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Mercedes-Benz C111
昨年に続き貴重なヒストリック・メルセデスが登場
メルセデス・ベンツのヒストリックカー部門「メルセデス・ベンツ・クラシック」は、雪と氷に覆われたサンモリッツ湖を舞台に開催されるイベント「I.C.E.サンモリッツ」に今年も参加を決めた。2023年は「300 SLS」、ガルウイングを持つコンセプトカー「メルセデス・ベンツ C111」、ラグジュアリーなリムジン「メルセデス・ベンツ 600」などが登場している。
I.C.E.サンモリッツの起源は、1980年代半ばにまで遡る。当時、英国のベントレーファンが、雪に覆われたサンモリッツ湖に毎年設置される競馬用トラックをクラシックカーで1周。厚さ50cmの凍結湖が、ヒストリックカーにとって壮観な舞台であることが証明された。2019年にデモンストレーションランが行われるようになり、2022年からは現在の形でコンクールデレガンスが開催されている。
イベント名の「I.C.E.」は「インターナショナル・コンクール・オブ・エレガンス(International Concours of Elegance)」の略。また、3つの頭文字は、会場となる氷上コースも意味している。今回のI.C.E.サンモリッツにメルセデス・ベンツ・クラシックは、4台の貴重なヒストリックモデルを持ち込むことを決めた。
スパ24時間レース100周年を記念した2台
メルセデス・ベンツ・クラシックが今年のサンモリッツに持ち込むのは、1963年製「300 SE サルーン(W112)」と、1971年製「300 SEL 6.8 AMG レーシングツーリングカー(W109)」の2台。ラグジュアリーサルーンベースの貴重なレーシングカー2台が氷上に揃うことになった。
300 SE サルーンは、1964年7月25〜26日に開催されたスパ・フランコルシャン24時間レースにおいて、ロベール・クレビッツ/ギュスターヴ・ゴセラン組が総合優勝を果たした「102」号車。メルセデス・ベンツ・クラシックは、1924年に開始されたスパ・フランコルシャン24時間の100周年を記念し、この300 SE サルーンの参加を決めた。
300 SEL 6.8 AMG レーシングツーリングカーは、1971年のスパ・フランコルシャン24時間レースにおいて、ハンス・ハイヤー/クレメンス・シッケンタンツ組が総合2位とクラス優勝を達成。このスパ24時間での成功により、AMGは一躍世間の注目を集めることになった。どちらの車両も23日のコンクールデレガンスに加えて、24日のデモランにも登場する。
300 SL ロードスターは購入も可能
1960年製「メルセデス・ベンツ 300 カブリオレD(W189)」と、1958年製「メルセデス・ベンツ 300 SL ロードスター(W198)もサンモリッツでの特別展示が決定。300 カブリオレDは、両日ともイベントパビリオン前で公開される。
300 SL ロードスターは、グランドホテル・デ・バン・ケンピンスキー・サンモリッツに展示。メルセデス・ベンツ・クラシックのスペシャリストによって工場出荷時の水準にレストアされており、メルセデス・ベンツ・クラシック・ビークル事業部門から購入することも可能だ。