BMW iX3

「ノイエ クラッセ」第1弾として

BMW iX3
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東京・麻布台のFREUDE BY BMW(フロイデ・バイ・ビーエムダブリュー)で発表会が開催され、2025年のIAA(ミュンヘン・モーターショー)でワールドプレミアされた新型「BMW iX3」が日本上陸を果たした。新型iX3はBMWブランドの未来像を示す、新世代プラットフォーム「ノイエ クラッセ」第1弾として登場した最新フル電動SUVである。

iX3は「X3」のラインナップの1台で、2024年に日本導入された現行型の4代目G45型X3のガソリンMHEV(X3 20 xDrive)、ディーゼルMHEV(X3 20d xDrive)、Mパフォーマンスモデル(X3 M50)は継続して販売される。なおiX3というモデル名は、3代目のG01型X3にもBEVモデルとして2021年にラインナップ追加され、その後継モデルとなるが、今回の新型iX3は従来のBMW製BEVのデザイン、航続距離、充電性能、走行性能──それらすべてを刷新した新世代モデルである。

新時代を感じさせる外観と内装

BMW iX3
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エクステリアに導入された新世代デザインランゲージは、現代のBMWイメージの原点とも言える1960年代のノイエ クラッセを現代的に再解釈したもので、近日中にBMWブランドの全モデルに応用される予定だという。

キドニーグリルはBMWの象徴的な要素だが、このiX3ではブランドの歴史的文脈を最新のEVに落とし込んだ最新デザインとなった。モノリシックな面構成と装飾を排したタイムレスな造形を特徴として、フラッシュドアハンドルやボディ同色のホイールアーチなど、細部に至るまで空力と視覚的純度を両立させてCd値0.24という優秀な数値を実現したという。

インテリアも大きく雰囲気が変わった。4本スポークのステアリングも印象的だが、BMWのデジタル体験を根本から刷新する「BMWパノラミックiDrive」も画期的挑戦が見られる。従来のメーターパネルを廃し、フロントウインドウ下部の横幅一杯に広がる43.3インチのパノラミックビジョンが配置され、ここに必要な情報を“最適な場所”に“最適なタイミング”で表示するという。17.9インチセンターディスプレイにはマトリクス・バックライト・テクノロジーを採用。さらに新採用の3Dヘッドアップディスプレイが加わり、奥行きのある案内表示を可能にする。

15分で最大420km分の充電が可能

リヤセクションはセンター部まで伸びるテールライトが、BMWを象徴するL型ライトに水平方向の新解釈を加えた。
リヤセクションはセンター部まで伸びるテールライトが、BMWを象徴するL型ライトに水平方向の新解釈を加えた。

ノイエ クラッセのために開発された第6世代「BMW eDrive」テクノロジーは、先代システムから大幅な進化を遂げ、エネルギーロスを40%、重量を10%、製造コストを20%削減。高電圧バッテリーは第5世代と比較して、セルあたりのエネルギー密度が20%、充電速度は30%も向上したという。

800Vアーキテクチャにより、DC急速充電器「SERA-400」なら15分で最大420km分の充電が可能で、航続距離と充電性能を同時に引き上げる新しいEVアーキテクチャの到達点であり、今後のBMW EVラインアップの基盤となる技術だ。その中心となる技術が、新設計の円筒形セルを用いたセル・トゥ・パック構造である。直径46mm、高さ95mmの円筒セルを床面に敷き詰めることで、エネルギー密度の向上、冷却効率の改善、重量の削減、低重心、剛性アップを同時に実現し、その電力量は109.1kWhに達するという。

駆動方式はAWDで、フロントアクスルにBMW初採用となる誘導モーター(123kW、255Nm)、リヤアクスルには電気励磁交流同期モーター(240kW、435Nm)を配置する。システム最高出力345kW(470PS)、同最大トルク645Nmを発揮し、パフォーマンスは0-100km/h加速4.9秒、最高速度は電子リミッターで210km/hに制限されるという。

