中国・杭州に本社を置くCFMOTOは、1989年に設立されたモーターサイクルメーカー。二輪車のほか、ATV(全地形対応車)やオフロードビークルなどの開発・製造も手掛け、世界100以上の国と地域で事業を展開している。

同社はオンロードからオフロードまで幅広いカテゴリーのモーターサイクルを展開しており、アドベンチャーモデルもその主力カテゴリーのひとつだ。今回、EICMA 2026では、MTシリーズに加わる新型モデルとして「550MT」と「550MT-X」を発表した。

両モデルには、新開発の526cc並列2気筒エンジンを搭載。最高出力40kW(54PS)/8,500rpm、最大トルク52Nm/6,000rpmを発揮し、A2ライセンスに対応する。

これらは同じエンジンを採用しながら、550MTは長距離ツーリングを重視したロード志向、550MT-Xは本格的なオフロード走行を想定したモデルとして、それぞれ異なる方向性を持つ。

550MT:長距離ツーリングを快適に楽しむロードアドベンチャー

550MTは、オンロードでのツーリング性能と日常での使いやすさを重視したモデルだ。

最大の特徴のひとつが23Lの大容量燃料タンク。CFMOTOによれば、クラス最大容量をうたうもので、長距離走行をサポートする。

装備面では、Apple CarPlayに対応する8インチのMMI 2.0ディスプレイを採用。BluetoothとNFCに対応したスマートキーやクルーズコントロールも備える。

安全装備には、Bosch製のコーナリングABSとトラクションコントロール、リアディテクションシステム(RDS)を搭載。後方の状況を検知するシステムも採用されている。

サスペンションはKYB製のフルアジャスタブルタイプ。シート高は標準で800mm、820mmへの変更も可能となっている。

なお、550MTのホイールサイズは現時点で公表されていない。ただし、同社のロード志向アドベンチャーモデルである700MTや800MTのホイール構成を踏まえると、フロント19インチ、リア17インチと思われる。

また、双方向クイックシフターを装備するほか、電子制御クラッチシステムもオプションで設定。ツーリングでの利便性を高めている。

550MT-X:21/18インチホイールを採用する本格オフロード仕様

一方の550MT-Xは、オフロード走行を重視した派生モデルだ。

フロント21インチ、リア18インチのホイールを採用し、タイヤにはCST製を装着。KYB製のフルアジャスタブルサスペンションは、フロント230mm、リア220mmのストロークを確保し、最低地上高は250mmとなっている。

ブレーキにはJ.Juan製を採用。ディスク径はフロント320mm、リア240mmだ。

乾燥重量は172kg。燃料タンク容量は16Lで、シート高は標準850mmから830mmへの変更が可能となっている。

電子制御面では、ライド・バイ・ワイヤを採用し、双方向クイックシフターを装備。ABSとトラクションコントロールは解除可能で、オフロードでの走行にも対応する。

メーターには縦型6.2インチディスプレイを採用し、MotoPlayにも対応する。

新開発526ccエンジンと新プラットフォーム「AEROCAST」

両モデルに搭載される526cc並列2気筒エンジンは、最高出力40kW(54PS)/8,500rpm、最大トルク52Nm/6,000rpmを発揮する新開発ユニットだ。

また、CFMOTOはEICMA 2026で、新たな550プラットフォーム「AEROCAST」も公開した。

自社開発のこのプラットフォームは、真空低圧鋳造によるアルミニウムフレーム、新世代の並列2気筒エンジン、設定変更が可能な電子制御クラッチシステムなどで構成される。

今後のCFMOTO製モーターサイクルに展開される新世代の基盤として位置付けられている。

2つの異なる方向性で広がるMTシリーズ

550MTは23Lタンクや8インチディスプレイなど、長距離ツーリングを意識した装備が特徴。一方、550MT-Xは21/18インチホイールや長いサスペンションストローク、172kgの乾燥重量など、オフロード性能を重視した構成となっている。

同じ526ccエンジンを共有しながら、異なる用途に向けて仕立てられた2モデル。450MTや700MT、800MTシリーズなどを展開するCFMOTOのMTラインアップに、新たな選択肢が加わることになる。

なお、今回公表された諸元や装備は開発段階の情報であり、量産仕様および日本を含む各市場での販売仕様は変更される可能性がある。日本国内での発売時期や価格については、現時点で確認できる情報はない。