後席の背後に「光る」ボックススピーカー
今回のモデルは、単に40周年だから復活させたというものではない。近年のレトロブームに加え、イベントなどで過去の商品を展示した際に「懐かしい」「また出さないのか」という声が多く寄せられ、その期待の大きさに応える形で誕生した。
外観は、当時の雰囲気を色濃く残している。四角く無骨なフォルム、グリル周囲のシルバーリング、あえてネジ穴を隠さない造形など、かつてのボックススピーカーらしい力強さを感じさせる。一方で、ブラックパネルやカロッツェリアロゴの処理には現代的な見せ方も盛り込まれており、単なる復刻ではなく、過去と現在のかっこよさを融合させたデザインとなっている。青く輝くイルミネーションも大きな見どころで、点灯時には華やかに、消灯時にはハーフミラーの効果でシルバーのロゴを楽しめるなど、ふたつの表情を持たせている点も面白い。


実は空間オーディオとの相性がグッド!
もちろん、見た目だけの商品ではない。ボックスという限られた容量の中で、音質面にも工夫が込められている。ウーファーは13cm級と大径ではないが、そのぶん奥行きを確保することで低域の駆動力を高め、力強い低音を狙っている。振動板には軽さとしなやかさを併せ持つセルロースファイバーコーンを採用し、中音域の華やかさも追求した。さらに 1.7cmツイーターの上下にバッフル効果を持たせることで、低音の量感や車室内全体を満たすスケール感にも配慮している。
そして、この『TS-X40』が興味深いのは、懐かしさだけではないことだ。リヤの比較的高い位置から音を出せるボックススピーカーは、車室内の上下方向の表現に有利で、空間オーディオとの相性がいい。ドア下部のスピーカーだけでは作りにくい高さ方向の広がりや、包まれるような没入感を補いやすく、全体としてフラットで自然な音場作りにも向いている。
レトロな存在でありながら、現代の空間オーディオを支えるアイテムにもなり得る。『TS-X40』は、一回巡ってこれからのカーオーディオの楽しみ方を広げる可能性を持ったスピーカーとして、現代に復活したのだ。


