CFLITE・250NK……495,000円

CFMOTOブランドで販売されている250NKとの違いは、フロントフォークやマフラー、ブレーキキャリパー、メーターパネルなど。また、仕向地に合わせてFI仕様(26.5PS)とキャブレター仕様(24.7PS)が用意される。
こちらはCFMOTOの250NKで、2018年に登場。2022年に現在のスタイルになった模様。倒立式フロントフォークやラジアルマウント式フロントキャリパー、スイングアーム、ショートマフラー、カーボン調のラジエーターシュラウドなど、CFLITE版との違いが確認できる。なお、最高出力は27.9PSを公称する。
スタイリングはV.1NKというコンセプトモデルが元ネタとなっている。それを手掛けたのがキスカ(オーストリアのプロダクトデザイン会社、KTMなどを担当)であり、250NKに対しても何らかの関与があったと推察される。
貸与された車両に装着されていたラジアルタイヤは中国のヘリオス製。指定空気圧は前後とも225kPaだ。
車体色は写真のボルドーレッドのほかにゼファーブルーを用意。

250SR-Sとは対照的、低回転域から力強くダッシュ!

今年に入ってMOTO2のフレームビルダーであるカレックスの株式51%を取得。さらに今月はブレンボとの長期的な戦略的パートナーシップ契約を発表するなど、CFMOTO(シーエフモト)は全方位的な成長を続けている。数ある中国メーカーの中で最も勢いのある存在と言ってよく、欧州ではすでに日本メーカーと肩を並べるほど高い評価を得ている。

そんなCFMOTOが、新興国市場向けに「CFLITE(シーエフライト)」というセカンドブランドを展開していることは、日本ではまだあまり知られていない。CFMOTOの性能と品質をより幅広いユーザーへ届けることをコンセプトとし、主に250cc以下のモデルをラインナップする。

今回試乗した250NKは、その中核を担うネイキッドモデルだ。このクラスはQJモーター・SRK250Sやヒーロー・HUNK 250R、バジャジ・Pulsar N250といったライバルがひしめく激戦区。価格競争も熾烈で、その恩恵は日本での販売価格にも表れている。円安が続く状況にもかかわらず、ヤマハ・XSR125より安価という設定には驚かされた。

日本では2023年12月に発売された原付二種カテゴリーのXSR125 ABS。現行モデルは50万6000円なので、CFLITE・250NKの方が1万1000円安いことに。

搭載されるのは249cc水冷シングル。最高出力は26.5PSを公称する。かつて試乗したCFMOTO・250SR-Sと基本的には共通のパワーユニットだが、走り出した瞬間からキャラクターの違いは明確だった。

倒立式フロントフォークや片持ち式スイングアーム、ラジアルマント式の対向式4ピストンキャリパー、フルカラーTFTメーターを採用するなど、贅を尽くした軽二輪スーパースポーツだ。車両価格は67万4300円(限定車は69万6300円)。筆者による試乗インプレッションはこちら
エンジンは249ccの水冷DOHC4バルブ単気筒。ボア×ストロークは72mm×61.2mmで、これはKTM・250デュークやカワサキ・ニンジャ250SLらと同じだ。トランスミッションは6段。CF-SCと名付けられたスリッパークラッチや1軸バランサーを採用する。

いくぶんローギアードな設定もあってか、1速ではあっという間に吹け切るほど加速が鋭い。2~3速でパワーフィールを確かめると、2000rpm付近からすでにトルクが厚く、そのままレッドゾーンが始まる1万rpmまで力強く伸び続ける。250SR-Sが5000rpm付近から二次曲線的にパワーを盛り上げていくタイプだったのに対し、250NKは低回転域から一直線に押し出すような特性だ。

スロットルを開けた瞬間に弾けるようなレスポンスを見せる様子は、KTM・250デュークを思わせる。振動はやや硬質ながら、1軸バランサーの効果もあって不快さはない。ごくまれにレスポンスにムラを感じる場面もあったが、気になったのはその程度だ。

クラッチレバーの操作力は50ccクラスかと思うほどに軽く、シフトフィールも良好と言えるレベルにある。歯切れのいい排気音も含め、エンジンの品質は優良と言っていい。

エキゾーストシステムは仕向地によって異なるようで、日本では五角断面の大型サイレンサーを採用した仕様が販売される。なお、確認した範囲では、メキシコ仕様はCFLITE版でもショートマフラーを採用する。

軽量ボディが引き出すスポーツネイキッド本来の楽しさ

250NKのハンドリングは、スタイリングから受けるイメージどおり軽快そのものだ。軽量かつスリムな車体のおかげで、街中の交差点を曲がるだけでも思わず笑みがこぼれる。

バイクを寝かせ始めるとフロントタイヤがナチュラルにインを向き、スッと旋回体勢へ移行する。切れ込み過ぎることもなく、かといって反応が鈍いわけでもない。その絶妙なバランスは高速域まで大きく変わらないのだ。

