NINJA e-1【106万7000円】の注目ポイント

  • ・最高出力12psのブラシレスモーター搭載
  • ・1回の充電で72km走行可
  • ・ロードモードとエコモードの2モード
  • ・15秒間だけ出力が向上するeブースト機能を搭載
  • ・押し歩き時に便利なウォークモードを前後進に用意。
  • ・原付二種のピンクナンバー
  • ・電動なのでマフラー、クラッチレバー、シフトペダルがない。

Color Variation メタリックブライトシルバー × メタリックマットライムグリーン

 車体はニンジャ250/400をベースとし、ホイールデザインとタイヤの細さはかつてのニンジャ250SLを彷彿させる。ボリューム感は250cc並みだが、車重は原付二種のフルカウルスポーツと同等。それがカワサキのニンジャe-1だ。

車体はニンジャ250/400をベースとし、高張力鋼トレリスフレームは専用設計。ニンジャ250に対し車重は26kg軽く、タイヤは前後とも1サイズ細い。灯火類は全てLEDを採用している。

 搭載されている空冷式のブラシレスモーターは、欧州A1ライセンスに対応した最高出力(12ps)に設定されており、日本では原付二種登録となる。ライディングモードはロードとエコの2種類で、前者での航続距離は55kmを公称する。ユニークなのはeブースト機能で、これを押すと約15秒間だけ出力がアップするのだ。また、取り回しに便利なウォークモードを搭載しており、微速での前進と後退が可能となっている。

モデルの身長は175cm。シート高はニンジャ250よりも10mm低い785mmで、足着き性は良好だ。ハンドルはセパハンながら上半身の前傾は深くはなく、オールラウンダー的なライポジだ。

 まずは動力性能から。理論上、電動モーターは0rpmで最大トルクを発揮する上に、スロットル開度1〜2%からすぐに動き出すので、ロードモードでの瞬発力は150ccクラスのスクーター並みに速い。しかも、回生システムを搭載しているとはいえ、スロットルを戻したときの減速感はほどほどで、ビギナーでもギクシャクせずに扱えるだろう。

上段の赤いスイッチがモータースタート/ストップ。下段の緑スイッチがeブースト用で、約15秒間だけ駆動モーターの出力を上げられる。

 eブーストによる加速感は、ヘルメットの中で思わずニヤリとしてしまうほど速い。ニンジャ250並みとはいかないが、ほぼ無振動かつ静かなモーター音のみでスピードを上げる様は、何とも不思議なフィーリングだ。なお、コーナーの進入時にeブーストボタンを押すと、上り勾配のきつい峠道でも鋭く立ち上がれる。だが、切り返しなどで一度でもスロットルを戻すと即キャンセルされるので、これが興を削いでいるのは事実。加えて、eブーストを多用しなくても上り坂ではみるみる充電ゲージが減っていくので、航続距離はまだまだ大きな課題のようだ。

グレーのスイッチは下がライディングモードの選択用で、上がウォークモードの呼び出し用。オートマなのでクラッチレバーは存在しない。

 続いてハンドリングについて。先にも記したように車体のボリューム感は250cc並みだが、車重が軽い上にタイヤが細いので、倒し込みや切り返しなどロール方向の動きは非常に軽快だ。しかも、バッテリーやモーターなどの重量物が中央に集中しているので、まるで保安部品を外してサーキット仕様にしたようなスポーティさもある。そして、何より感心したのは、路面からのインフォメーションが潤沢なことだ。おそらくエンジンの微振動や音によって路面の情報がかき消されないからだろう。この澄み切った手応えは、電動バイクならではの長所と言える。

4.3インチTFTカラー液晶メーターを採用する。タコメーターのようなバーグラフはeブーストゲージだ。スマホとの接続機能も搭載している。

 電動モーターは回転数が上がるほどトルクが減っていくので、内燃機関のようなエキサイトメントな印象は薄く、また振動がない代わりに鼓動感や脈動感といった味わいはゼロに等しい。とはいえ、eブーストという加速装置はモーターならではのギミックであり、しかもここまでマスを集中させるのは、内燃機関ではかなり困難だろう。ちなみに今回は峠道を含めて30km弱を走り、バッテリー残量は100%から40%へと減少していた。他の電動モビリティと同様に、航続距離に注意する必要はあるものの、電動モーターサイクルの未来が明るいことを証明してくれたのは、非常に喜ばしいことだ。

燃料タンクに相当する部分のカバーを開くと駆動バッテリーが取り出せる。2個搭載しており、1個の重量は11.5kg。充電器は別売りとなる。

SPECIFICATIONS