日常から走りを楽しむ、新世代のフルカウルスポーツ

ホンダは2026年7月10日、新型ロードスポーツモデル「CBR400R FOUR E-Clutch」を発表した。発売日は9月18日で、全国のHonda Dreamで取り扱う。メーカー希望小売価格は119万9000円(税込)。国内の年間販売計画は2500台としている。

新型の中心となるのは、新設計の399cc直列4気筒エンジンと、クラッチ操作を自動制御する「Honda E-Clutch」だ。「CB400 SUPER FOUR E-Clutch」とプラットフォームを共用しながら、フルカウルモデルとして、走りに集中する時間の充実を目指した。

開発で重視したのは、普段の移動でも気持ちが高まるスポーツバイクであること。街中での扱いやすさと、ワインディングで積極的に操る楽しさを両立させる構成が特徴だ。外観には金属を削り出したような面の表現を取り入れ、未来的な灯火器のデザインと組み合わせた。前方に重心が集まったように見えるシルエットも、スポーティな印象を強めている。

最高出力58PS、音と回転の伸びにもこだわった4気筒

エンジンは水冷4ストロークDOHC4バルブ直列4気筒。最高出力は43kW〈58PS〉/1万1500rpm、最大トルクは38N・m/9750rpmを発揮する。6段変速機を組み合わせ、高回転域の伸びと、日常で使う低・中回転域の力強さを追求した。

スロットル操作を電気信号で伝えるスロットルバイワイヤを採用し、エンジン内部の摩擦低減や高圧縮比化も実施。幅広い回転域で滑らかに力を引き出せる特性を目指している。最高出力の数値だけでなく、市街地から高速巡航まで、異なる場面で楽しめることを重視した設計だ。

吸排気の音づくりにも手を入れた。左右のヘッドライト下部にはツインラムエアダクトを配置し、走行風を取り込むことで高速域での鋭い回転上昇に貢献する。吸気側のファンネルは長さや径を調整し、回転を上げる楽しさを音でも演出。排気側は4本の管を2本、さらに1本へまとめる4-2-1構造とし、マフラー内部も最適化した。直列4気筒らしい連続的なサウンドを、走りの魅力の一つに据えている。

E-Clutchと車体設計で、操る楽しさを支える

標準装備のHonda E-Clutchは、発進、変速、停止に伴うクラッチ操作を自動で行う技術だ。ライダーがクラッチレバーを操作する負担を減らし、滑らかな走行を支える。システムをオフにするか、クラッチレバーを握れば、従来どおりのマニュアル操作も楽しめる。

今回はスロットルバイワイヤとの協調制御を採用した。シフトダウン時には半クラッチ制御に合わせてエンジン回転数を調整し、回転差を短時間で吸収することで変速ショックを抑える。また、急減速や段差などで後輪が跳ねている可能性を検出した際には、半クラッチ制御を介入させ、車体挙動の安定に役立てる。

ライディングモードは「STANDARD」「SPORT」「URBAN」と、設定を保存できる「USER」を用意。出力、エンジンブレーキ、トルクコントロールの制御を組み合わせ、走行環境や好みに応じて選択できる。

車体には新設計の鋼管ダイヤモンドフレームを採用し、重量物の配置を工夫してマスの集中化を図った。前傾した乗車姿勢と荷重移動しやすいセパレートシートにより、積極的な車体操作を支える。足まわりは前が倒立式、後ろがプロリンク式サスペンション。路面からの衝撃を吸収する快適性と、スポーツ走行時の応答性を追求している。

スマートフォン連携も標準装備

メーターには5インチのフルカラーTFT液晶を採用。スマートフォンと連携する「Honda RoadSync」も標準装備し、ナビゲーションや天気情報などを表示できる。対応するヘッドセットを接続すれば音声操作や音声案内も利用でき、ツーリングでの利便性を高める。メーター右下にはUSB Type-Cソケットも備えた。

車両重量は187kg、シート高は780mm。全長2055mm、全幅760mm、全高1125mmで、燃料タンク容量は14Lとなる。WMTCモードの燃料消費率は23.1km/L。ただし、これは規定の試験条件で測定した値であり、実際の燃費は走行環境や運転方法などによって変わる。

車体色はベータシルバーメタリックとマットバリスティックブラックメタリックの2色。それぞれ専用グラフィックを採用する。価格には保険料や消費税以外の税金、登録に伴う諸費用などは含まれない。

4気筒エンジンの回転感とサウンドに、操作を支援する電子制御、日常で役立つ装備を組み合わせた新型。400ccクラスでスポーツ走行の楽しさと普段の使いやすさを求めるライダーにとって、注目の選択肢となりそうだ。

主要諸元

車名・型式:ホンダ・8BL-NC70
全長×全幅×全高:2,055×760×1,125mm
軸距:1,405mm
最低地上高:135mm
シート高:780mm
車両重量:187kg
乗車定員:2人
エンジン型式:NC70E
エンジン種類:水冷4ストロークDOHC4バルブ直列4気筒
総排気量:399cm³
内径×行程:55.0×42.0mm
圧縮比:12.3
最高出力:43kW〈58PS〉/11,500rpm
最大トルク:38N・m〈3.9kgf・m〉/9,750rpm
燃料供給装置:電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)
始動方式:セルフ式
点火装置形式:フルトランジスタ式バッテリー点火
潤滑方式:圧送飛沫併用式
燃料タンク容量:14L
燃料消費率:WMTCモード値23.1km/L(クラス3-2、1名乗車時)
クラッチ形式:湿式多板コイルスプリング式
変速機形式:常時噛合式6段リターン
変速比:1速3.286/2速2.105/3速1.600/4速1.300/5速1.150/6速1.043
減速比(1次/2次):2.273/3.067
キャスター角/トレール量:25°00′/98.4mm
タイヤサイズ(前):120/70ZR17M/C(58W)
タイヤサイズ(後):160/60ZR17M/C(69W)
ブレーキ形式(前/後):油圧式ダブルディスク/油圧式ディスク
懸架方式(前/後):テレスコピック式(倒立サス)/スイングアーム式(プロリンク)
フレーム形式:ダイヤモンド
最小回転半径:2.9m

画像ギャラリー