在庫状況を日単位ではなく時間単位で管理する販売店も

トヨタが海外での生産計画を見直し、新型「RAV4」を含む複数車種の生産を再び縮小する方針を明らかにした。中東情勢や市場環境の変化を背景とした調整だが、世界的な人気を維持するRAV4への影響も避けられそうにない。

トヨタ RAV4新型

トヨタは約1ヵ月前、中東情勢の緊迫化による物流への影響を理由に、海外生産を約8万3000台削減すると発表していた。しかし今回は削減規模をさらに拡大し、2027年2月までの海外生産を約10万台縮小する計画へ変更した。

トヨタ RAV4新型

背景には、中東・北アフリカ(MENA)地域や東アジアで新車需要が想定を下回っていることに加え、燃料価格の高止まりなど市場環境の変化があるとみられる。これに伴い、主要サプライヤーにも新たな生産計画への対応が求められている。

なかでも注目されるのが、世界的なベストセラーSUVであるRAV4だ。米国では、ケンタッキー工場でハイブリッドモデルの生産が再開された一方、ガソリンモデルは生産を縮小する方向となっている。トヨタは以前、この影響により米国でのRAV4販売台数が年間約5万5000台減少する可能性があるとしていた。

一方で供給不足を補うため、日本国内では2026年度下半期にRAV4とランドクルーザー250の生産を約4200台増やす計画も進められている。しかし、それでも需要を十分満たせるかは不透明な状況だ。

実際、米国では新型RAV4の人気が過熱しており、一部販売店では納車待ちの顧客が数百人規模に達しているという。在庫状況を日単位ではなく時間単位で管理する販売店もあるほどで、入荷した車両が即座に成約となるケースも珍しくない。

今回の生産調整はRAV4だけにとどまらない。中国市場ではbZ3XやbZ7、中国仕様カムリなども対象となっている。

中国ではBYDやNIO、Xiaomiといった地元メーカーが急速にシェアを拡大しており、トヨタも販売戦略や生産計画の見直しを進めている段階だ。地域ごとの需要に応じて柔軟に生産体制を調整する姿勢が、今回の計画にも表れている。

一方でRAV4は、SUV市場の中でも依然として高い人気を維持する世界戦略車である。今回の生産調整は需要低迷によるものというより、市場環境や供給体制を踏まえたグローバルでの生産最適化という側面が強い。

世界的なSUV人気が続くなか、新型RAV4の供給不足は当面続く可能性がある。トヨタが生産体制をどこまで立て直し、旺盛な需要に応えていくのか、その動向に引き続き注目したい。