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今日は何の日?

■サーファーズ・パラダイス6時間レースで日産R380優勝

1969年11月4日にシェブロン・サーファーズ・パラダイス6時間レースで総合優勝が発表された「ニッサンR380」

1969年(昭和44)年11月4日、日産自動車は11月2日にオーストラリアで開催されたシェブロン・サーファーズ・パラダイス6時間レース(FIA公認)で、「ニッサンR380」が総合優勝したことを発表した。R380は、元々は日産に吸収合併する前のプリンス自動車が開発したプロトタイプレーシングカーである。

第2回日本グランプリの雪辱を晴らすために開発されたR380

プロトタイプレーシングカー「R380」を開発したのは、日産自動車と吸収合併する前のプリンス自動車である。

1963年5月に鈴鹿サーキットで開催された第1回日本グランプリに、プリンス自動車は初代「スカイライン」のスポーツモデル「スカイラインスポーツ」と「スカイラインスーパー」で参戦したが、見せ場なく惨敗。そこでプリンス自動車は、翌1964年5月の第2回日本グランプリで雪辱を果たすため、2代目スカイラインに「グロリア」の2.0L直6 SOHCエンジンを搭載した「スカイラインGT」で参戦。スカGは、7周目のヘアピンカーブで「ポルシェ904」を抜き去り、先頭に立つという快挙を達成。これによって、今も語り継がれる“スカG伝説”が誕生したが、最終的にはレースはポルシェ904の圧勝で終わった。

ポルシェ904のプロトタイプスポーツカーの高性能を目の当たりにしたプリンス自動車は、ポルシェ904に勝てる本格的なレーシングカーの開発を決断。これが、R380だったのだ。

第3回日本GPで雪辱を晴らし、世界記録を達成したR380

「R380」の開発リーダーには、スカイライン生みの親の桜井眞一郎氏があたり、まずは参考車として当時のレーシングカーの名門ブラハムの「BT8」を購入し、分解して徹底的に分析することから始めた。

R380は、風洞試験を重ねてスタイリングを決定し、アルミパネルの溶接は立川飛行機出身の熟練者が丹念に作り上げた。車体を鋼管スペースフレーム+アルミ合金製ボディで製作、サスペンションを前軸:ダブルウィッシュボーン/後軸:ダブルトレーリングで構成し、ブレーキにはガーリングタイプの4輪ディスクが組み込まれた。

1967年10月のスピードトライアルで国際スピード記録を樹立した「R380」

ミッドシップされたエンジンは、ウェーバー製キャブレターを3連装し、フルトラ式点火装置を装備した1996cc直6 DOHC 4バルブ(GR8)エンジン。アルミ合金製シリンダーヘッドと鋳鉄製シリンダーブロックで構成され、ギアトレイン式のカムシャフト駆動、ドライサンプ式オイル潤滑システムが採用された。ヒューランド製5速MTを組み合わせて、最高出力は220ps/最大トルク20.0kgmを発揮し、最高速度は290km/hを誇った。

R380が完成したのは1965年6月末、そこから試験走行を繰り返してマシンの完成度を高め、満を持して1966年5月の第3回日本GPに参戦。「ポルシェ906」や「トヨタ2000GT」を破って前回の雪辱を果たして見事1-2フィニッシュ。プリンス自動車は、同年8月の日産との合併を控えた最後のレースで見事有終の美を飾ったのだ。

また、R380はレースだけでなく、国際的な速度記録にも挑戦した。1967年10月に、谷田部高速自動車コースで、50km/50mile/100km/100mile/200km/200mile/1時間の7カテゴリーでFIA公認の世界記録を樹立。その実力を世界に知らしめた。

※記録:
・区間記録(区間距離:平均速度):50km:256.09km/h、50マイル:255.37km/h、100km:254.67km/h、100マイル:252.44km/h、200km:251.99km/h、200マイル:251.22km/h
・時間記録:1時間の走行距離250.98km/平均速度250.98km/h

1969年9月3日に行われたR382 シェイクダウンテスト
「R382」搭載の1996cc直6 DOHC 4バルブ(GR8)エンジン
「R382」搭載の1996cc直6 DOHC 4バルブ(GR8)エンジン

サーファーズ・パラダイス6時間レースで1-2フィニッシュ

1969年シェブロン・サーファーズ・パラダイス6時間レース。#5 R380A-III/ 黒沢元治・北野元
1969年11月シェブロン・サーファーズ・パラダイス6時間レース

1969年11月のこの日、日産自動車は11月2日にオーストラリアで開催されたシェブロン・サーファーズ・パラダイス6時間レースで、「ニッサンR380」が1-2フィニッシュの総合優勝を飾ったことを発表した。

本レースは、オーストラリアのサーキットであるサーファーズ・パラダイスで毎年1週間“スピードウィーク”として行なわれる自動車レースの最終日を飾るメインイベントレース。1周3.2kmのサーキットを6時間走り続ける耐久レースである。出走車は、「ローラT70」や「フォードGT40」、「マティッチSR3 5000」など32台で、3位となったのは「ロータスエラン」だった。

その後R380は、日本GPが大排気量マシンの戦いに移行したため、シボレー製の5.5L V8エンジンを搭載した「R381」へと進化し、1968年第5回日本GPに優勝。1969年第6回日本GPでは、さらに大排気量化に拍車がかかり、自社開発の6.0L V12エンジンを搭載した「R382」で参戦し、ここでも1位、2位を独占する圧倒的な速さを見せつけた。

1969年10月の日本GP

しかし、1970年第7回日本GPは、突然排ガス対策に専念することを理由にGP参戦を断念。これにより、日産のプロトタイプレーシングカー38シリーズの開発は、一旦途絶えることになった。

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1969年2月にデビューした3代目(ハコスカ)「スカイラインGT-R」
「スカイライン2000GT-R」搭載の2.0L直6 DOHC(S20型)エンジン

「R380」で追記すべきは、R380搭載の“GR8”エンジンが、市販車用に再設計された“S20”エンジンとなって3代目“ハコスカ”「スカイライン2000GT-R」に搭載されたこと。GR8エンジンは、ギアトレイン→チェーン駆動、ドライサンプ→ウエットサンプ、またエンジンは高回転重視→実用域重視のチューニングに変更され、最高出力は200psから160psに低下したが、S20エンジン搭載のスカイラインGT-Rは量産モデルとして抜群の性能を誇り、歴史に残る名車となったのだ。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

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