当時感全開! 絶版パーツ群が醸し出す “あの頃” の空気感
このマシン最大のポイントは、やはり外装だろう。ベースはヤマハ・スーパーJOG ZRで、当時モノのキタコ製テールカウルを装着。ハネ上げスタイルの強いフォルムが、90年代後半〜2000年代初頭の勢いを強烈に漂わせる。
BATTLAXロゴを大胆に配置した街道レーサーを意識したグラフィック、スモークテールレンズ、定番とも言えるナポレオンミラー(通称ナポミラー。現在も発売されている名品だ)など、“当時っぽさ”を演出する小ネタも満載。段付きシートには赤パイピングが入ることで、レーシーな雰囲気をさらに強調している。
また、車体の奥にチラ見えするメインフレームはペイントショップ・フリーダムによって裏側までしっかりとペイント(イエロー)。外装だけでなく、骨格部分までカラーコーディネートしているあたりにオーナーのこだわりを感じる。

キタコ製テールカウルを軸に、90年代ストリートレーサー風へ仕上げられたスーパーJOG ZR。BATTLAXロゴ入りのブリヂストンカラーも含め、“あの頃感”が濃厚すぎる1台だ。
■MACHINE:スーパージョグZR ■OWNER:Sさん

うらやましいほど当時モノ感全開。しかし中身はステージ6製センターリブ70ccを投入するなど現代版にアップデートされた本気仕様。懐かしさだけで終わらないところが面白い。
ステージ6製70cc+ワンオフ左出しチャンバーの破壊力
しかしこのマシン、見た目だけでは終わらない。エンジンには現在でも入手可能なステージ6製センターリブシリンダー仕様の70ccキットを投入。高出力化されたエンジンに対し、Kブレイン製ワンオフ左出しステンレスチャンバーを組み合わせることで、強烈な加速フィールを実現している。
スクーターは「無段変速」というメカニズムを持っているため、常に変速しながら加速する特性を持つ。そのため、2スト特有の“回転が乗った瞬間”を常用域で味わえるのが魅力だ。ただしこの仕様となると、アクセルを開けた瞬間にフロントが浮きあがるほどのパンチ力を発揮する。まさに「ウイリーが止まらない」過激仕様なのだ。さらに駆動系には駆動系カバー穴あけ加工を実施。放熱性アップだけでなく、見た目にもチューニングマシンらしい迫力を与えている。

スパルタンな取り回しが特徴的なKブレイン製ワンオフ左出しステンレスチャンバーを装着。今見ても斬新な“左出し”スタイルは、当時のスーパースクーター感たっぷりだ。

ワンオフ加工された駆動カバーから覗く駆動系も見どころ。ステージ6製クラッチやNCY加工トルクカムなど、現役パーツを投入した“走れる旧車”だ。
足周りも抜かりなし! 大径ローター&BT-39SSで武装
高出力マシンだけに、足周りも手を抜けない大事な要素。フロントにはΦ200mm大径フローティングディスクローターを装着し、ラジアルマウントがゴツイRPM製フロントブレーキキャリパーを組み合わせる。さらにステンレスメッシュブレーキホース化によって、ダイレクトなブレーキフィールを実現している。フロントフォークはKN企画製。鮮やかなカラーアルマイト仕上げも含め、視覚的インパクトは抜群だ。
続いてリヤに目を向けると、サスペンションはNCY製をチョイス。レッドアルマイトボディがエンジン左側を映えさせる。車高バランスと踏ん張り感を両立し、ケツ上がり気味のシルエットがストリート感をさらに強調する。タイヤにはブリヂストンBT-39SSを装着。グリップ力に定評のあるハイグリップタイヤだけに、この過激な70cc仕様との相性も良さそうだ。

KN企画製フロントフォークにRPM製4ポットキャリパー、ブリヂストン製BT-39SS(90/90-10サイズ)を組み合わせた戦闘的な足周り。見た目だけでなく、70cc仕様をしっかり支える中身も本気だ。
こだわりの積み重ねが “本物感” を作る
細部を見ると、このマシンが単なる“映えカスタム”ではないことが分かる。エンジン右側にはカーボン調ファンカバーを装着し、レーシーな雰囲気をプラス。さらに赤アルマイトが映えるBCD製キックアームも装備され、ブラック×レッドを基調としたカラーコーディネートを徹底している。電装系にはCFポッシュ製CDIを採用。現在でも入手可能なパーツだけに、補修やリフレッシュ用途としても注目したいアイテムだ。そして何より、このマシン全体から漂うのは“当時のリアル感”。ただ懐かしいだけじゃなく、速さも、空気感も、本気で作り込まれているからこそ僕らに刺さるのだろう。

中古品でも入手困難なRSゼロ製130km/hメーターを採用するメーター。写真では見えないが左ハンドル部にはKOSO製タコメーターを追加装着する。

キタコ製テールカウルによる跳ね上がったリヤビューが最高。今では入手困難な当時モノパーツも、この車両の世界観を作る重要なポイントになっている。

Kスタイル製アンダーカウルを装着して視覚的に低さを演出。スーパージョグZRのシルエットにマッチしている。

シートはブラックベースに赤パイピングを組み合わせた当時感全開の仕様。シワ感のある表皮や絞り形状も含め、やんちゃな雰囲気を演出している。テールカウルとの一体感も良く、ハネ上げスタイルをさらに際立たせるポイントだ。
※この記事は月刊モトチャンプ2023年6月号を基に加筆修正を行っています
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