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PEUGEOT 508
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BMW 3 SERIES
駆動方式は違うがボディサイズが近い
ボディサイズは「プジョー 508」のほうが「BMW 3シリーズ」よりもわずかに大きい程度ものの、どちらもDセグメントセダンとしては標準的な数値である。全長は330eのほうが50mm短いが、ホイールベースは反対に50mm長い。とはいえ、後席の居住性に関して両車に大きな差はないと言っていい。
ただしFRの330eは、FFの508に比べてキャビンスペースが後ろ寄りになっている。ドライバーの着座位置も車体中央寄りになることで、コーナリング時の印象は大きく異なるだろう。2台の重量差はわずかな数値に収まっている。マイナーチェンジ前のガソリンエンジンモデル同士を比較しても、この重量差は変わらないことから、プラグインハイブリッドシステム自体の重量に大きな違いはなさそうだ。
プジョー 508 GT ハイブリッド
ボディサイズ=全長4770mm×全幅1860mm×全高1420mm
ホイールベース=2800mm
車両重量=1790kg
タイヤサイズ=235/45ZR18
BMW 330e Mスポーツ
ボディサイズ=全長4720mm×全幅1825mm×全高1445mm
ホイールベース=2850mm
車両重量=1820kg
タイヤサイズ=前225/45R18、後255/40R18
同じPHEVでもパワートレインの性格は大きく異なる
1.6リッターエンジンを搭載する508に対し、330eは2.0リッターエンジンを搭載するが、おもにモーターを使って走行するPHEVなら日常的な運転で大きな違いは感じられないだろう。EV走行時の航続距離は508が66km、330eが56.4kmと10kmほど差がある。ただし、これも決定的といえるほどの違いとはならない。
ただしPHEVとしての性格はずいぶんと異なる。エンジン排気量は330eのほうが大きいが、搭載されるモーターの最大トルクは508のほうが大きく、低い回転数からより大きなトルクが出せる。
508がよりモーター走行に主眼を置いたPHEVだとすれば、330eはエンジンとモーターを協調させるキャラクターを持つPHEVといえそうだ。駆動方式の違いもさることながら、PHEVに対するメーカーの姿勢がそれぞれのパワートレインに反映されている。
プジョー 508 GT ハイブリッド
エンジン形式=直列4気筒ガソリンターボエンジン+モーター
排気量=1598cc
最高出力=180PS/6000rpm
最大トルク=300Nm/3000rpm
トランスミッション=8速AT
駆動方式=FWD
BMW 330e Mスポーツ
エンジン形式=直列4気筒ガソリンターボエンジン+モーター
排気量=1998cc
最高出力=184PS/5000rpm
最大トルク=300Nm/1350-4000rpm
トランスミッション=8速AT
駆動方式=RWD
スペックや価格に大きな違いはない
車両価格は508のほうが7万円ほど安い。ただし、2024年4月2日現在のCEV補助金交付額は508が45万円であるのに対し、330eは55万円となっている。つまり、補助金を加味すると508のほうが3万円ほど高くなってしまう逆転現象が起こるが、その差額はわずかだ。
両車の決定的な違いを挙げるとすれば、グレードラインナップといえるだろう。マイナーチェンジでPHEVモデルに一本化されてしまった508に対して、3シリーズは330e以外にもガソリンモデルやディーゼルモデルが選べる。用途に合ったクルマが選びやすいのは3シリーズのほうだ。
ただしPHEVモデルに関しては各スペックから価格まで、申し合わせたかのように違いが少ない。508と330eは単純なスペックではなく駆動方式や内外装、ブランドなど好みで選ぶのがよいだろう。