フォルクスワーゲン6番目のフルEV「ID.7」は航続距離700kmを確保

フォルクスワーゲン初のBEVサルーン「ID.7」プロトタイプが初公開【CES 2023】【動画】

新型フル電動サルーン「フォルクスワーゲン ID.7」の走行シーン。
特殊なカモフラージュペイントを纏って、CES 2023で公開された新型電動セダン「フォルクスワーゲン ID.7」。
フォルクスワーゲンは、1月5〜8日にアメリカ・ラスベガスで開催されている「CES 2023(Consumer Electronics Show 2023)」において、フル電動サルーン「ID.7」のプロトタイプを公開した。ID.シリーズ6番目のモデルとして開発されたID.7は、最大航続距離700kmを確保。2023年春にもワールドプレミアされ、中国・欧州・北米の3大マーケットに投入される。

Volkswagen ID.7

「ID. AERO」が市販仕様へと進化

新型フル電動サルーン「フォルクスワーゲン ID.7」のエクステリア。
2022年7月に中国で公開されたコンセプトモデルの「ID. AERO」が、市販仕様の「ID.7」へと進化した。フォルクスワーゲンにとっては、初の電動セダンとなる。

アメリカ・ネバダ州ラスベガスを舞台に毎年1月に開催される、世界最大規模の電子機器見本市「CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー) 」において、フォルクスワーゲン・グループ・オブ・アメリカは、フォルクスワーゲン初のフル電動セダン「ID.7」を公開した。

特殊なカモフラージュペイントを纏って発表されたID.7 プロトタイプは、2022年7月にコンセプトモデルの「ID. AERO」として中国で初公開。フォルクスワーゲン・グループが誇る電動アーキテクチャ「MEB(モジュラー・エレクトリック・ドライブ マトリックス)」をベースに開発され、空力を意識したフォルムにより最大航続距離700kmが確保されている。

ID.7は、着々とラインアップを拡充するID.ファミリーのフラッグシップサルーンとして、2023年春に正式デビューを予定。欧州市場向けのID.7は、フォルクスワーゲンのドイツ・エムデン工場で生産される。フォルクスワーゲン・パッセンジャーカー担当CEOのトーマス・シェーファーは、ID.7について次のようにコメントした。

「新型ID.7によって、私たちは電動モデルレンジを上位セグメントへと拡大します。この美しいセダンは、トップクラスのテクノロジーと品質が確保されています。ID.7は私たちが2026年までに発売を予定している10車種のEVのうちのひとつ。私たちの目標はすべてのセグメントにおいて、お客様に適した製品をお届けすることにあるのです」

発光する特殊なカモフラージュペイント

新型フル電動サルーン「フォルクスワーゲン ID.7」のエクステリア。
CES 2023で公開されたID.7プロトタイプは、ペイント自体がQRコードとなり、それ自体が発光する特殊なカモフラージュペイントが施されている。

ID.7プロトタイプは、その最終的なフォルムを隠すべく、特殊なカモフラージュペイントを纏ってCESへと持ち込まれた。このユニークなボディカラーはデジタルデザインが特徴となり、ID.7がインタラクティブにライトアップする。

この特殊なカモフラージュペイントは40層もの塗料が塗られており、その中には導電性の塗料と絶縁性の塗料が存在。合計22のエリアを個別に制御可能で、最上層の塗装の下に電気を流すことで、美しい光のパターンを展開する。これをサウンドシステムと連動させ、個々のエリアが発光することで、リズムが視覚化されるという。

さらにボンネットとボディサイドにデザインされたQRコードを読み込むことで、現実世界とデジタルの世界がリンクする。

インテリジェントな空調システムを導入

ID.7は新たなディスプレイコンセプトを採用。新設計のインテリジェントな空調システム「スマートエアベント」により、快適な室内環境が実現した。
ID.7は新たなディスプレイコンセプトを採用。新設計のインテリジェントな空調システム「スマートエアベント」により、快適な室内環境が実現した。

ID.7はMEB(モジュラー・エレクトリック・ドライブ マトリックス)をベースに開発された最新フル電動モデル。カスタマーから寄せられた要望に応え、ユーザーエクスペリエンスを大幅に向上させたとフォルクスワーゲンは胸を張る。

インテリアには新たなディスプレイコンセプトを導入。新開発の拡張現実型ヘッドアップディスプレイ、38cm(15インチ)フルサイズスクリーン、インフォテインメント・システムに統合された空調コントロール、イルミネーテッド・タッチスライダーなどが採用されている。

インテリジェントなベンチレーションを持つ新たなエアコンは、様々な新機能を搭載。新設計の「スマートエアベント」は、空気の流れをコントロールし、ダイナミックに可動することで、広い面積にすばやく適切な温度の空気を行き渡らせる。また、ドライバーが近づいたことをキーに基づいて検知し、夏の暑い日にはドライバーが乗り込む前に車内を冷やし、寒い日には車内を暖め始めることもできるという。

これらの機能は、ユーザーごとに個別に起動・保存することも可能。また、音声コマンドで空調を起動することもでき、例えばユーザーが「ハロー、フォルクスワーゲン、手が冷たい!」と言うと、ID.7はステアリングホイールのヒーター機能をオンにし、同時にベンチレーションから温風が手へと向けられる。

フォルクスワーゲン ID.7を動画でチェック! 

今回デザインスケッチが公開された「フォルクスワーゲン ID.3」改良新型。より進化したデザインを実現したと、フォルクスワーゲンは胸を張る。

非公開: 50万台販売したフォルクスワーゲン製コンパクトBEV「ID.3」の改良新型モデルのデザインスケッチが公開

フォルクスワーゲンは、2023年春に初のフェイスリフトを予定している、フル電動コンパクトハッチバック「ID.3」のデザインスケッチを公開した。すでにドイツにおいては、改良新型のオーダーがスタートしている。

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ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…