11年目にして過去最高の売れ行き! ND型ロードスターの人気が加速中
マツダ・ロードスターの売れ行きが好調だ。4代目の現行型(ND型)は2015年に登場したが、11年目となる2025年に過去最高となる1万台超の販売を記録した。初代から3代目は初年度または2年目が販売のピークだったことを考えると、4代目がロードスターの中でも随一のヒットモデルとなっていることが窺える。
そんな人気のオープンスポーツカーが、このたび、大幅商品改良を行なうこととなった。大きく3つの話題があって、第一に特別仕様車「PS」の導入、第二に新色「ジンクグリーンメタリック」の追加、そして第三に車外騒音規制フェーズ3への対応だ。

走りを純化した特別仕様車「PS」
1.5Lのソフトトップモデルに追加される「PS」は、“ピュアスポーツ”の頭文字を取った名称であり、走りの楽しさをストレートに表現するモデルとして位置づけられている。価格は366万3000円で、価格帯としては「S スペシャルパッケージ」と「RS」の中間に位置する。
エクステリアは、ブラックとシルバーを基調にコーディネートされている。2019年モデルの「シルバートップ」で用いられたグレーのソフトトップを再び採用し、RAYS社製16インチアルミホイールはブラック塗装、Brembo社製ベンチレーテッドディスクと対向4ピストンキャリパーはシルバー塗装とした。

ビルシュタイン製ダンパーを採用する足まわりには「マツダ スピリット レーシング ロードスター」の開発で培われた知見が織り込まれている。具体的には、前後のバネレートを高めつつダンパーの減衰力を下げる方向で専用チューニングが施された。ロール剛性を確保しながら乗り心地を向上させ、よりリニアな操縦性を実現するのが狙いだ。同様のチューニングはRSのソフトトップモデルにも適用される。
また、制御面ではPSを含むMT車全車に加速応答改善制御、ヒール&トゥアシスト制御、そしてレブリミット回転直前まで出力を絞らずに走行できる制御を採用した。
インテリアは、スウェード調表皮を備える「Sスペシャルパッケージ」をベースとし、エアコンダイヤルやエアコンルーバーのアウターリングをブラックアウト。ルーバーのインナーリングのみにシルバーを配した。

防錆塗料に着想した新色「ジンクグリーンメタリック」
ボディカラーの新色「ジンクグリーンメタリック」は、航空機や船などの工業製品に耐久性を持たせるために使われる防錆塗料「ジンククロメートプライマー」から着想を得ている。
ジンクグリーンメタリックは、「魂動デザイン」以降では初となるグリーン色域のボディカラーだ。NAロードスターの「Vスペシャル」など過去のグリーンが上質でクラシカルなイメージを追求していたのに対し、今回は現代的なグリーン表現を狙った。
色の仕立てとしては、ソリッドな塊感を持ちながら、エクステリアの造形がハイライトとシェードによって際立つ「ソリッドライクメタリックカラー」。グリーンは自然を連想させるイメージに寄りがちなため、ブルーのマイカを少量用いてやや青みを加え、都市でも自然でも映えるクールな印象に仕上げている。

“走る楽しさ”を損なわずに騒音規制フェーズ3対応
続いてのトピックは、最新の車外騒音規制(フェーズ3)への対応だ。新型車は2024年10月から、継続販売車も2026年7月以降に適用され、エンジン音だけでなくタイヤの転がり音も規制対象となる。
スポーツカーにとっては死活問題になりかねない厳しい規制なのだが、ロードスターでは静音タイヤの開発やサイレンサーの大型化により、走りの楽しさを損なうことなく対応している。さらに吸排気系に専用レゾネータやリブを新設計した音質チューニング、そしてソフトトップモデルへのインダクションサウンドエンハンサーの標準化を施すことで、定常走行時の静粛性を高めつつ、加速時には心地よい吸排気音を聞かせるという。
なお、静音タイヤはタイヤ特性を大きく変えないよう設計されたが、わずかな剛性変化が生じたため、電動パワーステアリング(EPS)側の制御をチューニングし、従来どおりのステアリングフィールを確保した。
軽量化へのこだわりも貫かれている。例えば、2.0Lモデルのメインサイレンサーは、当初50L相当の容量が必要と試算されていた。それを36Lまで圧縮して小型化し、重量増を最小限に抑えているのだ。
走りに影響する部分をできるだけ抑えながら規制に対応し、新しい価値を盛り込む。それが改良版ロードスターのキモである。

