先生(右):損 保太郎

某損保サービスセンターに勤務。日々の事故対応から保険のイロハをやさしくアドバイス!

生徒(左):モン太

進路変更時の事故に遭いそうになった経験あり。どうしたらそんな事故を防げるの?

十分な車間距離!死角に入らないことも大事

モン太 最近、前方を走っていたクルマが急に幅寄せしてきて。あやうく当たりそうになって、本当に肝を冷やしたモン。ウインカーを出したと同時に寄ってきて本当に怖かったモン。
損 保太郎(以下 保太郎)瞬時に対応できてさすがだね。特に都市部では進路変更による事故は多いよ。教習所では習ったはずだけど、街中を走っているとウインカーを出してすぐ進路変更する車両は二輪·四輪問わず結構多いよね。
モン太 本当にその通りだモン。ぶつかってなかったから良かったけど、あんな急に寄ってこられたら避けようがないモン。
保太郎 たしかに、直前でいきなり寄ってこられたらなかなか避けるのは難しいよね。だけど、そう言っていたら、回避できるものもできなくなってしまうよ。どちらかと言うと、進路変更事故に巻き込まれないようにライダー目線で出来ることもある。まず一つ目はクルマの死角に入らないこと。バイクはクルマに比べて車格が小さい。だからドライバーからは認知されにくいということを常に意識しておこう。特に左後方は巻き込み確認の際に見落とされやすい位置なんだ。もちろん右後方やピラーの影などほかにも死角はあるけど、左折や車線変更が絡む場面では左後方の事故が多いと言われているよ。そこに入らないことが大事。実際に進路変更事故を起こしたドライバーは「進路変更前にはバイクはいなかった」と話すことが多いんだ。もちろん「見ていなかった」のではなく、本当に死角に入っていて認識できていなかったケースも少なくない。だからライダー側も『見えているだろう』と思い込まないことが大切なんだ。あとはクルマの間をすり抜けるように走ったりしているバイクは進路変更事故に巻き込まれやすいよ。
モン太 たしかにそういわれてみればその時はクルマの左後方にいて、クルマとの距離も少し詰めすぎていたかもしれないモン。もう少し余裕を持った運転を心がけるモン。
保太郎 都市部ではタクシーにも注意。お客さんを乗せるために急に進路変更したり急停止することもある。また、お客さんを乗せたタクシーが発進した時にぶつかってしまうケースも。最近は配送車や宅配車も急な停車や発進を行うことが多い。ハザードランプやブレーキランプの動きに早めに気付けるよう、前方の状況を広く見るクセを付けたいね。タクシーに限った話では無いんだけど、周りのクルマが急な進路変更をしたり、停車している車両がいきなり発進するかもしれないと予測して、余裕を持った運転をすることが大事だよ。

ウインカーは3秒前、30メートル手前が基本

保太郎 進路変更時には、後方の直進車両の進路を邪魔しないように適切に合図を出してから進路変更をしなければいけないんだ。
モン太 合図っていうのはウインカーのことだモンか?適切にって?
保太郎 ……。教習所で習ったはずだけど、道交法では進路変更時はその3秒前から、右左折やUターンをする場合はその30メートル手前からウインカーを出して、その行為が終わるまでウインカーを消してはいけないんだ。これを満たさず事故が起きてしまった場合、過失割合は悪い方向に修正されてしまうよ。ウインカーはこれから進路を変えようということを周囲に伝えるためにあるからね。だから、ハンドルを切ると同時にウインカーを出したような場合はウインカーを出してないものと同様に扱われ、二割程度過失割合が修正されることもある。事故状況によって修正幅は異なるけど、合図なしや合図遅れは不利な事情として扱われることが多いんだ。
モン太 二割ってたいしたことないモンな。
保太郎 過失割合が二割修正されるというのは結構大きな事なんだよ。進路変更したクルマと後続直進バイクが事故を起こした場合、80(車):20(バイク)となる。ここから二割変わるとほとんどクルマの一方的な過失となってしまうんだ。今回はクルマが進路変更した事故を前提として話をしているけど、当然バイク側が進路変更をして事故が起きてしまうことだってある。当然バイクも適切に合図を出して進路変更をしなくてはいけない。怪我をしてしまった場合などは受け取れる賠償金が大きく変わってくるからね。
モン太 なるほど。余裕を持った運転と道交法遵守で事故を起こさないこと大事だモンな!

※本記事では一般的な自動車保険・自賠責保険について解説しています。契約内容や各社の約款により、補償内容や対応が異なる場合があります。保険契約に際しては各保険会社の約款を良くご確認の上ご契約ください。

※この記事は月刊モトチャンプ2023年12月号を基に加筆修正をしています

【モトチャンプ編集部】