今回導入されたiX3のグレードは、標準グレードの「iX3 50 xDrive」と21インチタイヤを装着するなどスポーティな装備が特徴の「iX3 50 xDrive M Sport」の2種。iX3 50 xDriveの航続距離は906km(WLTC)と驚異的だ。906km(M Sport=835km)は国内で販売される電気自動車としては最長(BMW調べ)で、BMWが長年培ってきた走行技術とEV専用アーキテクチャが融合することで初めて到達した領域だと胸を張る。EVに対する根源的な不安、つまり「どのくらい走れるのか」に対する明確な安心材料である。なお両モデルともCEV補助金54万4000円の対象となっている。

制御システム「ハート・オブ・ジョイ」

クロームに代えて照明機能を備えた「アイコニックグロー」が採用され、昼夜を問わず光り輝く個性豊かなアクセントとなる。
クロームに代えて照明機能を備えた「アイコニックグロー」が採用され、昼夜を問わず光り輝く個性豊かなアクセントとなる。

BMWが長年追求してきた“駆けぬける歓び”をEVでどう再現するか? その答えがドライブトレインやドライビングダイナミクスの制御システム「ハート・オブ・ジョイ」である。完全新規開発された高性能コンピューター「スーパーブレイン」に、先駆的なエレクトロニクスやBMWダイナミック・パフォーマンス・コントロールのソフトウェアと組み合わせることで、パワートレイン、ブレーキ、回生システム、ステアリングシステムを統合的にコントロールし、“BMWらしい自然な応答性”を実現したという。

回生ブレーキは停止直前まで摩擦ブレーキを協調させる“ソフトストップ”を採用。同乗者の快適性を大きく高め、コーナリングでは回生ブレーキを含めて車両姿勢を精密に制御することで、俊敏性と安定性を高い次元で両立。回生ブレーキは一般道走行の98%をカバーするという。

ADASも次世代に向けて進化

BMW iX3
BMW iX3

ADASも次の世代に到達した新型iX3は、BMW初となるドアミラーを見るだけでレーンチェンジを承認できる新機能を搭載した。これは“人とシステムの協調”を重視するBMWシンビオティックドライブの思想を象徴するものであり、運転支援がドライバーの操作を妨げるのではなく、自然に寄り添う方向へ進化していることを示す。

2026年11月以降のアップデートで、高速道路において130km/hまでハンズオフ走行が可能となる予定だという。アイズオン、つまりレベル2の枠内ながら、長距離移動の負荷を大きく軽減し、高速道路で過ごす時間の質を高めることが期待される。航続距離が伸びたことで生まれる“長距離移動の新しい体験”を支える重要な技術となる。

iX3はノイエ クラッセという未来の方向性を具体的なプロダクトとして示しつつ、航続距離906km、800V充電、次世代UIそしてBMWらしい走りなど、逆風の吹くBEVがどうあるべきかを提示するモデルである。BMWが次の時代に向けてどのような答えを提示するのか、次に登場する本命サルーン「i3」の登場も期待して見守りたい。

PHOTO/GENROQ

車両本体価格(税込)

BMW iX3 50 xDrive 982万円
BMW iX3 50 xDrive M Sport 1034万円

「ノイエ クラッセ」初の量産フル電動SAV、「BMW iX3」の走行シーン。

航続距離800km超の最新フル電動パワートレイン搭載「BMW iX3」がワールドプレミア【動画】

BMWは、新世代製品群「ノイエ クラッセ(Neue Klasse)」初の量産モデル、フル電動スポーツ・アクティビティ・ビークル「iX3」を、現在ミュンヘンで開催中のIAAモビリティ 2025においてワールドプレミアした。新型iX3は第6世代「BMW eDrive」パワートレインを搭載し、最大航続距離は805km(500マイル)を実現。2025年後半からBMWグループのデブレツェン工場において量産を開始する予定だ。