ブレーキを最後に弱められるか? 進入で横方向のグリップを残すコツ

ZC32SとZC33S。まず異なるのは、自然吸気エンジンか、ターボエンジンか、というところです。明確に使う回転域とギア選択が変わります。

自然吸気のM16Aが載るZC32Sは、エンジン特性から高い回転域を保っていきたい。なぜかというと4300rpmくらいかな、エンジントルクに谷があるんです。だから、タイヤサイズも考える。

外径が大きくなれば、ハイギアードになって走りにくくなる。回転が落ち込みやすくなるので、215/45R17などは、ドラテク修行には向かない面もあります。

ノーマルは17インチですが、総合的に判断して16インチも選択肢です。コーナリングでは、仮に筑波2000のヘアピンなら、僕は加速まで考えてギアは2速です。エンジントルクの谷をかわせる、ある程度の回転数まで上げています。

ZC33Sは反対で、K14Cターボエンジンは低い回転域から十分過ぎるトルクが出ています。エンジン特性も数値も、まったくZC32Sとは異なるものです。たとえば、ボトムスピードが40㎞/h位になるコーナーでは、ギアは2速でなく3速を選んだほうが、速くコーナリングができます。

2速で回ると、立ち上がりでギアを3速にシフトアップしたときに一瞬ですが、巧くブーストが来ない、レスポンスが鈍ることがあります。それなら3速キープでコーナーに入ったほうが、ギアチェンジがない分、初めからブーストが途切れずに立ち上がれます。

少し感覚的にはじれったくなりますが、結果的にそのほうが加速をスームズに乗せられます。街乗りの走行からもイメージできると思います。

僕はZC33Sで筑波2000を攻める場合、1コーナー、1ヘア、2ヘア、すべて3速を選んでいます。ZC32Sでは、さっきの話どおり、それらは2速です。

ただ、低いエンジン回転数で、高いギア比のままコーナーを回ると、どうしてもクルマの動きがアンダーステア方向になる。

そこを抑えるのもZC33Sの運転での面白さであり、難しさでしょう。要するに少しでもボトムスピードを上げられたら、それだけラクに速い運転にもつなげられます。

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では、できる限りアンダーステアを出さずにコーナリングする方法です。ひとことでいえば、履いているタイヤのグリップ性能以上の仕事を求めてはダメ。自身ではそうしているつもりがなくても、陥る最大の要因は進入のブレーキが関わります。

加減が強いと、あまり横にグリップが残っていないときに縦から横へ、ハンドルをどんどん切っていけば、すぐタイヤの限界を超えます。

縦方向を使いきっている意味でなく、上手くできない人は横方向に充てられるキャパを残している割合が少ないんです。結局は高いエンジン回転数でコーナーに入るZC32Sにもいえる話です。

クラブマンの大半の人は、コーナーで適切なブレーキを掛けて、ラインも外れることもなく、曲がれています。でも、ボトムスピードが落ちてしまっていて、スピードを取り返すために横方向を奪うことになる。

どういうことか? ボトムスピードを上げるには、進入のブレーキが行き過ぎても、アクセルを早く踏めても上手くいかないんです。状況にもよりますが、コーナーの中でアクセルを早くから開けられる人は、ボトムスピードが大きく落ちているから可能になっているケースもあります。

簡単な話、ブレーキを最後に少し弱めていける人は、タイヤの横方向がその分使えるからボトムスピードもちょっと高くなる。その1km/h、2km/h、3km/hとか、数km/hでもボトムが上がることが、ZC32S、ZC33Sの車両パッケージから凄くメリットになるんです。

たとえば40km/hから60km/hに加速するのと、45km/hから60km/hに加速するならば、後者のほうがラクですね。40㎞/hから㎞/hに加速するには、力を掛けないと加速が乗らない。

そのとき、やはり横方向が喰われるわけです。タイヤの縦、横のグリップを意識して、進入では最後に縦を抑えて、残った分はお小遣いに貯めておく。それをコーナーの中でどんと放出し、多く横へ活かせれば、すぐにボトムスピードは上がります。

フロントキャンバーを多くつけたくなる、あるいはそれが必要となるのも、コーナーに入ってタイヤを喰わせたいからです。リアトーを調整するのも、適度にハンドルを切れば曲がるクルマにするためです。

ボトムスピードが速い=スイフトスポーツのドラテクの真髄だと思います。「少しでも」を目指して、練習やセッティングを楽しみましょう。


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