連載
今日は何の日?■特別記念車「マーチボレロA30(AUTECH、30周年)」予約開始

2016(平成28)年4月11日、日産自動車のグループ会社オーテックジャパンが「マーチ」をベースにした創立30周年記念モデル「マーチボレロA30」の予約申し込みを始めた。1997年に登場したボレロは、レトロ風イメージで好評を得たが、ボレロA30はレース技術が注入された高性能モデルとして異彩を放った。
日産のカスタムカーを手掛けるオーテックジャパン
株式会社オーテックジャパンは、1986年に設立された日産自動車のグループ会社であり、2016年に創立30周年を迎えた。オーテックジャパンは、日産車をベースに特装車を作るメーカーであり、乗用車ベースのカスタムカーと福祉車両、商用特装車の3つのタイプの特装車を作っている。
最近は、日産に限らず多くのメーカーが純正のカスタムカー(コンプリートカー)を販売して人気を集めている。日産では、カスタムカーの製作は、グループ会社の“オーテックジャパン”と“ニスモ(NISMO)”がその役割を担っている。
ニスモはモータースポーツ活動をメインにして、市販用のチューニングパーツを開発・販売し、さらに市販車をハイチューニングしたコンプリートカーの「マーチNISMO」や「リーフNISMO」など、ほぼすべての日産車ベースのスポーツバージョンNISMOシリーズを世に送り出している。
一方のオーテックジャパンは、こちらもほぼすべての日産車にAUTECHシリーズやライダー、エアロといったグレードのモデルを手掛けている。簡単に言えば、NISMOシリーズはよりスポーティに、AUTECHシリーズはよりプレミアム感に特化したモデルを開発するように棲み分けされているのだ。
レトロ風の元祖ボレロは1997年に登場

初めて「マーチボレロ」が登場したのは1997年10月のこと。2001年1月にモデルチェンジした2代目「マーチ(K11型)」をベースに仕立てられたカスタムカーで、開発したのはやはりオーテックジャパンだった。


2代目マーチは大ヒットした初代を継承し、世界戦略車のコンパクトカーとしてさらにブラッシュアップされた。その完成度の高さが世界的に評価され、“日本カー・オブ・ザ・イヤー”と、日本車初の“欧州カー・オブ・ザ・イヤー”に輝いた。

ボレロは、その2代目マーチのボディはそのままに、専用丸型ヘッドライトや大型のメッキグリル、メッキオーバーライダーなど、レトロ調の高級感のあるデザインを採用。さらに、リヤについてもリヤコンビネーションランプを丸型で立体感のある形状とし、メッキバックドアモールなどを採用して個性をアピールした。

内装も大幅に手が加えられ、アイボリーのシート表皮に合わせてメーターやエアコンパネルにも同系色を採用。さらにインパネやステアリングの一部をウッド調とすることで、スタイリング同様レトロな雰囲気を醸し出した。
パワートレーンは、新開発の最高出力58ps/最大トルク8.1kgmの1.0L 直4 DOHC、79ps/10.8kgmの1.3L 直4 DOHCの2種エンジンと5速MT/4速ATおよびCVTの組み合わせ、駆動方式はFFである。
マーチボレロはその後も世代ごとに設定され一定の人気を獲得していたが、2018年に生産を終えた。

マーチボレロA30は高性能スポーツモデル
2016年4月のこの日から申し込みが始まった「マーチボレロA30」のベースとなったのは、2010年7月にデビューした4代目「日産マーチ(K13型)」のエントリーグレード「S」である。


エクステリアは、前述のカスタムカー「ボレロ」のデザインを取り入れながらも、前後のトレッドを約90mmワイド化し、ダイナミックさやスポーティさを強調した。さらに、フロントグリルやフロントバンパーモール、ドアミラーなどに重厚感のある金属調の塗装処理を採用。インテリアにも、本革巻きステアリングやレカロ製シートなどの装備によって、走りのイメージをアピールした。

パワートレーンは、レースで培った技術を注入した1.6L 直4 DOHCエンジンと5速MTの組み合わせ。エンジンには、カウンターウェイトにタングステンを圧入した専用クランクシャフトや、高強度のコンロッドおよびコンロッドボルト、専用カムシャフト、強化バルブスプリング、ポート研磨されたシリンダーヘッドなど、随所にレース用エンジンのノウハウが活用された。
これにより、最高出力150ps/最大トルク16.3kgmを発揮し、軽量なマーチに申し分のない出力によって、強く気持ちよく駆け抜ける運転フィールを実現。車両価格は356.4万円で僅か30台の限定販売のため、申し込みが殺到した。
【web optionに掲載された日産オーテック「マーチボレロA30」を画像で見る】









・・・・・・・・・・
1997年に登場した「マーチボレロ」は典型的なレトロ風モデルだったが、2016年の「マーチボレロA30」はダイナミックなスタイリングの高性能スポーツモデルであり、ボレロは名乗っているものの全く別物だった。限定30台に対して600人が応募して、今や“幻のマーチ”と呼ばれているらしい。
今日がなにかの記念日になるかもしれない。








