Lamborghini SCART project

1980年代の日本アニメを現代的に解釈

ヘラ・グループのアートラボ「SCART」プロジェクトとのコラボレーションで完成した、6体のロボット。
1980年代の日本アニメの世界観を現代的に再解釈した6体のロボットは、それぞれ自然をイメージしたコンセプトが与えられている。

ルッカ・コミックス&ゲームズ 2025で初公開された6体のロボットは、エネルギー・環境公益企業「ヘラ・グループ(Hera Group)」が展開するアートラボ「SCART」プロジェクトとのコラボレーション。「SCART」は、産業と芸術の交流から生まれたプロジェクトであり、デザインと想像力を通じて「リユース文化」を広めることを目的としている。

今回、SCARTが掲げるサスティナブルな精神に、ランボルギーニのDNAを融合。ヨーロッパ最大級のポップカルチャーの祭典である「ルッカ・コミックス&ゲームズ 2025」という場に、産業廃棄物からコミックやゲームに登場しそうなロボットを持ち込んだ。

高さ4メートルを超える6体のロボットは3組のペアとして展示され、大地(earth)・空(air)・水(water)という自然界の基本要素を表現。ポップカルチャーとアートを組み合わせ、1980年代の日本アニメの世界観を現代的に再解釈している。

展示はルッカの街で行われ、ピアッツァ・サン・ジュストには、レヴエルトとともに、大地の守護者「ジア・ストーン(Gea Stone)」と「ヨトゥン・フォージ(Jotun Forge)」が登場。ピアッツァ・サン・ミケーレには、空の守護者「スカイレン(Skyrenn)」と「ジェトロン(Jetron)」がそびえ立ち、パラッツォ・グイニージの中庭には、水の守護者「マリックス(Marixx)」と「メガ・タイド(Mega Tide)」が姿を現した。

アウトモビリ・ランボルギーニのマーケティングディレクターを務めるクリスティアン・マストロは、今回のプロジェクトについて次のようにコメントした。

「ランボルギーニは、自動車という枠を超えて、卓越性と革新を象徴するブランドです。今回のプロジェクトは、産業としての責任を具現化する取り組みとなりました。廃棄物に新しい命を吹き込むことは、完成品の先に文化を広げるという意味を持っています」

「ランボルギーニのすべてのパーツは、耐久性を備えて作られており、それらがアート作品として生まれ変わることは、デザイン・技術・創造力が美しく共存できることの証と言えるでしょう。SCARTとヘラ・グループとの協業は、革新への飽くなき追求、そして通常は捨てられるものから価値を創出するという精神を体現しています」

様々な自動車用パーツをアートに昇華

6体のロボットの製作の様子。
ランボルギーニのスーパースポーツ用の廃棄パーツを使って、SCARTと各美術大学の学生たちが共同で6体のロボットを完成させた。

ロボットは、マーベル・コミックスのアーティスト、ジュゼッペ・カムンコリとジャコモ・ゲドゥッツィによるオリジナルデザイン。制作はSCARTと美術大学の学生たちによる共同作業によって行われた。マリックスとメガ・タイドはフィレンツェ美術アカデミー、スカイレンとジェトロンはラヴェンナ美術アカデミー、ジア・ストーンとヨトゥン・フォージはミラノ工科大学が担当している。

作業工程では、ボンネット、バンパー、スポイラー、シート、カーボンファイバーパーツなど、様々な車両用パーツを用いて、若いアーティストたちが創造力を発揮。それぞれのキャラクターが、個性と使命を象徴する素材で製作されている。

大地の守護者ジア・ストーンとヨトゥン・フォージは力強く大地を浄化。水の守護者マリックスとメガ・タイドは、海や川から廃棄物を取り除く両生生物のように働く。空の守護者スカイレンとジェトロンは、強大な翼で大気を支配し、空気を濾過・浄化する能力を持っているという。

ルッカ・コミックス&ゲームズ 2025での世界初公開を経て、6体のロボットは展示ツアーを開始。2025年11月4~7日にイタリアのリミニで開催される「エコモンド2025」や、2026年春に予定されているサンタアガタ・ボロネーゼでの本社イベントなどにも登場する予定だ。

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