど、見た目にこだわるならシート加工という選択肢はかなり現実的です。

加工前の足つき。前後タイヤを2サイズアップしたこともあり、停止時はつま先立ち気味。イシムにとっては気になるポイントだった。

一見あまり変わっていないように見えるけど、つま先立ちから、母指球立ちに代わって安心感は相当アップ。片足なら足裏がほぼ着地するようになった。座面前方のあんこ抜きとサイドの削り込みが効いてるね。

足つき改善と見た目のイメチェンを同時に狙った今回の加工は、かなり満足度の高い仕上がりだ。
走っても見てもイイ! 仕上げは次回の総ざらいへ
シートが完成したことで、XSR125の雰囲気はかなり変わりました。タンクカバーとフロントホイールのアイボリー、茶色表皮のシート、ブロックパターンタイヤ、ガード類が組み合わさり、街にも山にもラフに飛び込んでいけそうな一台に近づいてきました。真っ黒だった頃と比べると、明るさと遊びが加わって、かなり別モノ感があります。
足つきの不安が減り、見た目のまとまりもアップ。アイボリー×ブラウンで雰囲気を変えたXSR125は、いよいよ総仕上げへ。積み重ねてきたパーツを振り返りながら、完成した姿をあらためて紹介します。
では次回もお楽しみに!
Don’t miss it!

完成したシートで走行するXSR125。足つきの不安が減ると、街乗りでも扱いやすさの印象は変わる。茶色シートとアイボリーの差し色もいいアクセントだ。
取材協力

●GARAGE146
東京都杉並区井草3-17-17にある、味のあるバイクショップ。代表の石村さんは業界歴30年以上のベテランで、元ミニバイクレーサー。愛車はSR400とアドレスV125。来店時はインスタグラムから連絡を。

●丸直バイク事業部
バイク用シートの張替え、あんこ抜き、あんこ盛り、タック、パイピング、ゲルザブ加工などに対応するシート加工の老舗。今回のXSR125では、足つき改善と見た目のイメチェンを狙ってシート加工を依頼した。
TEL:052-361-4889
公式サイトはこちら
ベースマシン紹介|ヤマハ XSR125 ABS

ヤマハ伝統のデルタボックスフレームに水冷4バルブエンジンを搭載する原付二種スポーツ。兄弟車はMT-125とYZF-R125で、カスタムパーツも豊富。丸目ライトやロングシートを備えたネオレトロなスタイルは、今回のようなスクランブラー系カスタムとも相性がいい。
※この記事は月刊モトチャンプ2026年2月号を基に加筆修正を行っています
【モトチャンプ編集部】