スチールパイプ製ダイヤモンドフレームも好印象だ。大きなギャップでは適度にしなりながら衝撃を吸収し、ライダーを不安にさせることがない。

サスペンションは正立式フロントフォークとリンクレスのモノショックという組み合わせで、ダンピング性能は価格相応といった印象。それでもラジアルタイヤによる高い接地感のおかげで、深いバンク角に至るまでフィーリングが変わらず、安心して倒し込むことができる。

ホイール径は前後とも17インチ。フロントフォークはφ37mm正立式で、ボトムケースにCFMOTOという鋳出し文字が入る(CFLITEとなっている国も)。フロントブレーキはφ292mmソリッドディスクとピンスライド片押し式2ピストンキャリパーの組み合わせだ。タイヤは中国製のヘリオスで、前後ともラジアルを採用する。

一方、フロントブレーキは片押し式2ピストンキャリパーということもあり、峠道の下りでは制動力に物足りなさを感じることも。体重のあるライダーならなおさらだろう。車体側にはまだ余裕が感じられるだけに、摩擦係数の高いブレーキパッドへ交換すれば、満足度は高められそうだ。なお、リヤブレーキについては特に不満はなく、市街地からワインディングロードまで積極的に活用できた。

軽く、安く、足着きもいい。ライダーの心理的ハードルを下げる三拍子がそろっていながら、本格的なスポーツライディングまで楽しめる。そのキャラクターに触れて思い出したのが、カワサキ・Z250SLだ。ニンジャ250SLのカウルレス版であり、その軽快な身のこなしは、まさに軽量スポーツネイキッドの魅力そのものだった。

2016年3月に発売されたカワサキ・Z250SL。東南アジアで人気の2スト150ccクラスの代替モデルという位置付けでもあった。エンジンはKLX系の249cc水冷4スト単気筒で、最高出力は29PSを発生した。発売当時価格は43万7400円。

「中国製バイク=安かろう悪かろう」というイメージは、もはや過去のものと言っていい。中国メーカー同士の競争も激化し、品質管理のレベルは着実に向上している。そうでなければ、欧州市場でここまで存在感を高めることはできなかっただろう。

その中でもCFLITE・250NKは、輸入元の努力もあって原付二種のヤマハ・XSR125よりも低価格という強烈な競争力を手にしている。この価格と内容は、日本メーカーにとっても決して無視できない存在になるだろう。

ライディングポジション&足着き性(175cm/65kg)

シート高はXSR125より15mmも低い795mmを公称。車体がスリムなこともあって、筆者なら両かかとが余裕で接地し、さらに膝の曲がりにも余裕がある。ハンドルバーは絞り角が少なめで、座面の広いシートと合わせてスポーツライディングがしやすい。

ディテール解説

リヤブレーキはピンスライド片押し式シングルピストンキャリパーとφ220mmソリッドディスクのセットで、デュアルチャンネルABSを採用する。
リヤサスペンションはリンクレスのモノショックで、スプリングの塗色はホワイトだ。
アルミ製のテーパードハンドルを採用。燃料タンク容量は12.5Lだ。イグニッションキーは車体側にあるタイプだ。
モノクロのLCDメーターを採用。バーグラフ式のタコメーターは1万rpmからレッドゾーンとなる。ギヤポジションインジケーターや水温計などもあり、機能としては十分だ。USBソケットはType-AとType-Cの両方を備えている。
CFMOTO版はフルカラーTFTメーターを採用する。Bluetoothのアイコンが確認できることから、スマホとの連携機能も盛り込まれているようだ。
右側にハザードスイッチあり。このクラスでは珍しく、ハイ/ロービームの切り替えスイッチとパッシングスイッチが独立している。
カラーステッチを使用したシート。風の抜けを意識したであろうシートカウルのデザインにも注目。
タンデムシートはキーロックを解除することで取り外すことができる。
中段にDRLをレイアウトした個性的なヘッドライト。下段がロービームだ。灯火類はオールLEDとなっている。
シンプルなデザインのテールランプ。ナンバーがスイングアームマウントなので、すっきりとした印象だ。

CFLITE・250NK 主要諸元

●エンジン
エンジン形式 水冷単気筒、4ストローク、4バルブDOHC
排気量 249cc
内径×行程 72mm×61.2mm
出力 19.5kw(26,4PS) / 9200rpm
トルク 22N·m / 7500rpm
圧縮比 11.3:1
変速機 6速

●サイズ
全長 1990mm
全幅 780mm
全高 1070mm
ホイールベース 1360mm
シート高 795mm
最低地上高 150mm
車両重量 151kg
燃料タンク容量 12.5L

●シャシー
フロントサスペンション φ37 テレスコピックフォーク
リアサスペンション モノショック
フロントブレーキ φ292mm シングルディスク、2ピストンキャリパー
リアブレーキ φ220mm シングルディスク、シングルピストンキャリパー
フロントタイヤ 110/70 R17 M/C
リアタイヤ 140/60 R17 M/C