ゼンヴォ・オートモーティブがデンマークの空力企業「エアロタック」と共同開発

空力バランスを追求する「ゼンヴォ オーロラ」が目指す究極のエアロはF1マシン【動画】

ゼンヴォ・オートモーティブは、エアロタック社と共同で行った「オーロラ」のエアロダイナミクスモデルを公開した。
ゼンヴォ・オートモーティブは、エアロタック社と共同で行った「オーロラ」のエアロダイナミクスモデルを公開した。
デンマークを拠点とするゼンヴォ・オートモーティブ(Zenvo Automotive)は、同社が開発を進めるハイブリッドハイパースポーツ「オーロラ」のエアロダイナミクスモデルを公開した。数値流体力学(CFD)を用いたオーロラの空力開発は、デンマークのエアロタック(Aerotak)社と共同で行われている。

Zenvo Aurora Agil

共同で進められたオーロラの空力開発

高度なエアロダイナミクスレベルが求められたハイブリッドハイパースポーツ「オーロラ」の開発に際し、ゼンヴォは同じデンマークのスペシャリスト「エアロタック」の協力を仰いだ。写真はオーロラ トゥール(左)と、オーロラ アジル(右)。
高度なエアロダイナミクスレベルが求められたハイブリッドハイパースポーツ「オーロラ」の開発に際し、ゼンヴォは同じデンマークのスペシャリスト「エアロタック」の協力を仰いだ。写真はオーロラ トゥール(左)と、オーロラ アジル(右)。

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2017年、デンマークを拠点に設立されたエアロタックは、オーロラ・プロジェクト以前から、空力スペシャリストしてゼンヴォに協力。今回、より高度なシミュレーションプロセスが導入されることになった。

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高度なエアロダイナミクスレベルが求められたハイブリッドハイパースポーツ「オーロラ」の開発に際し、ゼンヴォは同じデンマークのスペシャリスト「エアロタック」の協力を仰いだ。写真はオーロラ トゥール(左)と、オーロラ アジル(右)。

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2種類のスペックを持つハイブリッドハイパースポーツ「オーロラ」。サーキット重視のオーロラ アジル(手前)と、エレガントな、オーロラ トゥール(奥)。

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美しいデザインと、ダウンフォース重視のエアロダイナミクスをいかに高いレベルでバランスさせるかが、開発における大きなテーマとなった。そんな中で、彼らが理想としたのがF1マシンだったという。写真はデザイン重視のオーロラ トゥール。

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美しいデザインと、ダウンフォース重視のエアロダイナミクスをいかに高いレベルでバランスさせるかが、開発における大きなテーマとなった。そんな中で、彼らが理想としたのがF1マシンだったという。写真はダウンフォース重視のオーロラ アジル。

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ゼンヴォ・オートモーティブは、エアロタック社と共同で行った「オーロラ」のエアロダイナミクスモデルを公開した。

ゼンヴォ・オートモーティブが開発を続けるハイブリッドスーパースポーツ「オーロラ」は、レーシングカーを思わせるスタイルを持つ「アジル(Agil)」と、美しくエレガントな「トゥール(Tur)」をラインナップし、各限定50台製造。6.6リッターV型12気筒クワッドターボエンジンに、202PSの出力を持つ電気モーターを組み合わせ、1875PSという強大な最高システム出力を実現した。

オーロラの開発において掲げられたコンセプトが、「究極の均衡(Equilibrium of extremes)」。最高速、パワー、スタイリングのいずれかを追求し、妥協するのではなく、それぞれのパラメーターをバランスよくブレンドすることで、各コンポーネントを最適化するよう開発が進められた。このプロセスにおける重要な課題が、アグレッシブかつエレガントなスタイリングを維持しながら、ハンドリングとドライビングの楽しさを損なわないようにすることだったという。

この難しい課題をゼンヴォと共に取り組んだのが、デンマークを拠点とするエアロダイナミクス専門企業「エアロタック」だ。エアロタックは2017年に設立され、「TS1 GT」「TSR」「TSR-S」プログラムにおいてゼンヴォに貴重な知見を提供。オーロラの開発では、シミュレーションモデル「エアロ・アーキテクチャー(aero-architecture)」を制作した。

