2025鈴鹿8耐スズキ参戦発表! サステナブル燃料でエクスペリメンタルクラス挑戦

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スズキが2025年鈴鹿8時間耐久ロードレースの参戦体制を発表。100%サステナブル燃料を採用し、世界王者マッソンと津田拓也がライダーを務める。
スズキ「エクスペリメンタルクラス」に参戦/鈴鹿8時間耐久ロードレース

スズキCNチャレンジが2年連続でエクスペリメンタルクラス参戦

スズキは2025年鈴鹿8時間耐久ロードレースにおいて、昨年に引き続き「チームスズキCNチャレンジ」として実験的クラス「エクスペリメンタルクラス」への参戦を発表した。今回の参戦では、100%サステナブル燃料をはじめとする環境負荷低減を目指したサステナブルアイテムを採用。チームスタッフはスズキ社員で構成し、メーカー一丸となった取り組みを展開する。

参戦車両には2025年仕様の「チームスズキCNチャレンジGSX-R1000R」を投入。ゼッケンナンバーは特別な「#0」が与えられ、エクスペリメンタルクラスでの挑戦に臨む。スズキは耐久レースの厳しい条件下での実走行を通じて環境性能技術の開発を加速させ、環境負荷低減と性能の両立を目指している。

![スズキGSX-R1000Rの鈴鹿8耐参戦車両:ライムグリーンのカラーリングが施された2025年仕様マシン]

世界王者マッソンと津田拓也が確定ライダー

エティエンヌ・マッソン選手のプロフィール

今回のライダー布陣では、現ヨシムラSERT Motulのライダーであるエティエンヌ・マッソン選手が起用される。マッソン選手は2020年と2024年にFIM世界耐久選手権でチャンピオンを獲得した実力者だ。特に昨年の鈴鹿8時間耐久ロードレースでは、チームスズキCNチャレンジのライダーとして8位入賞を果たしており、スズキマシンでの経験も豊富である。

フランス出身のマッソン選手は、世界耐久選手権で培った豊富な経験と安定した走りが持ち味。今回のサステナブル燃料を使用した特別仕様車での挑戦でも、その実力を発揮することが期待される。

エティエンヌ・マッソン 選手

「チームスズキCNチャレンジ」チーム/エティエンヌ・マッソン 選手 Etienne Masson(フランス)

津田拓也選手の豊富な鈴鹿経験

もうひとりの確定ライダーは津田拓也選手。過去にスズキMotoGPのテストライダーを務めた経験を持ち、現在はスズキCNチャレンジの開発ライダーとして活動している。津田選手の鈴鹿8時間耐久ロードレースでの実績は輝かしく、2013年と2014年に2位、2016年には3位表彰台を獲得している。

また、2016年には全日本ロードレースJSB1000クラスで年間2位を記録するなど、国内レースでも高い実力を誇る。スズキマシンの特性を熟知した津田選手の参戦は、チームにとって大きな戦力となるだろう。

津田 拓也 選手 Takuya Tsuda(日本)

「チームスズキCNチャレンジ」チーム/津田 拓也 選手 Takuya Tsuda(日本)

3名体制での参戦予定、残り1名は後日発表

スズキは今回、3名体制での参戦を予定している。マッソン選手と津田選手の2名は確定しているが、残り1名のライダーについては現在調整中だ。決定次第、スズキ公式ホームページで発表される予定となっている。

3名体制は8時間という長丁場のレースにおいて、ライダーの負担軽減と安定したペース維持に有効な戦略だ。特に今回はサステナブル燃料という新たな要素もあるため、データ収集の観点からも複数ライダーでの検証が重要となる。

環境技術開発の実証実験としての意義

100%サステナブル燃料の採用

今回スズキが採用する100%サステナブル燃料は、EU公認の認証機関により適用されるマスバランスシステムに基づき認証された製品だ。この燃料の使用により、従来の化石燃料と比較して大幅なCO2削減効果が期待される。

レース活動を通じて得られる燃料性能データは、今後のスズキ製品開発において貴重な技術フィードバックとなる。実際のレース環境での検証により、市販車への技術応用も視野に入れた開発が進められる予定だ。

チーム体制とマネージメント

チームディレクターには佐原伸一氏、テクニカルマネージャーには田村耕二氏、クルーチーフには今野岳氏が就任。スズキ社員で構成されたチームスタッフが一丸となって、環境性能技術の開発と競技での結果を両立させる挑戦に臨む。

この社員参加型の体制により、開発現場と競技現場の連携を密にし、より効率的な技術開発を目指している。レースで得られたデータは直接開発部門にフィードバックされ、今後の製品改良に活かされる仕組みだ。

スズキの挑戦は単なるレース参戦にとどまらず、持続可能なモータースポーツの未来を切り開く重要な取り組みといえる。8月の鈴鹿8時間耐久ロードレースでの成果に注目が集まっている。

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