レストアプロジェクトの立ち上げで呼び込む吉報!

続けてスーパーモンキーのレーサーたちを紹介してきた。1976年に二輪チューニングショップとしてスタートしたスーパーモンキーはミニバイクレースが始まる重要な役割を果たし、ミニバイクレースの黎明期で大いに活躍した。ファクトリーレーサーのダックスが快進撃を続け、最高速アタック用のアルミモノコックフレームを備えるマシンまで開発。だが、長らくスーパーモンキーのファクトリーマシンたちは所在が不明だった。

1985年の鈴鹿8耐に四輪レーシングコンストラクターである童夢とスーパーモンキーがコラボ参戦している。新規開発された童夢DCF1というマシンでの参戦であり、そのスタイリングを採り入れて製作されたのが童夢N.M.R.だ。

ところがアルミモノコックフレームのST70-88が現存していたことで、有志によるレストアプロジェクトが発足する。エンジン・ミッションが欠品していたことから当時のパーツをかき集める作業が始まって貴重な情報・パーツたちが揃うなか、さらなる驚きがもたらされる。1985年の鈴鹿8耐でパドックバイクとして展示された童夢N.M.R.が現存していたのだ! レストアプロジェクトのメンバーたちにより、このマシンも走行可能な状態にまでレストアされることになった。

ベースになったのはスーパーモンキーN.M.R.50!

童夢N.M.R.は85年の鈴鹿8耐用に開発された童夢DCF1のスタイルをモンキーサイズに縮小。とはいえノーマルのモンキーではなく、84年に50台前後が市販されたスーパーモンキーN.M.R.50をベースにしている。市販のモンキーにサブフレームを追加することで、専用設計された前後サスペンションを装備。さらにレーサーレプリカそのものといったスタイルのカウリングを取り付けることでN.M.R.50は構成されている。

童夢N.M.R.のベースになったのがスーパーモンキーN.M.R.50。パーツ単位でも完成車としても購入することが可能だった。モンキーのフレームとエンジンを使っているためナンバーを取得して公道を走行することも可能だった。

このスタイルは当時のGPマシンを強く意識したもので、カラーリングもホンダNS、ヤマハYZR、スズキRG-Γ、カワサキKRと同じモノが4種類選べた。エンジンは88ccへボアアップされており、PC20キャブレターと専用マフラーによりセッティングされている。このマシンでミニバイクレースに出場することを夢見た人も多いはずだ。

フルカバード・フェアリングながら公道走行可能!

童夢N.M.R.はスーパーモンキーN.M.R.50と基本的には同じマシンで、フルカバード・フェアリングを備える点だけが異なる。とはいえスーパーモンキーN.M.R.50はモンキーのフレームをそのまま使っているためナンバーを取得することが可能。つまり公道を走行することも可能なわけで童夢N.M.R.でもそれは同じ。ただし写真を見てもわかるようにサイドスタンドが装備されないため、一般道を走っても途中で止めることはできない。

フルカバード・フェアリングによる車体はまさにレーサーだが、レースに参戦した記録はなく単に鈴鹿8耐のパドックに展示されただけ。話題性は十分だったものの85年以降その姿を見る機会はほぼなかったのではないだろうか。

フルカバード・フェアリングのためサイドスタンドを装着する場所もなさそうだから、事実上コース以外を走ることは難しいだろう。だが、その気になれば不可能ではない。そのためにヘッドライトやウインカーなどの灯火類、さらにはメーターやミラーまで装備しているのだ。

公道走行を前提としていたためか、カウル内にヘッドライトを装備している。同様にフェアリング左右にはウインカーも装備する。このマシンが一般道を走っている姿を想像するだけでも楽しくなる。

装備するヘッドライトはホンダTL50純正と思しき角形ランプを装備する。またスピードメーターやイグニッションスイッチなどは他車のものを流用しているようで、ニュートラルとターンシグナルが装備されている。ただエンジンをスタートさせるのは難しいように思える。なんといってもキックアームがないのだから。とはいえ右側面の写真をよくみてほしい。キックアームを取り付けるシャフトの頭だけしっかり出ているのだ。

バイザー内にはしっかりとスピードメーターとイグニッションスイッチが配置されている。その下にはレーシングコンストラクターである童夢のロゴステッカーが貼られている。

N.M.R.50と同じ豪華な足まわり!

童夢N.M.R.はスーパーモンキーN.M.R.50と基本的に同じであるから、豪華な足まわりもそのまま装備している。テレスコピック式となるフロントフォークにはディスクブレーキが装備され、3.50-10サイズのタイヤということもあり操縦性や制動性能はモンキーとは全くの別物だ。よく見ればフロントフェンダーの形状がスーパーモンキーN.M.R.50とは違う。まさに手の込んだパドックバイクだったのだ。

N.M.R.50と同じフロントフォークとディスクブレーキが装備された足まわり。ただしディスクローターはN.M.R.50の穴あきとは異なるもので、どうして穴あきではないのか興味深いところ、キャリパーサポートに「S-MONKEY」のロゴが入っている。

モンキー純正のフレームへサブフレームを追加することで専用のリヤサスペンションを取り付けている。実にリンク式モノショックを採用しており、その走りは現代でも通用するほどだろう。さらにスイングアームはN.M.R.50専用に設計された角形とされ、剛性・作動性とも別物。またリヤではスーパーモンキーN.M.R.50と異なる点があり、N.M.R.50だとドラムブレーキだったが童夢N.M.R.にはディスクブレーキが装備されている。今回のレストアプロジェクトにより、この童夢N.M.R.もしっかり走れる状態にまで戻された。できればいつか、走行している姿を見てみたいものだ。

モンキーのフレームを使っているがリヤサスペンションも全くの別物。N.M.R.50と同じリンク式モノショックを装備して角形スイングアームと組み合わせている。サブフレームに取り付けられたバックステップもN.M.R.50と同じものだ。

撮影したのはこのEVENT!

「第18回モンキーミーティングin多摩」
■開催日:2026年5月17日(日)
■開催地:東京サマーランド 第2駐車場(東京都あきる野市)

こちらの車両はマニアックなモンキーが大量に集う老舗イベント「モンキーミーティング」で撮影。詳細はこちらのWEBをチェック!
当日のイベント模様はコチラから!

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https://motor-fan.jp/article/1489202/

【モトチャンプ】