プレスリリース あなたのクルマにもある、メルセデス・ベンツ発祥のリヤドア安全対策 【MFクルマなんでもラウンジ】No.13【写真・16枚目】 さあ、このどこに秘密があるのか? アウターパネルとインナーパネルを相向かいにして接合する。 断面図を見ると、アウター側の周囲(フランジ)を折りかえしていることがわかる。この状態がドアAssy(アッセンブリー)だ。 旧ジムニーのドア。このクルマの場合は窓枠も一体になったプレスドアなので、枠の部分も含めてヘミングされる。 旧ジムニードアのヘム部 この青い楕円の部分が本記事のテーマだ。 うちにある2代目プリウスにご登場願った。 プリウスのボディサイド。なんの変哲もないこの姿に、とある安全対策が織り込まれているのだ。 前後ドアの隣接部分をこのようにエリア分けすると・・・ リヤドアを開けると、前側がフロントドア=最外側より内側に入り込んでいる。 さきの写真を解説すると、青線で示してヒンジの軸心がこの位置にあるため、リヤドア開時にこのようになるのだ。 室内側から。 わが株式会社三栄会議室のドアを引き合いに出そう。 ドア開。 ドア端面にヒンジがある。つまりこのドア端部がそのまま回転軸になる。会議室のドアは衝突のことを考える必要がないからこれでいいのだ。写真は上側。 下側。なお、建築物のドアは室内側に開くのが望ましい。もし外側に開く構造だと、地震などで部屋外に何かが落ちた、狭い廊下の壁が崩れたなどすると外に開かなくなって脱出できなくなるためだ。 前後ドアが隣り合う部分の断面を上から見ると、このような構造になっている。 ベンツヘムがあれば、事故などでのドア変形時でもドアが開く可能性が残される。 このヘムがなければ、衝突形態によってドアの開閉可不可は運次第ということになってしまう。 こちらはスライドドア付きのノア。 開けたら気密性保持のためのウェザーストリップがついていた・・・ 引っ剥がす! ヘム現る。 スライドドアの上から下まで、一直線にベンツヘムが施されていた。 旧型ジムニー。 ボディ側。そもそもリヤドアがないからベンツヘムもへったくれもないのだ。 キャブオーバーバン市場を独占する、われらがトヨタハイエース。 ノアと同じスライドドアでもこちらはただのヘムなのだ。 前後ドアをピラーが分断しているデザインのため、ベンツヘムはない。つまりこのあたりの構造は、2ドアでなくても2ドアと同じなのだ。 この画像の記事を読む