
2026年10月2日から4日まで開催されている『第64回全日本模型ホビーショー』(10月2日は業者日)の会場(東京・お台場)で、タミヤが注目の新作1/24スケール・プラモデル『ポルシェ911 カレラRS 2.7』をサプライズ発表した。

モデルとなったのは1973年式のポルシェ911カレラRS2.7。いわゆる“ナロー”モデルで、一般に“ナナサン・カレラ”として知られる存在だ。中でもレース参戦を目的に、210psを発揮する空冷水平対向6気筒エンジンを搭載し、ボディパネルを薄くするなど車体各部を徹底的に軽量化、歴代の高性能ポルシェの中でも欠かせないモデルである“RS”だ。

今回のモデルは、タミヤが“クリックロック”と名付ける、接着剤不要・塗装不要のスナップ・フィット式キット。すでに1/24スケールのカーモデルでは『フォルクスワーゲン タイプ2(T1)』(2026年12月発売予定、予価3960円・税込)が先行して発表されており、今回のポルシェ911はその第2弾となる。
タミヤではこれまでにも1988年式911ターボなど、いわゆる“ビッグバンパー”のポルシェをスナップ式キットとして発売したことはあったが、今回のモデルはタイヤ以外のパーツが完全新金型だ。

ボディの光沢感の再現性や組み立て時の部品の頑丈さなどを検討した結果、『フォルクスワーゲン タイプ2(T1)』と同様に、クリアパーツ以外は一般に使用されるスチロール樹脂ではなくABS樹脂を採用。ホイールのディスク面とリムのメッキパーツを別部品としたほか、窓枠もボディとは別部品とすることで、無塗装でも完成度を高められるようにしている。
ただ、ほとんどABS樹脂製と聞くと、いわゆる『ガンプラ』を作り慣れたようなモデラーならご存じの、ABS樹脂に対する特有の不安感もある。スチロール樹脂とは異なるため、接着して組み立てようとすれば、一般的なプラモデル用接着剤が使用できない。接着したい場合には、『タミヤセメント(ABS用)』のような専用接着剤を使用する必要があるので注意が必要だ。
また、塗装する場合も注意が必要で、非結晶性プラスチックであるABS樹脂は一部薬剤への耐性が低く、ケミカルクラック(ソルベントクラックやストレスクラックとも呼ばれる)を生じやすいという特徴がある。具体的には、塗装をすると、塗料に含まれる溶剤(薄め液)が樹脂内に浸透し、揮発すると浸透部分が小さなヒビとなってパーツがもろくなる傾向がある。特にエナメル系塗料との相性が悪く、最悪、パーツが割れてしまうことで知られているため注意が必要だ。いわゆるラッカー系塗料も安全とは言い難く、水性アクリル塗料の使用が無難だが、これとて安心というわけではない。
一つの強引な解決策として、溶剤が部品を侵す前に塗料を強制乾燥させる方法が知られている。これは塗装にエアブラシを使用し、薄い塗料を吹き付けてはドライヤーなどを用いて、その都度、素早く乾燥させては塗膜を重ねて発色させていく手法だ。
そのような手間をかけるなら、無接着・無塗装で気軽に模型作りを楽しむのが正解だろう。モデルにはホワイトとレッドの2種類のボディカラーの商品が用意される。それぞれ成型色を活かして組み立てることができ、付属するステッカーにはリヤエンドのPORSCHEやCarreraなどの文字のほか、ボディ用のストライプも用意される。
発売は2027年1月の予定で予価3960円(税込)。今回の『ポルシェ911 カレラRS 2.7』は、手軽に組み立てられることを重視した“クリックロック”シリーズでありながら、部品構成への工夫など、タミヤらしい作り込みも盛り込まれた新作となっている。もちろん、“ナナサン・カレラ”のスタイリングを1/24スケールで再現した新作として、幅広いカーモデルファンから注目を集めそうだ。


