第1位「一時不停止」足を地面に着けて完全停止を!
今回紹介する取り締まり件数は、警察庁が発表した「令和8年(2026年)上半期における交通死亡事故の発生状況及び道路交通法違反取締り状況等について」というデータ内にある「告知・送致件数」を基にしたものだ。
それによると、検挙数が最も多かったのが「一時不停止」だ。件数は53万5962件に達している。

一時停止が必要なのは、信号のない交差点などにある「止まれ」の標識や道路標示によって指定された場所などだ。そして、捕まりやすいのが、停止線の手前で車体を完全に停止させないまま通過してしまうケースだ。
とくに、バイクの場合は、たとえば、停止線の手前で足をちょんちょんと着きながら進むケースも見られる。また、バイクの操作に慣れたベテランなどのなかには、アクセルやクラッチ操作でバランスを取り、極低速で足を着かずに一瞬だけ停止し、そのまま進むライダーもいる。
だが、これらはいずれも違反と判断される可能性がある。停止線の手前では、地面に足をしっかりと着けることで、車体を完全に停止させることが重要だ。
また、見通しの悪い交差点では、停止線の手前でいったん停止したあと、左右を確認するために少し前へ出ることもある。この場合も、まずは停止線の手前で完全に停止し、その後に安全を確認する必要がある。
なお、もし「止まれ」の標識などがある場所で一時停止違反で捕まると、バイクの場合は以下の罰則を科せられる。
【指定場所一時不停止等違反の罰則(バイクの場合)】
・反則金:二輪車6000円、原付5000円
・違反点数:2点
また、踏切で一時停止しなかった場合は「踏切不停止等違反」となり、バイクの場合の罰則は以下の通りだ。
【踏切不停止等違反の罰則(バイクの場合)】
・反則金:二輪車7000円、原付6000円
・違反点数:2点
一時停止では、しっかりと「地面に足を着ける」ことと「車体を完全に停止させる」ことがポイントだ。

第2位「最高速度違反」うっかり出し過ぎに注意!
一時不停止に続いて多かったのが「最高速度違反」、いわゆるスピード違反だ。2026年上半期の取締り件数は38万1066件となっている。
基本的に、公道における最高速度は、道路標識などによる指定がない場合、一般道路では60km/h(原付は30km/h)、高速道路では100km/hだ。また、2026年9月1日から、中央線などがない生活道路では法定速度が原則30km/hに変更されている。
ただし、一般道では、国道などの幹線道路を除けば50km/h以下に制限されていることも多いので注意したい。また、高速道路でも、一部で120km/hの区間がある一方、80km/hや70km/hなど、100km/h以下に制限されている場所もあるため、こちらも十分に気をつけたい。

なお、警察庁では、超過した速度別の検挙件数も以下のように公表している。
【超過速度別の検挙件数(2026年上半期)】
・50km/h以上:5473件
・30km/h以上50km/h未満:4万4902件
・25km/h以上30km/h未満:8万7707件
・20km/h以上25km/h未満:12万1851件
・15km/h以上20km/h未満:12万1114件
・15km/h未満:19件
上記を見ると、15km/h以上20km/h未満が12万1114件、20km/h以上25km/h未満が12万1851件と、いずれも12万件を超えている。
この数字からも分かるように、極端な速度超過だけが取り締まりの対象となっているわけではない。たとえば、交通量の少ない道路で気持ちよく走っていると、知らず知らずのうちに制限速度を15~20km/h程度上回っていたというケースもある。
そうした「うっかり違反」にならないよう、どんなシーンでも制限速度を確認し、余裕を持った速度で走ることが重要だ。
なお、速度超過で取り締まりを受けた場合、どの程度の反則金や違反点数になるのだろうか。
【スピード違反の罰則(バイクの場合)】
・超過速度15km/h未満→反則金:二輪車7000円・原付6000円/違反点数1点
・超過速度15km/h以上20km/h未満→反則金:二輪車9000円・原付7000円/違反点数1点
・超過速度20km/h以上25km/h未満→反則金:二輪車1万2000円・原付1万円/違反点数2点
・超過速度25km/h以上30km/h未満→反則金:二輪車1万5000円・原付1万2000円/違反点数3点
・超過速度30km/h以上(一般道)→二輪車・原付共に赤キップ(刑事罰の対象)/違反点数50km/h未満6点・50km/h以上12点
・超過速度30km/h以上35km/h未満(高速道路・二輪車の場合)→反則金2万円/違反点数3点
・超過速度35km/h以上40km/h未満(高速道路・二輪車の場合)→反則金3万円/違反点数3点
・超過速度40km/h以上(高速道路・二輪車の場合)→赤キップ(刑事罰の対象)/違反点数50km/h未満6点・50km/h以上12点
とくに、一般道路では30km/h以上、高速道路では40km/h以上の速度超過になると、いわゆる赤キップとなり、交通反則通告制度の対象外だ。その場合、「6か月以下の拘禁刑または10万円以下の罰金」といった刑事罰の対象となる。
通常は、簡易裁判所での略式手続きにより罰金が科せられるが、罰金を支払って刑事手続きが終わっても、前科がつくことになる。さらに、刑事処分とは別に、公安委員会による行政処分も科される。赤キップとなる違反は基本的に違反点数6点以上となるため、一発で免許停止、もしくは免許取り消しの対象となる。
速度超過は、比較的罰則が重い傾向であるだけでなく、重大な事故などに繋がりやすい傾向にある。自分や周りの車両、歩行者などの安全のためにも、くれぐれも注意して走ることが重要だ。

