EVだけでなく水素やバイオ燃料も活用! 鈴木社長が脱炭素戦略を説明

鈴木社長は、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みとして、電動化だけに依存せず複数の技術を組み合わせる「マルチパスウェイ」戦略を継続していく方針を説明した。

二輪車の電動化については、2026年初めにインドで電動スクーター「e-ACCESS」を発売したことを紹介。同モデルは、スズキが海外市場向けに投入した初の電動スクーターとして位置づけられている。


四輪車では、2025年に欧州市場でBセグメントの電動SUV「e VITARA」の販売を開始。さらに、日本市場では2026年11月16日に軽乗用EV「e SKY」の発売を予定しており、電動車のラインアップを拡充している。
一方、鈴木社長は、BEVの開発と並行して、合成燃料(e-fuel)や水素エンジン、バイオ燃料などの技術についても検討を進めていると説明した。
また、内燃機関を搭載する二輪車についても、燃費性能の改善を通じて環境負荷の低減を図る方針を示している。
このほか、圧縮天然ガス(CNG)や圧縮バイオガス(CBG)を燃料とする車両にも言及し、さまざまな技術を活用しながらカーボンニュートラルの実現を目指す姿勢を示した。
インドでバイオガス事業を拡大! 地域社会とともに成長する仕組みづくり

鈴木社長は、インドで進めているバイオガス事業についても紹介した。
スズキは2026年8月、インド国内で3カ所目となるバイオガスプラントの稼働を開始した。同社は、インド国内で合計9カ所のプラントを手掛けている。

この事業では、地域の農家などから牛のふんを購入し、バイオガスの原料として活用している。
生産されたバイオガスは精製・圧縮することで車両用燃料として利用できるほか、製造工程で生じる残留物は有機肥料として農地に還元できる。これにより、化石燃料への依存を減らすだけでなく、土壌の改善や農作物の生育支援にもつなげている。
鈴木社長は、こうした取り組みが地域社会や地域経済への貢献にもつながると説明した。
また、地域社会とともに成長する事業のあり方こそがスズキの重視する姿勢であると強調し、環境負荷の低減と地域経済の発展を両立させる考えを示した。
鈴鹿8耐で過去最高の総合7位! レースで培った技術を製品開発に活用

続いて鈴木社長は、カーボンニュートラルの実現に向けたモータースポーツ活動として、「チームスズキCNチャレンジ」の取り組みを紹介した。
同チームは2024年から鈴鹿8時間耐久ロードレースに参戦しており、3年目となる2026年は、7月3日から5日に開催された第47回大会のエクスペリメンタルクラスに「GSX-R1000R」で参戦した。
決勝では49台のライバルと競い合い、チームとして過去最高となる総合7位で完走。環境負荷の低減を目指した実験的な車両でありながら、高い競争力を示した。
参戦車両には100%サステナブル燃料をはじめ、バイオ由来のベースオイル、再生資源や再生可能資源の使用比率を高めたタイヤ、天然繊維を使用したカウルなど、さまざまな環境配慮型素材や部品が採用されている。
鈴木社長は、チームの成果について、レースの順位だけで評価すべきものではないと説明。3年間の活動を通じて蓄積してきた技術的な成果も、スズキがカーボンニュートラルの実現を目指すうえで重要な前進になっていると強調した。
さらに、こうした技術的成果の一部は、スズキや協力企業の製品開発にも反映され始めているという。

また、チームはスズキのさまざまな部門から集まった社員を中心に構成されており、活動を通じた人材育成や部門間の連携強化にもつながっていると説明した。
鈴木社長は、こうした技術開発と社員の成長の両面からチームの取り組みを評価するとともに、活動を支える協力企業や部品メーカー、関係者への感謝を述べた。
最後に鈴木社長は、企業スローガン「By Your Side」に込めた理念を改めて強調。今後も二輪車およびATV事業を成長させ、お客様のニーズに応えながら、スズキの製品を所有し、楽しむ人々により大きな喜びを届けていく考えを示した。
