『プロパイロット2.0』のハンズオフドライブをチェック!
エルグランドのハイライトのひとつに、初搭載された「プロパイロット」が挙げられる。
ステアリングの青いボタンをひと押しして、SETレバーを1回下げればすぐに起動。試乗車は「プロパイロット2.0」を搭載していたから、東名高速道路ではすぐにハンズオフ走行が可能になった。

筆者はひと足先に新型リーフで高速巡航時のハンズフリーを試したが、より大柄なエルグランドで試した運転感覚も、負けず劣らず新鮮だった。直線道路で両手を離して膝に置き、最大で120km/hの巡航をする自動運転体験は、ちょっとしたエンターテイメントだ。
ただ日産いわく、ハンズオフにおける真の狙いは疲労軽減にあるとしている。腕は2本で全体重の1割の重さがあり、これを休ませることで上半身の筋活動を60%軽減できるという理屈だ。

しかしリラックスしてハンズオフするには、まだ先は少し長いと筆者は感じた。
たとえば今回の場合、3車線で両側をトラックに挟まれるシチュエーションがあった。こうした場面でエルグランドは、指示通り車線の中央を走っているのだが、ドライバーとしては、少し左に寄っているような感覚に陥る。だからこうした場面で「手放し」をしていると、むしろ余計に緊張感が高まった。

またカーブを前にしてアシストが切れるとき、メーターはブルー(ハンズオフ)からグリーンに変わり、“ピピッ”と警告音を鳴らす。これに従わないと強烈な警告音に変わるらしいが、ともあれハンズオンのタイミングがつかみづらく、この時点から「ハンズオフ機能を中止します」など音声で促した方が移行がスムーズになると感じた。

ただその解決策は、意外と単純だ。いくらハンズオフが可能だとクルマ側に言われても、ドライバーが怖いと感じるならば、ステアリングを握ればいいのである。むしろ機械任せにする方が責任の放棄であり、当たり前だが、それを自覚しておくべきである。

クルマ側で見ると、現状ハンズオフでリラックスを得るには、まだ少しだけクルマ側のスタビリティ(=安心感)が足りないと感じた。かといってあまりにスタビリティを高めればコストも掛かるし、クルマのキャラクターそのものが大きく変わってしまいそうだ。そういう意味でスバルが渋滞時のみハンズオフを許しているのは、コンサバだけれど賢いと思う(どうやら次世代アイサイトは、ハンズオフの領域を拡大するようだけれど)。

何にせよ日産は積極的にこの領域にチャレンジしていて、今後ハンズオフに対するアプローチがとうなっていくのかは、注目すべきポイントである。ともあれステアリングを握ってしまえばそのACC走行は、操舵アシストの丁寧さも含めてとっても快適だ。
“ノイズキャンセリング”によるハイレベルな静粛性

そして静粛性も、かなりのものである。スピーカーから逆位相の音を出してエンジン音やロードノイズを相殺する「アクティブ・ノイズ・コントロール」を使うと、2列目からの声が聞こえやすくなったが、そもそもの静粛性がかなり高い。

ただエンジンサウンドは完全に消えるわけではなく、発電時にはうっすら聞こえてくる。また抑揚のないノイズを平べったく出し続けるから、小さな音でも実に味気ない。まだ全開加速時に、勢いよく回っている方が慣れ親しんだ感じだ。
走りの良さよりも上質感が印象的

ということで、運転席からの印象はすこぶる快適。ただ日産が言う「走りの良さ」よりも、筆者には上質さの方が際立って感じられた。
4輪のモーターと電子制御ダンパーは確かにその姿勢変化を巧みにコントロールしている。その挙動はターンインからターンアウトまで実にみごとな制御なのだが、これが滑らか過ぎるのだ。むしろ周波数感応型ショックアブソーバーながらも車体が軽く、低重心なアルファードの方が、ややプリミティブな分だけそのハンドリングには適度なダイレクト感がある。

精度を詰めれば滑らか過ぎると言われてしまう日産には気の毒だけれど、そこにはEVや電動車が持つひとつの矛盾があると思う。たとえばホンダが走行音に抑揚を付けたり、ガソリンエンジンのようなサウンドを加味するのは、人間の感覚に近づけたいからだ。あまりにスムーズ過ぎる制御を敢えて人肌に調整していくのは、今後のひとつのテーマになると思う。

ということで後半は、2列目及び3列目シートの印象も含めながら、新型エルグランドを総括してみたい。
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