XSR155……539,000円 (消費税込み)

なぜ今、ヤマハはこの絶妙な排気量を日本に投入したのか。開発者の声から伝わったのは、250ccでも125ccでも届かなかった「ライダーのワガママ」への完璧な答えだった。

「250ccは重い、125ccは物足りない」への最適解

5月13日、東京都渋谷区でXSR155の新車発表会がのひとコマ。開発陣が魅力とコンセプトが解説された。

ヤマハが155ccを選択した理由は、緻密な市場分析に基づいている。資料によれば、開発の出発点は「125ccの気軽さは最高だけど、高速道路やバイパスに乗れないのが痛い」「でも250cc、400cc以上になると、車体がデカくて重いし、日常の出し入れが億劫になる」というユーザーの本音だ。

これまで「下道オンリー」という物理的な制約に縛られていた原付二種ユーザーにとって、155ccという排気量は、行動範囲を劇的に広げてくれる「魔法の数字」なのだ。

20代のトレンドを直撃!「ファッショナブル×乗って楽しい」の衝撃

二輪市場では2021年以降、20代を中心とした若年層の免許取得者が急増している。彼らにとって、バイクは単なる移動手段ではない。内部資料が示す通り、それは自己表現のツールであり、ファッションの一部、いわば「身にまとうギア」だ。

XSR155が掲げるデザインコンセプト「XSR’s wanderlust Bro」は、まさにそこを射抜いている。「“ファッショナブル”ד乗って楽しい”の二刀流」という言葉の通り、ルックスと性能のどちらも妥協したくないという欲張りなエントリー層に向けた、これ以上ないパッケージングだ。

特に、ヤマハらしい「シンプル&ホリゾンタル」な水平基調のラインは、どこから眺めても美しい。丸型のLCDメーターや、質感にこだわったアルミ製のヘッドランプステー、そして手触りまで計算されたタックロールシート。これらは単なるパーツではなく、所有欲をストレートに満たしてくれる「本物の質感」として作り込まれている。

回せば弾ける!先進技術「VVA(可変バルブ)」の爽快感

「見た目がオシャレなだけ」と侮ると、いい意味で裏切られる。心臓部には、最高出力15psを発揮する155ccの水冷単気筒SOHC・4バルブエンジンを搭載。ここにヤマハが誇る武器「VVA(可変バルブ)」が投入されている。

VVAは、低速域と高回転域で吸気バルブの作動特性を切り替えるハイテク機構だ。これにより、街乗りで多用する低中速域では粘り強く扱いやすいトルクを発生させ、高回転域では突き抜けるような加速を見せる。 さらに、アシスト&スリッパ―(A&S)クラッチの恩恵も大きい。指一本で操作できるほどレバーが軽く、シフトダウン時のバックトルクによるショックも劇的に抑えられている。初心者には「安心」を、ベテランには「意のままに操る快感」を。この懐の深さこそ、最新のヤマハエンジンの真骨頂だ。

贅沢すぎるシャシー構成。「ハンドリングのヤマハ」は健在

走りの質を決定づけるのは、ヤマハ伝統の「デルタボックス型フレーム」だ。左右ピボットの軸間を221mmとワイドに確保することで、縦・横・ねじれの剛性バランスを最適化している。

足まわりも、このクラスとしてはオーバースペックと言えるほど豪華だ。

  • フロント: インナーチューブ径37mm、ストローク130mmの倒立式フォークを採用。路面追従性が高く、良好な接地感をライダーに伝える。
  • リヤ: 裏面のリブ形状まで追い込んだ軽量アルミ製リヤアームと、リンク式モノクロスサスペンション。
  • タイヤ: 前110/70-17、後140/70-17というワイドなサイズに、オフロード調のトレッドパターンを組み合わせ。

軽量な車体を活かしてヒラリヒラリと向きを変える軽快さは、重厚な大型バイクでは絶対に味わえない魅力だ。交差点を一つ曲がるだけで「あ、これいいな」を感じさせるハンドリングの良さは、まさにヤマハの面目躍如といったところ。

自由なマインドを呼び覚ます、新しい時代のスタンダード

XSR155は、単なる「125ccの排気量アップ版」ではない。125ccの「軽快さ・経済性」と、250ccの「動力性能・余裕」を抽出し、一つの結晶として完成させた、まったく新しいカテゴリーのモデルだ。

通勤・通学といった日常から、高速道路をフルに活用した週末のロングツーリングまで。XSR155は、あらゆるシーンを「自分らしく」楽しみたい現代のライダーにとって、最強の選択肢になるはずだ。

ファッション界の雄「BEAMS」が本気でプロデュースする特別なスタイル

今回の国内導入において、単なるバイクの発表に留まらないビッグニュースが、セレクトショップの雄「BEAMS(ビームス)」との強力タッグだ。

ヤマハとBEAMSという、それぞれの業界で「スタイル」を確立してきた両者が組んだ背景には、20代を中心とした若年層への明確なメッセージがある。今の若いライダーにとって、バイクは単なる「移動のためのメカ」じゃない。お気に入りのスニーカーやジャケットを選ぶのと同じ感覚で、「自分のライフスタイルを表現するファッションの一部」としてバイクを捉えているんだ。

今回のコラボでは、BEAMSプロデュースによる特別なアクセサリー展開や、バイクのある生活をトータルで提案するライフスタイル発信が行われる。例えば、都会の街並みに馴染む絶妙なカラーリングの提案や、BEAMSらしい遊び心が効いたパーツなど、「これ、バイクウェアじゃなくても似合うな」と思わせる絶妙なバランス感覚が投影されている。

「スペックがどうこう」という理屈抜きに、直感で「カッコいい」「自分の部屋の前に置きたい」と思わせてくれる。そんなBEAMSのフィルターを通したXSR155は、これまでのバイクの常識を塗り替える、最もファッショナブルな155ccになるはずだ。

主要諸元

認定型式/原動機打刻型式8BK-RGB5J/G3Y5E
全長/全幅/全高2,005mm/ 805mm/1,075mm
シート高810mm
軸間距離1,325mm
最低地上高170mm
車両重量137kg
燃料消費率*1WMTCモード値 *248.1km/L(クラス2, サブクラス2-2) 1名乗車時
原動機種類水冷・4ストローク・SOHC・4バルブ
気筒数配列単気筒
総排気量155cm3
内径×行程58.0mm×58.7mm
圧縮比11.6:1
最高出力14kW(19PS)/10,000r/min
最大トルク14N・m(1.4kgf・m)/7,500r/min
始動方式セルフ式
潤滑方式ウェットサンプ
エンジンオイル容量1.05L
燃料タンク容量10L(無鉛レギュラーガソリン指定)
吸気・燃料装置/燃料供給方式フューエルインジェクション
点火方式TCI(トランジスタ式)
バッテリー容量/型式12V, 5.0Ah(10HR)/YTZ6V
1次減速比/2次減速比3.041 (73/24)/3.428 (48/14)
クラッチ形式湿式, 多板
変速装置/変速方式常時噛合式6速/リターン式
変速比1速:2.833 2速:1.875 3速:1.363 4速:1.142 5速:0.956 6速:0.840
フレーム形式ダイヤモンド
キャスター/トレール25°30′/88mm
タイヤサイズ(前/後)110/70-17M/C(54S)(チューブレス)/140/70-17M/C(66S)(チューブレス)
制動装置形式(前/後)油圧式シングルディスクブレーキ/油圧式シングルディスクブレーキ
懸架方式(前/後)テレスコピック/スイングアーム(リンク式)
ヘッドランプバルブ種類/ヘッドランプLED/LED
乗車定員2名