お便り 外したタイヤはどう保管すればいいの?

投稿者:東京都/高井戸のH2乗り

クロスカブ110にも乗る投稿者さんは、普段のツーリングではスタンダードなタイヤ、冬はスノータイヤ、スポーツ走行ではハイグリップタイヤと、季節や走る場所に合わせてこまめに履き替えているそうだ。ただ、タイヤを何セットも持つようになると悩むのが、外したタイヤの置き場所。次に使うまで、ガレージやベランダに置きっぱなしという人もいると思うけれど、保管の仕方が悪いと、走っていない間にもタイヤの劣化はけっこう進んでしまう。

そこで、IRCブランドでおなじみの井上ゴム工業へ聞いてみました。
「まずは直射日光が当たらず、高温多湿にならない場所に保管してください。紫外線に当たるとゴムが劣化してしまいます」。つまり、日当たりの良いベランダや窓際、夏場に高温になる物置など。タイヤはゴム製品なので、紫外線や熱、湿気の影響を受ける。屋外で保管する場合も、雨が直接当たる場所や地面に置きっぱなしにするのは避けたい。

さらに言えば、直射日光や雨、水だけでなく、油類、ストーブなどの熱源、電気火花が出る装置の近くを避け、暗く涼しい場所に保管できればベストだ。

タイヤはラップで巻かなきゃだめ?

食品用と違って、梱包用のラップは厚みもあって丈夫。透明のほかに黒や赤など、色が付いているものもある。サイズがいくつかあり、バイク用なら300mm幅のものが使いやすいのでおすすめ。

バイクショップやサーキット走行後などで、外したタイヤをラップ(ストレッチフィルム)でぐるぐる巻きにしている光景を見たことがある人もいるはず。空気に触れなくなるぶん、劣化防止にも効きそうだけど、実際はどうなのだろうか。

井上ゴム工業によると、「ゴムの表面が空気に触れないぶん、何もやらないより少しは良いとは思いますが、それが劣化に対して効果的かと言われると、やらないよりマシ……っていう程度です」なるほど。ラップを巻いたからといって、タイヤの劣化を大きく止められるわけではないようだ。

いっぽうで、「タイヤにホコリや汚れが付着しないとか、直接触れないで済むというメリットはありますね」とのこと。つまりラップは、劣化防止の切り札というより、汚れ防止用と考えるのがよさそうだ。

筆者もラップ巻き派だが、上記理由のほかに「ゴム臭さ」を抑える効果があるのを付け加えておきたい。ラップを巻いたおかげで、「なんかタイヤ臭ーい!」と、家族に責められる可能性がグッと低くなる。ちなみにラップはホームセンターの梱包コーナーで手に入る(原油価格の高騰でかなり高くなったけれど)。

室内保管でも、照明の近くは避けたい

タイヤの保管の理想は室内。ならどこでも安心かというと、そうとも限らない。「LEDならほぼ問題ないのですが、白熱球や蛍光灯からは、できるだけ距離を取ってください。それらの照明は日光に比べると微量ですが紫外線を出しますから、保管場所との距離が近いとタイヤに悪いです」。蛍光灯の真下にタイヤを積んでいる場合は少し場所を離したほうが良さそうだ。

さらに、タイヤはオゾンの影響でも劣化する。電気火花が発生する機器やモーター類の近くを避けるようアナウンスしているメーカーもあるため、可能ならばコンプレッサーや溶接機、充電設備などがあるガレージでは置き場所を考えておこう。

洗って、しっかり乾かすべし

保管前の準備もけっこう大切加。外したタイヤに泥や融雪剤、油汚れなどが付いているなら、水洗いなどで落としてから十分に乾かす。濡れたまま袋に入れると、湿気がこもってしまう可能性がある。洗剤やタイヤワックスを必要以上に塗るよりも、まず汚れを落として乾燥させることを優先したい。

また、次に使う前には、溝だけでなく、ひび割れ、変形、異物、ビード部分の傷なども確認する。保管が正しくても、以前の走行でダメージを受けている可能性はあるからだ。

タイヤ単体なら立てて、長期保管はときどき向きを変える

タイヤ単体で保管するなら、基本は立てて置き、長期間同じ部分に荷重がかかり続けないよう、ときどき向きを変えると安心だ。重い物を上に積んだり、細いフックに引っかけたりすると変形の原因になるので避けたい。

ホイール付きの場合は重量が増えるため、保管方法が変わる。乗用車用タイヤではホイール付きは横積み、タイヤ単体は縦置きが案内されているが、バイク用はサイズや構造も異なるため、筆者的にはそこまで気にしていないし、過去タイヤの積み方による不具合は出たことはない。

最後に これだけ覚えておけばOK!

外したバイクタイヤを保管するときは、

1 直射日光、雨、高温多湿を避ける。
2 油類、熱源、電気火花が出る機器から離す。
3 汚れを落として、乾かしてから保管する。
4 ラップや袋は、主に汚れ防止と考える。
5 重い物を載せず、変形しない置き方をする。

このあたりを押さえておけばOKだ。タイヤは履いていない間も少しずつ歳を取る。次のシーズンに気持ちよく走るためにも、「外したら物置へポイ!」ではなく、暗くて涼しく、タイヤに負担の少ない場所を用意してあげよう。

まとめ

●保管する際は洗ってから!
●直射日光だけでだく電子機器からも遠ざけよう!

※この記事は月刊モトチャンプ2022年4月号を基に加筆修正を行っています

【モトチャンプ編集部】