前回までの記事はこちら

タイムは気にしない
3ステップで練習を

土屋さんが最初に上げた習得へのコツは、タイヤの選び方だ。

「普段の街乗りは、少しでも安全なハイグリップタイヤを履いてほしいんだけど、練習に限ればセカンドグレードのタイヤで十分。むしろ絶対にアンダーステアが出るような安いタイヤが望ましい。

そのタイヤでフルブレーキからいつブレーキを戻せば曲がるかを試して学ぶ。ブレーキの戻しと舵を入れるタイミングがつかめてきたら、その先でアンダーが出たときに、ブレーキで曲げる練習を重ねる。

次にどこでアクセルを入れたらアンダーが消えるかを探っていく。練習箱の三段階に分けてやってみる。いっぺんにやろうとするとごちゃごちゃになるので、今日はブレーキで曲げる、とテーマを決めて走るといい。

こうした練習をするときは、タイムは気にしてはダメ。エスケープが広いコーナーに的を絞って、ちょっとオーバースピード気味に進入するところから始めてみよう。オーバースピード→曲がらない→2発目、3発目のブレーキを入れる→あ、曲がった。この体験が

大事になってくる。進入速度が遅いと、慣性が小さいのでブレーキを足しても曲がらない。慣性力で振り子みたいに動かせる速度域まで持っていかないと、旋回に必要なヨーが出ないんだ」

L.S.D.やサスのセッティングもひと工夫

続いて車体側の条件も。

「駆動方式に関わらず、サスのストロークは多めにほしい。20~30㎜は動く足にしておかないと、荷重移動がわかりづらいし扱いづらい。旋回のヨーが出て巻き込むような姿勢をつくるには、フロントはややハード、リアはソフトなバネレートにすると、リアが動きやすくなってやりやすい。

L.S.D.装着はマストなんだけど、イニシャルトルクはマイルドにしておく。ガチガチだとアクセルOFFでアンダーステア、アクセルONでオーバーステアになりがちなので、タイヤに合わせて、滑る一歩手前ぐらいにセッティングするのがベスト。L.S.D.の組み方にはこだわってほしい」(FFでも1.5wayのL.S.D.が土屋さんのオススメ)

クリップにはつかなくたっていい
大アンダーを小アンダーに抑える

 練習環境については、安全な広場やジムカーナ場から始めることを推奨している。

「練習としては8の字ターンがいちばんわかりやすい。8の字だとアンダーステアが出やすいからね。慣れるまではジムカーナ場など、アクセルを入れてスピンをしても安全な場所からトレーニングを始めてみる。定常円旋回もいい練習になる。

サーキットなら、袖ケ浦の3コーナーや、富士のコカ・コーラ、ダンロップコーナー、鈴鹿のシケイン、1コーナーなど、少しぐらいオーバーランをしても安全なコーナーでトライ。

そうしたコーナーをいつもより速い速度で進入してみる。すると当然アンダーステアが出る。そのときに、曲がらないといってあきらめるのではなく、もう一度ブレーキを足すところから試してみるんだ。

1発で曲がらなければ、2発、3発と追い打ちを掛ける。練習なんだから、クリッピングポイントにつかなくたっていい。むしろ従来の走り方ではクリッピングポイントにつけない速度で進入しないとダメ。

初期のアンダーステアの最大の原因はブレーキを離すタイミングが悪いから。どこで離せば大アンダーが小アンダーになるか? そのポイントを自身で見つけたい。ローグリップのタイヤで大アンダーを小アンダーにできるようになれば、ハイグリップタイヤを履いたときに間違いなく速く走れる!」

広場で楽しみながら反復練習しよう

練習はジムカーナ場やエスケープの広いコーナーで、アンダーステアが出やすいタイヤ、アンダーステアが出る高い速度で走ってみる。クリッピングポイントを外しても構わないので、ブレーキとデフでアンダーステアをいかに打ち消すかにトライ。

TRDのGR86は、ストローク量もたっぷりなサスキットを装着していた。「デフで曲げるのも、2.4Lのトルクで、ZN6より曲げやすかった」と土屋さん。

次回(最終回 17日19:10~配信予定)は

レジェンドはいまの状況をどう見ているのか?

土屋さんに質問

ドラテクQ&A

つづく