積載に不向きなバイクでキャンプに行きたいなら! タナックスのサイドバッグが便利すぎた。

マニアックな趣味であったキャンプツーリングが一般化し、それと同時に売り上げを伸ばしているのがサイドバッグだ。スーパースポーツなどシートカウルがコンパクトな機種が多くなったことも販売増の一因と言われている。前回のシートバッグ編に続き、サイドバッグの取り付け方やコツについてもタナックスに聞いてみた。

REPORT&PHOTO●大屋雄一(OYA Yuichi)
取材協力●タナックス株式会社(https://www.tanax.co.jp/motorcycle/)

サイドバッグはあくまでもシートバッグのサブ的な立ち位置だ

モトフィズのサイドバッグで最も大容量なのがこのマルチフィットサイドバッグLだ。車体に接触する面がネオプレン素材になっており、テールカウルが側方に張り出したデザインでも包み込むようにフィットする。マチを開くことで片側の容量が19ℓから28ℓへと拡大。価格は22,000円。

拡張するとこれだけのキャンプ用品が入るという例。ハイバックチェア、焚き火台、難燃パーカー、エアマット、タープ、バーナー、ランタンなどなど。最初に大物を入れ、その隙間に小物を詰め込んでいくのが収納のコツだ。なお、最大収納重量(片側7kg)を超えないように注意を。

「ここ最近、サイドバッグの売り上げが伸びているのは事実です。でも、我が社のボリュームとしてはシートバッグが7割、サイドバッグが2割、タンクバッグが1割というイメージで、サイドバッグはあくまでもシートバッグのサブ的な存在ですね」
〝モトフィズ〟ブランドを展開するタナックスの営業部長、重田真利さんはサイドバッグの売れ行きが好調な要因について次のように分析する。
「間違いなくキャンプツーリングブームのおかげですね。ひと昔前まではマニアックな趣味だったんですけど、昨今のブームによって一般ライダーも興味を示すようになった。でも、キャンプ用品をいきなりウルトラライト系で揃えるとかなりの金額になるので、そこそこのものをホームセンターなどで買う。すると、どうしても収納サイズが大きくなるので、シートバッグに収まりきらない。じゃあ、どうするかということでサイドバッグが選ばれているようです」

売れ行き好調というモトフィズのツアーシェルケース2。ハードケース付きのバイクが集合住宅の駐輪場に置けないというスタッフの声が開発のきっかけに。ポリカーボネートのシェルを持ち、防滴インナーポーチを付属する。価格は36,300円~。
ツアーシェルケース2をキャンプテーブルに変身させるオプション品もラインナップ。アルミ製で、積載ベルトの取り付けバックルに差し込むだけ。専用収納袋付きで、ツアーシェルケースにぴったり入るのもポイントだ。価格は4,290円。

スーパースポーツ向けのカービングシェルケースを装着する

2020年10月に発売されたモトフィズのカービングシェルケースは、昨今のスポーティな機種のコンパクトなテールカウルにも無理なく装着できるのが特徴だ。カラーは写真のブラックのほかにカーボン柄とヘアラインシルバーを用意。価格は37,400円だ。
まず最初に、タンデムシート(またはシングルシートカウル)にイージーベーススリムを装着する。ベルトで巻き付けるだけなので工具は不要だ。
巻き付けたらタンデムシートを元の位置に戻す。このベース、座面の小さなタンデムシートにも合うように、ツアーシェルケース2などに付属するイージーベースよりもスリムに設計されている。
イージーベースにバッグを接続したら前側を固定する。タンデムステップステーやシートレールなどに固定ベルトを巻き付け、前後左右のテンションが均等になるように調整する。
後ろ側は左右のバッグをコネクションベルトでつなぐ。これによって固定ベルトを後方へ引く必要がなくなった。テールランプを隠さないデザインを採用している点にも注目を。
正しく装着できると、タンデムシートと同一面に広大な積載スペースが誕生する。なお、カービングシェルケースの容量は片側16ℓで、防滴インナーポーチを付属する。
キャンピングシートバッグ2を追加するとこんなビジュアルに。最大積載量は合計で107ℓ(!)なので、スーパースポーツでもキャンプツーリングは可能だ。
キャンピングシートバッグ2のみの状態。正しく装着できればこれでも全く問題ないのだが、左の方がバランスが良く見える上に安定性が高い。

スイングアームにナンバープレートがマウントされている機種や、フェンダーレスキットを取り付けたバイクでも、このカービングシェルケースなら装着可能だ。このように、売れ筋のバイクの変化に合わせて設計を見直したり、新製品を投入するなどして高い汎用性を維持し続けているのがモトフィズの強みであり、キャンプツーリングを始めたいと思っているライダーにとっては心強い味方なのだ。

延長フラップというニッチなオプションパーツも用意

ツーリングセローにツアーシェルケース2を装着しようとすると、標準装着のアドベンチャーリアキャリアの幅が広いため、サイドバッグフラップがギリギリ届かないという事態に。
それを解消するために2020年10月に発売されたニッチなアイテムがこの延長フラップだ。モトフィズの現行サイドバッグの多くに対応し、これがあるだけで安定性が大幅にアップする。

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