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自衛隊新戦力図鑑南西諸島防衛のため拡充される沖縄部隊
11月5日、陸上自衛隊の16式機動戦闘車2両が那覇新港に陸揚げされたのち、大型車両に積載されて那覇駐屯地に搬入される様子を、地元メディアが報じた。これは今年度(2026年度)末に予定されている、在沖縄の陸自部隊「第15旅団」の師団化にともなうものだ。
師団化により、基幹部隊である普通科連隊(いわゆる歩兵連隊)は1個から2個に増え、隊員数は現在の約2300名から3900名まで拡充される。中国の脅威が高まるなか、南西諸島防衛の第一線部隊を強化するものだ。16式機動戦闘車には、防衛の一翼を担うことが期待されている。

「多様な事態」へ対処する車両だった
16式機動戦闘車は2016年度より導入された戦闘車両であり、戦車並みの105mm砲を8輪の装輪車体(タイヤ式車体)に搭載したもので、「装輪戦車」と呼ぶ人もいる。タイヤ式のため、ある程度の距離を自走で移動可能であり、緊急時の展開能力に優れている。また、重量が26トンと戦車よりはるかに軽く、航空自衛隊のC-2輸送機で空輸することも想定されている。

現在でこそ「島嶼防衛用車両」として紹介されることが多い16式だが、本車両が構想された2000年代後半は、冷戦期に想定されていた北海道へのソ連地上軍大規模侵攻という脅威が低下し、ゲリラ・特殊部隊による攻撃や、島嶼部への侵略などの「多様な事態」が脅威として認識されていた時期だった。16式は、重厚長大な戦車・装軌式車両を補完し、さまざまな状況に機動的かつ柔軟に即応できる新たな戦闘車両として生み出された。
一方で、徐々に中国の脅威が高まっていく時期であったことも確かだ。日本の防衛政策の方針を示す「防衛大綱」の2013年策定版では、中国の海洋進出への警戒感が明確に示され、陸自の役割として「島嶼防衛」が大きくクローズアップされている。こうしたなかで、16式機動戦闘車の機動力も「島嶼防衛のため」という役割が重視されるようになった印象だ。

沖縄を越えてフィリピンまで!?
最近では海外での活躍も目立つようになってきた。特に今年2026年4月には、フィリピンで行なわれた米比主体の多国間共同訓練に第12旅団(群馬県相馬原)の16式が派遣された。日本の戦闘車両がフィリピンの地を踏むのは戦後初めてのことである。同訓練ではフィリピン軍の戦闘車両とともに実弾射撃訓練を実施したことが明らかになっている。

日本と同様に中国の強い圧迫を受けているフィリピンは、防衛力の拡大と近代化を急速に進めている。フィリピンの軍事情報サイトは、同国軍が訓練を通じて16式を評価したと伝えており、海外メディアでは導入の可能性も取り沙汰されている。南西諸島どころか、日本からフィリピンに連なる列島線において、16式機動戦闘車が防衛の主力となる日が来るのかもしれない。
