【気になる一台】51PSフルパワー! インドネシア仕様のカワサキNinja ZX-25Rに乗った。

先日国内リリースされたばかりのNinja ZX-25Rにとって、気になる存在が国内仕様より一割以上パワフルなインドネシア本国モデルである。ラム圧加圧時には51psを発揮する。おそらく国内で一般に流通することはないだろうが、じつは並行輸入車がレンタルバイクとして借りられる。モーターファンBIKES取材班は、取り扱いを開始したばかりの「和光2りんかん」に出向き試乗してみた。

REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力●和光2りんかん

※2020年10月27日に掲載した記事を再編集したものです。
価格やカラーバリエーションが現在とは異なる場合があります。

ディテール解説

カワサキNinja ZX-25R
メタフレークの輝きを放つブラックのフロントマスクもまた精悍。デザインは全て共通だが、標準仕様なのでスクリーンはクリアタイプが装着されていた。
カワサキNinja ZX-25R
リムサイドにカラーリボンの無いブラック・ホイールには、ダンロップ製スポーツマックスGPR300を履く。ショーワ製のフロントフォークはφ37mmの倒立式。ディスクブレーキローターはφ310mm、モノブロック対向4ピストン式油圧キャリパーがラジアルマウントされている。
カワサキNinja ZX-25R
搭載エンジンは国内仕様と基本的に共通。圧縮比も同じなので、考えられるのは吸排気系とECUに書き込まれたプログラムが異なるのみだろう。
カワサキNinja ZX-25R
φ30mm4連装のスロットルボディ。フライバイワイヤーによる電子スロットルが採用されている。
カワサキNinja ZX-25R
パワーモードは「フル」と「ロー」の選択が可能。ローパワーを選択すると20%減の穏やかな出力特性になる、白いラインで示されているのがローパワーモードだ。
カワサキNinja ZX-25R
一般論で考えるとマフラーも国内仕様とは異なると思われるが、現時点で正確な情報は把握できていない。
カワサキNinja ZX-25R
プリロード調節機構付きのリヤショックが水平近く前傾されてレイアウト。その後端部分にリンク機構を備えている。
カワサキNinja ZX-25R
ホリゾンタルバックリンク式サスペンションの作動イメージ。ホイールの上下動に対してリンク機構を介す事で、プログレッシブな作動特性が得られる。
カワサキNinja ZX-25R
搭載されているアシスト&スリッパークラッチの概念図。斜めに切られた部分の働きで、クラッチ操作力の軽減と、減速時にクラッチを滑らすことでバックトルクを逃す機能がある。
カワサキNinja ZX-25R
外からわかる明確な違いは、写真(ハブ)の向こう側にあるドリブンスプロケットが、国内仕様の50丁から48丁に小さくなり、ギヤ比が高められている。あくまで机上論だが最高速度は4%ほど伸びる計算になる。
カワサキNinja ZX-25R
ハンドル周りはメーターも含めて国内仕様、そしてSEとも共通。撮影車両にはETCのアンテナとアクセサリー取り付け用のバーが中央に装備されていた。
カワサキNinja ZX-25R
ハンドル左側スイッチ。下から順に、ホーンボタン、プッシュキャンセル式ウインカースイッチ、ディマースイッチ、裏側には人差し指で扱うパッシングスイッチ。そして右側にあるのは下がハザードスイッチ、上がマルチファンクションボタン。これはメーター表示やKTRC、パワーモード、そしてオプションで装着できるクィックシフターの切り替えに使用する。
カワサキNinja ZX-25R
ハンドル右側のスイッチはグレーの上下スライドスイッチが一つ。上にするとエンジンキルスイッチ。中央が標準位置で、下に下げるとエンジン始動用のセルスタータースイッチとして機能する。ちなみにスイッチボックス内にはスロットルセンサーが有り、「磁石等を近づけると影響を与える可能性がある」と取扱説明書には明記されている。
カワサキNinja ZX-25R
基本的に国内仕様と共通と思われるメーター周り。アナログ表示式タコメーターも、レッドゾーンは17,000rpmからで同じ。意外だったのは、走行時に燃料消費の少ない状態である事を知らせてくれるECOマーク表示もある。ギヤポジションの上に点灯するシフトアップインジケーターの点灯タイミングは、5,000〜17,000rpmの範囲で、250rpm刻みに任意設定できる。
カワサキNinja ZX-25R
段付きのダブルシートには、セパレートタイプのクッションを採用。尻の後方がワイドにデザインされた前席は厚みもあって、なかなか座り心地が良い。
カワサキNinja ZX-25R
テールカウル左脇にあるキーロックを解錠するとリヤクッションは簡単に脱着できる。ETC機器も難なく入れられるスペースがある。
カワサキNinja ZX-25R
シュッと細く絞られたスマートなテールエンド。もちろんデザインは国内仕様と共通だが、カラーリングの違いかよりシャープにフィニッシュしている様に見える。

主要諸元

型式:2BK-ZX250E
全長×全幅×全高:1,980mm×750mm×1,110mm
軸間距離:1,380mm
最低地上高:125mm
シート高:785mm
キャスター/トレール:24.2°/99mm
エンジン種類/弁方式:水冷4ストローク並列4気筒/DOHC 4バルブ
総排気量:249.8cm³
内径×行程:50.0mm×31.8mm
圧縮比:11.5:1
最高出力:36.8kW(50PS)/15,500rpm(ラムエア加圧時37.5kW(51PS)/15.500rpm)
最大トルク:22.9N・m(2.3kgf・m)/14,500rpm
始動方式:セルフスターター
点火方式:バッテリ&コイル(トランジスタ点火)
潤滑方式:圧送式ウェットサンプ
エンジンオイル容量:2.9L
燃料供給方式:フューエルインジェクション(φ30mm×4)
トランスミッション形式:常噛6段リターン
クラッチ形式:湿式多板
ギヤ・レシオ:
 1速…2.928(41/14)
 2速…2.055(37/18)
 3速…1.619(34/21)
 4速…1.333(32/24)
 5速…1.153(30/26)
 6速…1.037(28/27)
一次減速比/二次減速比:2.900(87/30)/ 3.429(48/14)
フレーム形式:トレリス
懸架方式(前/後):テレスコピック(倒立・インナーチューブ径φ37mm)/スイングアーム(ホリゾンタルバックリンク)  
ホイールトラベル(前/後):120mm/116mm
タイヤサイズ(前/後):110/70R-17M/C (54H)/ 150/60R-17M/C (66H)
ホイールサイズ(前/後):17M/C×MT3.50/ 17M/C×MT4.50
ブレーキ形式(前/後):シングルディスクφ310mm /シングルディスクφ220mm
ステアリングアングル(左/右):35°/ 35°
車両重量:180kg
使用燃料無鉛:プレミアムガソリン
燃料タンク容量:15L
乗車定員:2名
最小回転半径:2.6m

⚫️試乗後の一言!

カワサキNinja ZX-25R
違いは明らか、でも実用域で感じられる差は僅か。どちらも本当の感想です。

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著者プロフィール

近田 茂 近影

近田 茂

1953年東京生まれ。1976年日本大学法学部卒業、株式会社三栄書房(現・三栄)に入社しモト・ライダー誌の…