「生産台数が少ない」「海外需要が高い」「MT設定がある」などがプレミア化するモデルの共通項

かつて中古車は「新車より安い」が常識だった。しかし近年、その常識が大きく崩れ始めている。人気車種を中心に中古車価格が新車価格を上回るケースが相次ぎ、一部モデルは発売直後からプレミア価格で取引されている。

背景にあるのは、長納期による需給バランスの崩れと希少価値の高まりである。

代表例がトヨタ・ランドクルーザー300だ。2021年の発売直後から世界的な需要が殺到し、受注停止に追い込まれた。中古市場では「即納車」という価値が加わり、一時は1000万~1500万円超で取引される車両も存在した。

2024年に登場したランドクルーザー250も同様である。登録済未使用車を中心に新車価格を上回る事例が確認されている。

スズキ・ジムニーもプレミア化の代表格だ。2018年の現行型登場以来、慢性的な供給不足が続いており、中古市場では現在も高値を維持している。

トヨタ ランドクルーザー300

スポーツカー市場ではシビック タイプRが象徴的存在

スポーツカーではホンダ・シビック タイプR(FL5)の人気が突出している。

新車価格約500万円(発売当時)に対し、中古市場では700万~900万円台で取引された例もある。世界的な人気に加え、生産台数が限られていることが価格上昇を後押しした。

ホンダ シビック タイプR

また、3月に生産が終了したトヨタ GRスープラ(A90)も注目株だ。特別仕様車や低走行車を中心に高値で推移しており、将来的なコレクターズカーとしての期待も高まっている。

さらにGRカローラ、GRヤリス、GRMNヤリスなども高い資産価値を維持している。なかでも500台限定で販売されたGRMNヤリスは、1000万円前後で取引されるケースもあり、その希少性は群を抜いている。

トヨタ GRMNヤリス

次にプレミア化する国産車は?

プレミア価格が形成されるモデルには共通点がある。

「生産台数が少ない」「受注停止や長納期が発生している」「海外需要が高い」「MT設定がある」「最後の内燃機関モデルとなる可能性がある」といった条件だ。

その観点から注目されるのが、復活が噂されるトヨタ・セリカやMR2、そしてスープラである。いずれも世界的な知名度を持つスポーツカーであり、市販化が実現すれば大きな話題となるだろう。

また、さらなる進化が予想されるシビック タイプRも有力候補と言える。

クルマは「資産」になる時代へ

自動車は購入した瞬間から価値が下がる消費財と考えられてきた。しかし近年は事情が変わりつつある。

すべてのクルマが値上がりするわけではないものの、一部の人気車種は資産価値を維持、あるいは向上させている。電動化が進む中、魅力的な内燃機関車やMTモデルの希少価値は今後さらに高まる可能性がある。

これからのクルマ選びでは、走行性能やデザインだけでなく、「将来どれだけ価値を維持できるか」も重要な判断材料になっていきそうだ。