
先生(右):損 保太郎
某損保サービスセンターに勤務。今回は事故対応の現場から、本当に必要な特約をレクチャー。
生徒(左):モン太
バイク歴3年で事故はまだ経験なし。そろそろ自動車保険の更新時期。愛車はCT125ハンターカブ。
自分に必要な補償を賢くチョイスすべし!
モン太 今、ちょうど保険の更新の時期で、どんな補償をつけたら良いのか悩んでいるモン。いろいろな特約があるみたいなんだけど、正直約款を読んでもよくわからなくて困ってるモン。
損 保太郎(以下 保太郎)そうだよね。保険の約款って文字ばっかりで、読んでもよく分からないよね。基本的な補償としては、対物賠償責任保険や対人賠償責任保険などがあるけど、その他にもさまざまな特約があるんだ。
モン太 それがどんなモノかはよくわからないから教えて欲しいモン。友達は家族にクルマを持っている人がいるからクルマの自動車保険にファミリーバイク特約を付けているけど、ボクは自分で保険に入らなくてはいけないモン。
保太郎 クルマを所有している家族がいれば、ファミリーバイク特約は経済的に加入できるからいいよね。ファミリーバイク特約とは、等級の影響なく125cc以下のいわゆる原付の事故に対しても補償される特約なんだ。そのほかにもさまざまな特約があるんだけど、補償を手厚くすればするほど保険料は高くなってしまう。今回はボクが仕事をしている中で、使用頻度が高くて、イザという時に役に立つと感じる特約を3つ紹介するよ!
モン太 まさに知りたかったのはそこなんだモン。
その1 「弁護士費用特約」
保険に加入していれば事故が起きた際は保険会社が交渉をしてくれるけど、必ずしも期待通りの結果になるとは限らない。また、追突された場合など自分に一切非がない事故の時は、保険会社は交渉には入ってくれない。
ここ数年、交通事故の件数は減っているけれど、過失割合や賠償額をめぐって交通事故の裁判は数倍に増えている。重篤な事故ばかりかと思われがちだが意外と物損のみの簡易事案でも裁判になることは多い。実は身近なところにまでこんな現実が迫っているんだ。自分で弁護士に交渉をお願いすると費用は数十万円~。そんなときにこの特約に入っていれば、弁護士費用も保険会社から支払ってもらえるんだ。
その2 「対物全損時修理差額費用特約」
対物賠償責任保険でしばしば問題になることがあるのが相手の車両が全損になってしまった時。修理費用が時価額を超えてしまった場合を全損といい、対物賠償責任保険では支払われる保険金は時価額まで。当然、時価額では修理することがでないため、揉めてしまうことが結構よくある。
時価額というのはざっくり言うと、車両の評価額のことで、被害車両の中古相場などを参考に算定されることが多い。たいして大きく壊れてなくても、年式の古い車両は時価額が低額のため全損扱いになってしまうこともある。この特約は、修理する場合に限り、時価額+50万円を限度として修理費用を保険金として支払えるモノ。事故の円満解決するための特約だね。
その3 「個人賠償責任特約」
バイクに乗っている時ではなく、日常生活や自転車などの事故で他人を怪我をさせてしまったり、物を壊してしまった際など、日常生活で発生した賠償トラブルでも守ってくれる特約だ。
例えば、ショッピング中に不注意でお店の商品を落として壊してしまった時などの損害が補償されたり。自転車事故でも、相手のクルマの修理費が数十万円に上ることはザラ。さらに相手にけがをさせてしまった時には賠償金は数千万円~なんて実例も。とても自分で払える金額ではないよね。
というわけで、加入が義務付けられている自賠責保険だけではカバーしきれない補償が得られる自動車保険について説明してみた。一年間で数万円の費用は掛かるが得られる安心感はそれ以上。加入は任意だけど、現場の保険マンから言わせてもらうと自動車保険は「入っておくべき!」と強く感じるよ。
※ここでは一般的な自動車保険について解説しています。各社の約款や個別の事情により内容が異なる場合があります。
※この記事は月刊モトチャンプ2023年5月号を基に加筆修正をしています
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