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ADAC RAVENOL 24h Nürburgring
日本勢も多数参戦
昨年23万5000人ものファンが集った一大フェスティバル「ニュルブルクリンク24時間レース」が、5月30日~6月2日に開催される。今年は130台のエントリーが集まり、WEC(世界耐久選手権)のハイパーカークラスに参戦するドライバーや元F1ドライバーのティモ・グロック、元DTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)で2度のシリーズチャンピオンを誇るティモ・シャイダー、元インディドライバーで下半身不随のロベルト・ウィケンスら、世界を舞台に活躍するトップドライバーとアマチュアドライバー達がニュルを舞台にその腕を競う。
また、SP9クラス(GT3)今年は初の試みとしてインターナショナルGTチャレンジの1戦にも組み込まれ、ニュルでのポイント獲得は、シリーズチャンピオンを目指す上で重要なレースでもある。
2008年に始まったSTI(スバルテクニカインターナショナル)による「STI NBR CHALLENGE」の発足当初から16年もの間、総監督としてチームを率いた辰己英治氏が、今年の大会を持って勇退を発表。その辰己監督のラストレースをクラス優勝で有終の美を飾るべく、チーム一丸となって挑む。本来ならばスバルの実力派ワークスドライバーの井口卓人と山内英輝がニュル24時間レース用に開発された「WRX」をドライブする予定だったが、スーパーGTの鈴鹿戦とバッティングする事から、カルロ・ヴァン・ダムとティム・シュリックのベテランコンビに加え、佐々木孝太と久保凛太郎が井口と山内の代わりを務め、88号車のWRXで参戦する。また171号車のTOYO TIRES with Ring Racingからニュルマイスターこと木下隆之が「トヨタGR スープラGT4 EVO」で参戦する他、日本人のアマチュアドライバーらも挑戦する。
今年モータースポーツ130周年を迎えるメルセデス
ニュル24時間レースといえば、グランプリコースとノルドシュライフェを含めた全長25.378kmを囲むようにキャンプをしながらの観戦が人気で、ドライバーたちにもそのバーベキューの美味しそうな匂いのする煙がコクピットの中まで届くことでも有名だ。またDIY好きのドイツ人らしく、ファンらが工夫を凝らしたお手製の観戦スタンドやキャンプファイヤーをキャンプ場に作り、雰囲気を盛り上げる様子もニュルの名物となっている。
ヨーロッパ三大24時間レースは、どれもその国独特のキャラクターを持っている。その雰囲気を楽しむために毎年家族や仲間、そしてソロで数多くの人々が世界各国から観戦に訪れる。その三大24時間レースをはしごするファンも少なくはない。一方で、メルセデスは今年モータースポーツ130周年を迎える事から、ワークスドライバーのマロ・エンゲルらが駆るGetSpeedの「メルセデスAMG GT3」が記念すべきゼッケン130を掲げて参戦する。
今秋ワールドプレミアを予定している新型「MINI ジョン クーパー ワークス プロ」も世界一過酷なレースへ挑戦する。1964年にラリーモンテカルロで歴史的な勝利を挙げた際に使用していたカーナンバー37にオマージュを込めて、ゼッケン317を掲げて世界各国のサーキットのコースレイアウトをモチーフしたカモフラージュのラッピングを施して参戦する。今までにもニュルでは公式発表前や発売前の車両が参戦する事もあり、話題を呼んだが、久々にそのようなクルマがニュルへ登場するとあり、期待が高まる。ドライバーラインアップには、ジョン・クーパー氏の孫にあたるチャールズ・クーパーら4名がステアリングを握る。
開発テストで走り込んだメーカーとサプライヤーが
トッププロが駆るGT3マシンから、「ダチア ロガン」や「フォルクスワーゲン ニュービートル」まで、23のクラスに区分けされた130台もの様々な車種が混走するところが最大の見どころであると共に、特にアウディ、BMW、メルセデス・ベンツ(AMG)のドイツ御三家とポルシェ、またタイヤやホイール、サスペンション等多岐に渡るサプライヤーにとっても、このノルドシュライフェを日々の開発テストで走り込んでいるだけに、ブランドの名を懸けたポテンシャルの証でもあるだけに、このニュルで頂点に立つ事がどれだけ厳しく、そして重要な事なのかを物語るレースでもあるのだ。
第52回ニュルブルクリンク24時間レースは6月1日(土)現地時間16時(日本時間23時)にスタートする。
オフィシャルウェブサイト:https://www.24h-rennen.de/en/home/
ライブストリーム:https://www.24h-rennen.de/en/live-en/