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内燃機関超基礎講座

フロントもリヤミッドにも搭載可能なルノーの3気筒

ルノーが敢行した過給ダウンサイジングエンジンであるTCeシリーズのなかでも、TCe90はルノー初の3気筒を採用した最小エンジンだ。ボア×ストロークは先に市場に登場した1.2L 直4のTCe115と同じ72.2×73.2mmに設定し、そこから1気筒を切り落とした形となる。このボア×ストロークの数値をルノーでは「スクエア・エンジン・アーキテクチャー」と呼ぶ。

カムフォロワーにはDLCコーティングが、ピストンスカートにはグラファイトコーティングが施されている。また、シリンダーはクランクシャフトの中心軸から8mmオフセットさせている。

低イナーシャのターボをリヤ側に配置。4気筒と異なり排気干渉がない3気筒エンジンでは、コストの嵩むツインスクロールターボは必要ないため、シングルスクロールターボを採用。3気筒とターボとを組み合わせることは実に理にかなっている。

低回転からトルクが立ち上がるセッティングとし、最大トルク135Nmの90%、すなわち約120Nmを1650rpmから発揮している。また、エンジンのフリクションを低減させるため、吸気バルブ直前をシャープエッジ化させたポートでハイタンブル効果を狙っている。

“EGR ブースト”は、ターボチャージャーのタービンを回すために使用した排気ガスの一部をコンプレッサー側に導き、吸気側の新気と共に圧縮して吸気ポートへ送って燃焼に再利用する低圧EGR システムだ。

(1 : コントロールリング 2 : ローラーwithベーン 3 : リターン・スプリング 4 : ポンプをオイルの流れ 5 : コントロールバルブ 6 : エンジンからのオイルの戻り 7 : ディスチャージバルブ)

エンジン回転数に応じて油圧がコントロールされる可変容量オイルポンプ。回転数が低い時は⑤のコントロールバルブを開けて油圧を下げ、高い時にはバルブを閉じてベーンポンプの偏心量を変えている。抵抗低減と燃費向上が狙い。

ルノー TCe90 主要スペック

エンジン形式:直列3気筒DOHC
排気量:899cc
ボア×ストローク:72.2×73.2mm
圧縮比:10.0
最高出力:66kW/5000rpm
最大トルク:135Nm/2500rpm
吸気方式:ターボチャージャー
シリンダーブロック/ヘッド材料:アルミ合金
吸気弁数/排気弁数:2/2
バルブ駆動方式:ロッカーアーム
燃料噴射装置:DI
可変バルブタイミング/リフト:In◯/Ex◯/×
点火順序:1-2-3

ルノー・トゥインゴ
ルノー・ルーテシア(クリオ)
ルノー・キャプチャー

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