第3位「通行禁止違反」二輪車だけが規制されている道路も!
3番目に多かったのが「通行禁止違反」で、2026年上半期の取締り件数は23万3840件だった。
バイクユーザーがとくに注意したいのが、道路標識などによって二輪車の通行が禁止されている場所だ。
都市部のオーバーパスやアンダーパス、橋やトンネルなどには、二輪車の通行が禁止されている道路や区間がある。ツーリングなどで初めて走る場所では、こうした規制を見落とさないようにしたい。
とくに、クルマは通行できても、バイクだけが規制対象となる場合があるので注意したい。「前を走っているクルマが通っているから大丈夫」と考えて、そのまま進入すると違反になる可能性があるのだ。
さらに、原付のみ、125cc以下、特定の排気量以下、すべての二輪車など、場所や区間などにより規制される排気量などが異なるケースもある。とにかく、傾向がつかみづらく、うっかり間違って入りこんでしまう危険性があるのが二輪車の通行禁止区間だ。
くれぐれも、初めて走る場所などでは、標識をしっかり確認したい。また、標識の下に設置された補助標識などもチェックして走行することが大切だ。
【通行禁止違反の罰則(バイクの場合)】
・反則金:二輪車6000円、原付5000円
・違反点数:2点

第4位「信号無視」黄色信号で無理に進むのも危険!
4番目に多かったのが「信号無視」で、2026年上半期の取締り件数は17万9427件だった。

赤信号を無視して交差点へ進入するのが典型的なケース。また、意外に判断を迷いやすいのが黄色信号だ。
黄色信号では、原則として停止位置を越えて進行してはならない。ただし、黄色信号に変わった時点ですでに停止位置に近づいていて、安全に停止できない場合は、そのまま進むことが認められている。
つまり、「黄色になったから急いで通過する」という意味ではない。黄色信号を確認したら、安全に停止できるかを判断することが重要だ。なかには、黄色になると加速するドライバーやライダーもいるが、危険な行為なので絶対にやめるべきだ。とくに、交差点内は事故が多発しやすいエリア。何が起こるかわからないので、いつでも止まれるよう、つねに余裕を持った運転を心掛けたい。
ちなみに、赤色の点滅信号では一時停止して安全を確認してから進行し、黄色の点滅信号ではほかの交通に注意して進行する必要があるので念のため。

なお、信号無視で検挙された場合の罰則は以下の通りだ。
【信号無視違反の罰則(バイクの場合)】
・反則金:二輪車7000円、原付6000円(赤色等)
・反則金:二輪車6000円、原付5000円(点滅)
・違反点数:2点
第5位「歩行者妨害」横断歩道の手前30m以内も要注意
5番目に多かったのが「歩行者妨害」で、取締り件数は14万7621件だった。
この違反は、正式には「横断歩行者等妨害等違反」といい、たとえば信号機のない横断歩道で、歩行者が横断しようとしているにもかかわらず、徐行や一時停止をせずに通行を妨げると違反となる。

とくに、注意したいのは、歩行者が実際に横断を始めている場合だけではない。横断しようとしている歩行者がいる場合も、その通行を妨げないようにする必要がある。
たとえば、横断歩道の手前に歩行者が立っているものの、まだ道路を渡り始めていないからと、そのまま通過してしまうケースだ。歩行者の動きを予測し、必要なら停止できる速度まで落とすことが重要である。
さらに、横断歩道や自転車横断帯と、その手前から30m以内の場所では、ほかの車両を追い越したり追い抜いたりすることも禁止されている。
前を走るクルマが横断歩道の手前で減速した際、「バイクなら横を通り抜けられる」と考えて追い越すのも危険だ。クルマの陰から歩行者が現れる可能性があるためである。
なお、歩行者妨害で検挙されると、以下の罰則を科せられる。
【横断歩行者等妨害等違反の罰則(バイクの場合)】
・反則金:二輪車7000円、原付6000円
・違反点数:2点
横断歩道では歩行者が優先であることを忘れず、歩行者の動きを予測した運転を心がけたい。
「うっかり」が交通違反につながることも
今回取り上げた5つの違反は、いずれも日常の運転で起こり得るものだ。停止線の手前で完全に止まらない、制限速度を少し超える、二輪車通行禁止の標識を見落とす、黄色信号で無理に進む、横断歩道の歩行者を見落とす……。こうした「うっかり」が交通違反につながることもある。
とくにバイクは、クルマとは車体の大きさや運転感覚が異なるため、ライダーならではの注意が必要な場面もある。
取り締まりを受けないためだけでなく、事故を防ぐためにも、交通ルールをあらためて確認し、余裕を持った運転を心がけたい。
