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今日は何の日?■斬新なデザインのウォークスルーバン、デリボーイ

1989(平成元)年7月20日、トヨタはセミボンネットタイプのウォークスルーバン「デリボーイ」を発売した。都市などでの小口の配送に適した商用車として、軽バンより大きく、ハイエース(1t~)より小さいサイズで最大限の荷室(750kg)空間を確保することを目標に開発された。
宅配便事業の成長でウォークスルーバンが人気に
ウォークスルーバンとは、運転席と荷室の間を車外に出ずに行き来可能で、荷室内で立って作業ができる商用車を指す。ウォークスルーバンが必要となった背景には、1980年代後半に宅配便市場が急成長し、特に都市部での小口配送が一気に増加したことにある。

そのような状況下で、トヨタはヤマト運輸から“腰をかがめずに作業ができる宅配用商用車”を依頼され、その要望に応えることになった。現行のボンネット型バンは荷室が狭い、ワンボックス型バンはエンジンが座席下で整備性が悪い、軽バンでは積載量が不十分だった。
トヨタがまず開発したのが、配送業務の効率化を目的に、“軽バンより大きく、ハイエースより小さい”、”最大限に四角い荷室“を持つ新しいカテゴリーのウォークスルーバン、デリボーイの兄貴分にあたる「クイックデリバリー」だ。
また、当時他社からも軽自動車でウォークスルー構造を採用した1984年発売のダイハツ「ミラウォークスルーバン」、1987年にはスズキ「アルトウォークスルーバン」と三菱「ミニカ・ウォークスルーバン」なども登場した。ちなみに、日本初のウォークスルーバンは、1952年に登場した「トヨペット・ルートバン」とされている。

ヤマト運輸の要望で誕生したクイックデリバリー
ヤマト運輸の要望で開発された「クイックデリバリー」は、1985年12月に「ダイナ・クイックデリバリー」と「トヨエース・クイックデリバリー」として市販化されたが、両車は同一モデルで販売チャネルが異なり、後に両者を統合して「クイックデリバリー200」と改称。配送車だけでなく、キッチンカーや移動販売車として、2016年まで生産された。

クイックデリバリーは、書類ケースやオーバーヘッドグローブボックスなどの収納機能を高め、ドライバーの作業を助ける回転式シートや、折り畳式の助手席・中央部シートなどを備えることで使い勝手を向上させた。
3ドアと4ドアのバリエーションを設定し、パワートレーンは最高出力85psを発揮する3.0L 直4 OHVディーゼルエンジンと5速MTの組み合わせ。

クイックデリバリーは、2tクラスの本格商用車で、その小型版として登場したのが750kg積載の「デリボーイ」である。
小回りの利いて扱いやすいウォークスルーバン、デリボーイ

1989年7月この日、クイックデリバリーの小型版のセミボンネットタイプ・デリバリーバン「デリボーイ」がデビュー。デリボーイのコンセプトは、米国のデリバリーバン(宅配車、郵便車)を参考にして、日本では都市部の小口集配送を主とした商用車として発売された。

デリボーイは、カローラ系のプラットフォームを流用して、2人乗り750kg積みと、2/5人乗り・600/500kg積みの2仕様で、フロントはほぼ垂直、サイドとルーフは完全にフラットにして四角いボディを形成。また、商用車としては珍しいFFレイアウトを採用することで後輪周りの張り出しが少なく、荷室もほぼ完全なフラットで荷室長:約2000mm/幅:約1400mm/高さ:約1300mmが実現された。
また、走る看板としても使えるように広い面積の滑らかなサイドパネルを採用。ドアは、右側が前ヒンジ式、左側がスライド式、バックが非対称観音開き。ウォークスルーは可能だが、荷室高が1390mmしかないため完全な立ち作業ができるというわけではない。
パワートレーンは、最高出力70psの1.5L 直4 OHVエンジンと5速MTの組み合わせ。1991年5月には、2.0Lディーゼルエンジン車を追加、1991年3月に3速 AT(ガソリン)/4速 AT(ディーゼル)が追加された。
車両価格は124万~138万円。当時の大卒初任給は16.4万円程度(当時は約23万円)だったので、単純計算では現在の価値で約174万~194万円に相当する。
ユニークな配送専用車として人気を獲得したデリボーイだったが、斬新だった垂直なフロント構造が1990年後半の衝突安全基準強化へ上手く対応できなかったことから、1999年に生産を終えた。
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デリボーイが生産を終えた理由は、衝突安全対応だけでなく、軽バンの性能向上やハイエースの小型化、宅配車両の大型化の影響があり、これによりデリボーイがサイズ的に中途半端になったことが関係している。
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