目次
ASTON MARTIN VANTAGE
×
MERCEDES-AMG GT COUPE
ひと回り大きなGTクーペは4人乗りも可能
英国を代表するピュアスポーツカー「アストンマーティン ヴァンテージ」、今やメルセデスのアイコン的スポーツカーとなった「メルセデスAMG GTクーペ」。どちらもクーペらしいワイド＆ローを強調する優美なスタイルが特徴だ。両車とも基本2シーターだが、全長が200mmほど長く全高も高いGTクーペには、4人乗車が可能になる可倒式＋2シートがオプションで用意されている。
車体重量に大きな差があるのはGTクーペの駆動方式がAWDであるうえ、アクティブスタビライザーや四輪操舵システムなど、おもに足まわりに複雑な機構が備わるためだろう。なお、下のヴァンテージのスペックは乾燥重量であるため、これにオイルや燃料などの重量が加算されることになる。両車の実質的な重量差は200kg程度といったところか。
アストンマーティン ヴァンテージ
ボディサイズ＝全長4495mm×全幅1980mm×全高1275mm
ホイールベース＝2705mm
車両重量＝1605kg（乾燥重量）
タイヤサイズ＝275/35ZR21（前）325/30ZR21（後）
メルセデスAMG GT 63 4MATIC＋ クーペ
ボディサイズ＝全長4730mm×全幅1985mm×全高1355mm
ホイールベース＝2700mm
車両重量＝1940kg
タイヤサイズ＝295/30R21（前）305/30R21（後）
同じAMG製V8エンジンを搭載するが、それ以外は大きく異なる
両車には同系統のAMG製V型8気筒直噴ツインターボエンジンが搭載されるが、チューニングの違いでヴァンテージのほうが80PSほど高出力となっている。
しかし公表されている0-100km/h加速タイムを比べると、ヴァンテージの3.5秒に対し、GTクーペのほうが3.2秒と速い。その理由はGTクーペがAWDであることに加え、トランスミッションにはよりダイレクトな動力伝達を可能とする湿式多板クラッチが採用されるためと言えよう。
あらゆる状況で電子デバイスの恩恵が受けられるGTクーペのほうが、総合的な走行性能は高いと言えそうだ。しかし、より軽快で自然なハンドリングが楽しめるのはヴァンテージのほうだろう。
アストンマーティン ヴァンテージ
エンジン形式＝V型8気筒ガソリンツインターボエンジン
排気量＝3982cc
最高出力＝665PS/6000rpm
最大トルク＝800Nm/2000-5000rpm
トランスミッション＝8速AT
駆動方式＝RWD
メルセデスAMG GT 63 4MATIC＋ クーペ
エンジン形式＝V型8気筒ガソリンツインターボエンジン
排気量＝3982cc
最高出力＝585PS/5500-6500rpm
最大トルク＝800Nm/2500-5000rpm
トランスミッション＝9速AT
駆動方式＝AWD
決め手となるのは「価格やスペック」よりも「どちらが好きか」
車両本体価格はGTクーペの方が高いが、その差はわずか60万円だ。GTクーペの4人乗りオプションは26万2000円で追加できるものの、ご想像のとおり広くはないため、おまけ程度に考えるのがよいだろう。
両車のディメンションや搭載エンジンはほとんど同じであるため、駆動方式や内外装、装備などの違いが比較のポイントとなる。しかし、どちらも最新最高のスペックを持った魅力的なクーペであることは間違いなく、この2台に明確な優劣はつけられない。決め手は「どちらが好きか」の一点に集約されるだろう。
