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MAZDA ROADSTER長期レポート

上質感が増した乗り味。その理由は

買い換えた25式MAZDA3のボディカラーはプラチナクォーツメタリック。

2020年11月商品改良版のMAZDA3ファストバック(e-SKYACTIV-X、4WD、MT)から2025年10月商品改良版のMAZDA3ファストバック(e-SKYACTIV-X、4WD、MT)に乗り換えた。5年弱で4万8349km走ったクルマが新車になった点を差し引いても、乗り心地が格段に良くなっているのを実感する。とくに、パーキングスピードから30〜40km/h程度の低車速で走っている際、路面の継ぎ目や突起、アスファルトの補修跡を通過する際の入力のいなし方が良くなっている。

上質感が増した印象だ。上履きからソールの厚いスニーカーに履き替えた感じで、着地したときの衝撃の伝わり具合がまるで違う。2020年11月商品改良版、いわゆる20式(GRヤリス/GRカローラの呼び方を借用)から2025年10月商品改良版の25式に至る間、足まわりや車体関連で何か手を入れたのだろうか。

またMAZDA3を買った。再び選んだ理由は「SKYACTIV-Xから離れられなかった」 | Motor Fan|自動車情報のモーターファン

SKYACTIV-Xから離れられなかった おかわりして正解だった。MAZDA3(マツダスリー)ファストバックからMAZDA3ファストバックへの乗り換えである。エンジンはSKYACTIV-X(詳細は後述)。駆動方式は4WD […]

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その点をマツダに質問すると、20式で改良を施しているが、それ以降はアップデートしていないという回答だった。20式では「コイルスプリングやダンパーの特性の改良により、サスペンション全体をより滑らかに動かすことで、路面から車内に伝わる振動を抑制し、ダイナミクス性能と乗り心地を向上」している。筆者はこれにずっと乗っており、25式に乗り換えた際に「良くなっている」と感じたのだ。

「安全性能や静粛性などにアップデートが入ったので、クルマ全体としての完成度が上がったように感じていただけたのかもしれません」との回答もいただいた。それは確かに、一理ありそうだ。気になるのは、次のコメントである。

「タイヤがブリヂストン製とトーヨー製の2種類になりました。以前のお車からタイヤが変わったのであれば、乗り心地に変化を感じる一因になっているかもしれません」

以前(20式)のタイヤ BRIDGESTONE TURANZA T005 A
25式はTOYO PROXES R51 A

実はタイヤが変わっているのである。以前のMAZDA3にはBRIDGESTONE TURANZA T005 Aが装着されていた。今回はTOYO PROXES R51 Aである。この2銘柄を同じ個体で履き替えて比較はしていないので断言はできないが、乗り心地に変化を感じる一因になっていると推測できる。いずれにしても、上質感が増した乗り心地は、「MAZDA3からMAZDA3へ乗り換えて良かった」と感じさせる大きな要因になっているのは間違いない。

自慢のエンジン音も静かになっている

SKYACTIV-Xエンジンにはこうして大きなカバーが付けられている。カプセル状にエンジンを囲んでいるのだ。

以前より上質になったと感じる理由はもうひとつあって、エンジン音および排気音の透過が抑えられていることだ。20式では独特の音を発するSKYACTIV-Xのエンジン音がダイレクトに(容赦なく?)耳に届いていた。Xが欲しくてMAZDA3を買ったようなものなので、筆者はエンジンの存在が濃厚に味わえるそんな状況に満足していた。

25式はエンジン音&排気音が明らかに耳に届きにくくなっている。静粛性が高くなっているので一般論としては正解なのだろうが、エンジン音を楽しみにしていた身からすると寂しい気がしないでもない。マツダからの回答は以下だ。

「エンジンノック音対策として、エンジンからボディへつながる部品(HVACのヒーターホース)がノック音の伝達経路になっていたため、ホース部品の振動伝達性の低減を行なっています。また、2021年10月の吸排気対策により、低い周波数が強調されたことで、高い周波数の音が目立ちにくくなったと感じられた可能性はございます」

20式も25式も同様にカプセルエンジンだが、明らかに25式の方が透過エンジン音が小さい。

市街地走行でエンジン音&排気音の透過が抑えられているだけでなく、高速走行時の透過も抑えられている。後者の原因ははっきりしている。6速のギヤ比が変わっているからだ。2021年10月の商品改良で、MT車は6速のギヤ比が0.680から0.645に変更された。この結果、高速走行時のエンジン回転数が低くなっているのだ。

メーターでざっと確認したところ、変更前は約2500rpmだった100km/h走行時のエンジン回転数が変更後は約2300rpmになった。120km/h走行時は約3000rpmが約2750rpmになっている。変更前の仕様はエンジン音が聞こえるのがいいと言いつつ、120km/h巡航では「ちょっと騒々しいかな」と感じることもあった。現在は120km/h巡航がストレスフリーだし、100km/h巡航時は静粛そのものだ(あくまで以前のMAZDA3比ではあるが)。

納車から約3ヵ月で約3800kmを共に過ごし、新旧どっちがいいと問われれば、今は迷わず、静かになった現在のクルマのほうがいいと答える。静粛性が高くなったとはいえ、エンジンの存在が一切感じられなくなったわけではない。とくに加速時に順次シフトアップしていくシーンでは、相変わらず心地良いサウンドを聴かせてくれる。見た目はほとんど変わらないが、元気いっぱいでやんちゃなところもあった少年が歳を重ねて成熟した印象だ。

ADAS系はどうだ?

ADAS系の進化もめざましい。2023年4月の商品改良でラージ商品群に適用した制御をMAZDA3にも適用する変更を行なったという。アクセルやブレーキペダルを踏まなくても、設定した速度で定速走行をしたり、先行車との車間距離を保って追従走行をしたりするMRCC(マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール)と、ハンドル操作をアシストするCTS(クルージング&トラフィック・サポート)については、以下のような改良が施されている。

MRCC
・シーンに合わせてより人の感覚に合う、その後の車両の動きが予測できる加減速ができるよう制御ロジックの改良、加減速制御のチューニングを最適化。

・ドライバーがアクセル・ブレーキ操作を行なわなくとも、どの程度の車速まで加速/減速するのか感じ取れるような特性を目指した。

CTS
・人の運転に近づけるための改良を実施。よりスムーズに、ハンドルの操作・修正を少なくクルマを走らせることを目指した。

・ハンドルを細かく修正するのではなく、人が運転しているときのように、遠くを見て予測したようなハンドル制御を実現。具体的には、新制御を導入し、遠くの道路形状を白線から予測してハンドル制御を行っている。

改良の効果はてきめんだ。とくにCTSの進化ぶりが大きい。以前は高速道路でMRCC&CTSをオンにした状態でカーブに差し掛かると、ハンドルを切っては戻し、切っては戻しの繰り返しで細かな修正を繰り返す状況が見られた。これをやられるとクルマの動きが落ち着かなくなるし、体も右に左に揺すられる。力を抜こうと思って機能をオンにしたのに、かえってストレスが溜まる状況だった。

新しいMAZDA3の制御は、まったくもってスムーズだ。ハンドルを細かく修正することなくカーブをクリアしてくれる。安心してクルマ任せにできるようになり、高速道路での移動がより快適になった。同じクルマであっても、5年も経過すると、細かなところから大きなところまで多くの領域で進化し、質が高まっていく。MAZDA3の乗り換えでそのことを実感しているところだ。

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