ホンダ勢がトップ10の8車種を独占!

バイクを購入する際、デザインや性能だけでなく「将来売却するときの価値」を重視するライダーは少なくない。そうした資産価値を数値化した指標として注目されるのが、バイク未来総研が発表する「リセール・プライスランキング」だ。

バイク未来総研は、2026年3月から5月までの中古車流通データをもとに、第57回となる「リセール・プライスランキング」を発表した。今回のランキングではトップ10のうち実に8車種をホンダが占める結果となり、そのブランド力と市場での人気の高さを改めて証明した。

首位にはホンダ「X-ADV」が6期連続で輝き、さらにスーパースポーツモデル「CBR1000RR-R FIREBLADE SP」が初めてトップ10入りを果たすなど、市場のトレンドにも変化が見られる内容となっている。

X-ADVが6期連続首位、市場価値はさらに上昇

今回のランキングで最も注目されたのは、ホンダ「X-ADV」が139.5ポイントを記録し、6期連続で首位を獲得したことだ。

X-ADVはスクーターの扱いやすさとアドベンチャーバイクの走破性を融合させたクロスオーバーモデルとして人気を集めており、市街地での快適性からロングツーリング、さらにはアウトドアまで幅広く対応できる万能性が高く評価されている。

特に注目すべきはリセール価値の伸びで、第55回の113.2ポイント、第56回の127.0ポイントに続き、今回は139.5ポイントまで上昇した。わずか3回のランキングで26ポイント以上も評価を伸ばしており、単に人気を維持しているだけでなく、市場価値そのものが高まり続けていることが分かる。

背景には国内市場での需要だけでなく、海外での人気や為替環境なども影響しているとみられ、中古市場でも高値で取引される状況が続いている。

2位には「CRF1100L Africa Twin Adventure Sports ES DCT」、3位には「NC750X DCT」が入り、トップ3をホンダのクロスオーバー・アドベンチャーモデルが独占する結果となった。

ホンダがトップ10の8車種を独占、CB1000Fも高い人気を維持

今回のランキングではトップ10中8車種がホンダという圧倒的な存在感を見せた。

4位にはネオクラシックロードスポーツ「CB1000F」がランクイン。前回は2位だったものの、95.2ポイントを維持して依然として高い評価を受けている。

発売直後は中古車の流通台数が少なかったことから100ポイントを超えるプレミアム相場となっていたが、時間の経過とともに市場への流通量が増加したことで価格は落ち着きを見せ始めた。それでも高いリセールバリューを維持している点は、CBブランドへの信頼の厚さを物語っている。

さらに2026年8月には「CB400 SUPER FOUR E-Clutch」の発売も予定されており、CBシリーズ全体への注目度がさらに高まることから、CB1000Fの中古市場にも引き続き注目が集まりそうだ。

一方、ホンダ勢以外ではヤマハ「MT-09 SP ABS」が5位、「TRACER9 GT」が10位に入り、高性能スポーツツアラーとしての人気の高さを示した。

CBR1000RR-R FIREBLADE SPが初のトップ10入り

今回のランキングで最も話題となった新顔が、7位に初登場した「CBR1000RR-R FIREBLADE SP」である。

近年のリセールランキングではアドベンチャーモデルやツーリングモデルが上位を占める傾向が続いていたが、今回、ホンダ最高峰スーパースポーツがその流れに割って入った。

CBR1000RR-R FIREBLADE SPは、電子制御オーリンズサスペンションやブレンボ製高性能ブレーキ、Honda初採用となる2モーター式スロットルバイワイヤなど最新技術を惜しみなく投入したフラッグシップモデルだ。

サーキット性能を徹底的に追求しながら、公道でも高いコントロール性を実現していることに加え、「ホンダ最高峰モデルを所有する価値」そのものが市場で評価されていることが、今回のランクインにつながったと考えられる。

また、高価格帯モデルであることから流通台数が限られ、中古市場でも希少性が維持されやすいことも高リセールを支える要因の一つとなっている。

リセールランキングはライダーが求める未来を映す鏡

ランキングを監修するバイク未来総研所長・宮城光氏は、今回の結果について「リセールプライスは単なる中古価格ではなく、市場がどのバイクに未来を感じているかを映し出す鏡」と分析している。

かつては実用性が中古価格を左右する最大の要素と考えられていたが、現在ではブランド力や所有満足度、デザイン性、海外需要など、さまざまな価値がリセール価格に反映される時代となっている。

X-ADVのような万能型クロスオーバーが高い支持を維持する一方で、CBR1000RR-R FIREBLADE SPのような究極のスーパースポーツにも高い評価が集まり始めたことは、市場が多様な価値観を受け入れ始めたことを示している。

また、CB1000Fのように往年の名車を思わせるスタイリングと最新技術を融合したモデルが安定した評価を維持していることからも、ライダーは単なる実用性だけでなく、「所有する喜び」や「ブランドの歴史」にも価値を見いだしていることがうかがえる。

年間約10万台に及ぶ中古バイク取引データをもとに算出されるバイク未来総研のリセールランキングは、中古車相場の指標であると同時に、現在のライダーが何を求め、これからどのようなバイクに価値を感じるのかを示す重要なデータとなっている。今後のランキングで市場のトレンドがどのように変化していくのかにも注目したい。