GSX-R40周年を彩る特別カラー&歴代モデルへのオマージュ

今回の新型GSX-R1000Rは、GSX-Rブランド40周年を記念した特別グラフィックを採用。

カウル形状に沿って配置された大胆なグラフィックは歴代モデルへの敬意を込めながらも、現代的でシャープな印象を演出する。

スズキ・GSX-R1000R……2,376,000円

1983年鈴鹿8時間耐久レースで総合優勝を飾ったスズキ・フランス(SERT)のGS1000R。この鮮やかなHBカラーをモチーフとしたイエローが、今回の新型GSX-R1000R二も採用されている。

細部にも歴史へのオマージュが散りばめられており、

  • アンダーカウルやタンクの「R」ロゴは1985年の初代GSX-R750をモチーフ
  • ブラックにブルーとレッドを組み合わせた配色は2000年型GSX-Rをイメージ

するなど、歴代ファンにはたまらない演出となっている。

3色のカラーリングはいずれも歴代レーシングマシンをイメージした配色で、なかでもイエロー×マットブルーの組み合わせは従来にない挑戦的なカラーとして紹介された。

さらに40周年専用エンブレムや特別仕上げも採用し、所有する喜びを高める仕様となっている。

GSX-R1000Rの開発陣。左から加賀美瑛持さん、信太弓弦さん、東郷隼也さん、岩田秀矢さん、高橋海都さん、大城光さん。

エンジンを全面ブラッシュアップ! 排ガス規制対応と性能向上を両立

今回のエンジン開発では

  • 平成32年排出ガス規制対応
  • レーシングパフォーマンス向上
  • 外観性向上

という3つのテーマを掲げて開発。

そのために

  • バルブトレイン
  • レシプロ部品
  • 吸気システム
  • 排気システム

を総合的に見直した。

MotoGP由来の「スズキレーシングVVT」と「フィンガーフォロワーバルブトレイン」は引き続き採用。

バルブタイミング可変システムVVT。新型カムチェーンの採用に合わせてVVTスプロケットの形状も変更された。

吸排気ポートを新設計し、排気バルブ径は24mmから25mmへ1mm拡大。さらにバルブオーバーラップ量も最適化することで、排出ガス性能を満たしながら高出力を維持している。

ピストンからクランクまで耐久性を徹底強化

今回もっとも注力したというのが耐久性の向上だ。

ピストンは燃焼室形状を変更するとともに圧縮比をアップ。

一方でFEM解析によって裏面リブ形状を最適化し、重量を約3g軽量化している。

さらに

  • コネクティングロッド平井に浸炭処理のクロムモリブデン鋼を採用
  • クランクシャフトジャーナル径を35mmから37mmへ、2mm拡大

など高回転・高負荷での耐久性向上も実施。

開発担当者は「耐久レースでより確実に勝つための改良」と説明している。

吸排気システム刷新でレスポンスと高回転性能を向上

吸気系ではスロットルボディ径を46mmから48mmへ、2mm拡大。

従来モデルで採用していたデュアルステージインテークを廃止し、各シリンダーごとの吸気長を最適化するシングルステージ方式へ変更した。

これにより低速域から高回転域まで自然で扱いやすいパワーカーブを実現したという。

排気系も全面刷新されている。

エキゾーストパイプ径を拡大し高回転性能を確保するとともに、新たにマフラー側へ排気バルブを配置。

低回転では排気経路を絞ってトルクを確保し、高回転では排気抵抗を低減することで全域で扱いやすい特性を目指した。

消音構造も見直され、マフラー容量は8.3Lから5.5Lに34%コンパクト化。

よりスリムなスタイリングにも貢献している。

車体は軽量化と空力性能をさらに進化

車体側では基本構成を維持しながら細部をブラッシュアップ。

リチウムイオンバッテリー採用により約2.3kg軽量化し、ABSユニットも51g軽量化された。

さらにオプションとしてカーボン製ウイングレットを新採用。

空力性能を向上させるだけでなく、

  • コーナリング中の安定性向上
  • 加速時のフロントリフト抑制

にも効果を発揮するという。

電子制御はサーキットから街乗りまで幅広く対応

電子制御にはおなじみのSDMS(スズキドライブモードセレクター)を採用。

  • Aモード:サーキット向け
  • Bモード:オールラウンド
  • Cモード:雨天・初心者向け

の3種類から選択できる。

さらに10段階トラクションコントロールを組み合わせることで、合計30通りの制御設定が可能。

ロー・トルク・コントロールやリフトリミッターも備え、コーナー立ち上がりでより積極的にスロットルを開けられるセッティングとなっている。

生産技術も刷新。量産品質そのものをレベルアップ

今回のモデルでは設計だけでなく、生産技術にも大きな改良が加えられた。

スズキは2022年から「スズキスマートファクトリー」構想を推進。

設計部門と製造部門が密接に連携することで、量産品質そのものの向上を図っている。

その代表例がSCEMメッキシリンダー。

メッキ品質を安定化させることでホーニング精度をさらに高め、シリンダーごとの寸法ばらつきを低減。

結果として、より滑らかで力強いエンジン特性を実現したという。

“ベリーベスト・オブ・スズキ”と呼べるスーパースポーツへ

説明会では開発責任者が、「ハヤブサは上質さや所有感を追求したモデル。一方GSX-Rは、その時代における『走る・曲がる・止まる』の最高峰を詰め込んだモデル」と語った。

さらに、「鈴鹿を走り込むと、自分の足で走っているような感覚になる。それがGSX-R最大の魅力」とコメント。

新型GSX-R1000Rは、40年にわたり受け継がれてきたレーシングDNAをさらに磨き上げ、エンジン、車体、電子制御、生産技術まで徹底的に進化した一台となっている。

主要諸元

型式8BL-DM11X
全長 / 全幅 / 全高2,075mm / 705mm / 1,145mm
軸間距離 / 最低地上高1,420mm / 130mm
シート高825mm
装備重量 ※1203kg
燃料消費率 ※2 (WMTCモード値) ※314.7km/L(クラス3、サブクラス3-2) 1名乗車時
最小回転半径3.5m
エンジン型式 / 弁方式DTA4・水冷・4サイクル・直列4気筒 / DOHC・4バルブ
総排気量999cm3
内径×行程 / 圧縮比76.0mm × 55.1mm / 13.8:1
最高出力 ※4140kW〈190PS〉 / 13,200rpm
最大トルク ※4108N・m〈11.0kgf・m〉 / 11,000rpm
燃料供給装置フューエルインジェクションシステム
始動方式セルフ式
点火方式フルトランジスタ式
潤滑方式圧送式ウェットサンプ
潤滑油容量4.0L
燃料タンク容量16L
使用燃料無鉛プレミアムガソリン(E10ガソリン対応※5)
クラッチ形式湿式多板コイルスプリング
変速機形式常時噛合式6段リターン
変速比1速2.562
2速2.052
3速1.714
4速1.500
5速1.360
6速1.269
減速比(1次 / 2次)1.652 / 2.647
フレーム形式ダイヤモンド
キャスター / トレール23°20′ / 95mm
ブレーキ形式(前 / 後)油圧式ダブルディスク(ABS) / 油圧式シングルディスク(ABS)
タイヤサイズ(前 / 後)120/70ZR17M/C(58W) / 190/55ZR17M/C(75W)
舵取り角左右27°
乗車定員2名
排出ガス基準平成32年(令和2年)国内排出ガス規制に対応