エアロタックの高度なシミュレーション技術

2017年、デンマークを拠点に設立されたエアロタックは、オーロラ・プロジェクト以前から、空力スペシャリストしてゼンヴォに協力。今回、より高度なシミュレーションプロセスが導入されることになった。
2017年、デンマークを拠点に設立されたエアロタックは、オーロラ・プロジェクト以前から、空力スペシャリストしてゼンヴォに協力。今回、より高度なシミュレーションプロセスが導入されることになった。

エアロ・アーキテクチャーと、空力の性能ターゲットが決定すると、エアロタックはシミュレーションを実施。様々な設計変更に対する影響を調べ、ゼンヴォへとフィードバックした。これにより、アジルとトゥールという2つのモデルのエアロダイナミクスを最適化し、それぞれに個別のアップデートを行うことが可能になった。

詳細なシミュレーションプログラムの一環として、エアロタックは設計開発全体を通して、シミュレーションの完全なエアフローマップとX線画像処理も行った。オーロラの走行時に想定されるあらゆるシナリオにおいて、精度の高いレポートをゼンヴォへと提供。例えば、強風や雨、アップダウンや急カーブなどの環境下で、オーロラが想定されたパフォーマンスを発揮することを保証している。

エアロタックの共同創業者であり、数値流体力学のスペシャリストでもあるキャスパー・ダンケアは、ゼンヴォとの共同作業について次のように振り返った。

「エアロタックにとって、ゼンヴォのデザインチームとのコラボレーションは最高の経験になりました。私たちからのフィードバックに耳を傾けるだけでなく、彼らはエアロタック自体を深く理解しようとしてくれたのです。私たちがどのようなバックグラウンドを持ち、そのプロセスを理解しようとする姿勢は、私たちにとって大きなモチベーションとなりました」

「私たちが提供する様々なデータやフィードバックは、ゼンヴォが手がけたデザインを視覚的に検証するだけでなく、オーロラ・プロジェクトとその将来のオーナーに最高のパフォーマンスを保証することになったのです」

F1マシンをイメージしたエアロダイナミクス

美しいデザインと、ダウンフォース重視のエアロダイナミクスをいかに高いレベルでバランスさせるかが、開発における大きなテーマとなった。そんな中で、彼らが理想としたのがF1マシンだったという。写真はダウンフォース重視のオーロラ アジル。
美しいデザインと、ダウンフォース重視のエアロダイナミクスをいかに高いレベルでバランスさせるかが、開発における大きなテーマとなった。そんな中、彼らが理想としたのがF1マシンだった。写真はダウンフォース重視のオーロラ アジル。

ゼンヴォのデザイン部門は、オーロラ・プログラムに対して明確な野心を持っていた。それは、すでにマーケットに存在している平均的なハイパーカーをデザインするのではなく、伝統的な自動車デザインの「型」を打ち破り、「機能に従ったフォルム」という、デンマーク固有のデザイン哲学に根ざしたユニークな1台を作り出すということ。

ゼンヴォ・オートモーティブのデザインディレクターを務めるクリスチャン・ブランディットは、次のようにオーロラのデザイン過程を説明する。

「オーロラをデザインすることは非常に興味深く、また挑戦的なプロセスとなりました。特にサーキット走行向けに開発されたハイダウンフォース仕様の『アジル』は、新たな課題をデザインチームへと突きつけることになりました。今回、エアロタックと緊密に協力することで、このプロセスを合理化し、単純化することができました」

「F1マシンが、あのようなフォルムであるのには理由があります。ダウンフォースレベルを最適化したことで、あのような形状に行きついたのです。オーロラの開発を進めるなかで、私たちは美しさとエアロダイナミクスが、時として衝突することに気がつきました」

「完璧なバランスを得るために何度もトライ&エラーを繰り返しましたが、結果には心から満足しています。オーロラ アジルの美しいデザインは、F1マシンからインスパイアを受けました。それこそが、スーパースポーツに私たちが求めていた最高のバランスなのです」

ゼンヴォ オーロラを動画でチェック!

ふたつのモデルが用意されたゼンヴォ オーロラ、写真はサーキット仕様の「アジル」。

1875PSのハイブリッドハイパーカー「ゼンヴォ オーロラ」が登場「6.6リッターV12クワッドターボを搭載」【動画】

デンマークを拠点とするゼンヴォ・オートモーティブ(Zenvo Automotive)は、モントレー・カーウィークにおいて、最新ハイパースポーツ「オーロラ(Aurora)」を公開した。オーロラは「アジル(Agil)」と「トゥール(Tur)」というふたつの仕様をラインアップ。それぞれ50台が限定製造され、2026年からデンマーク・プレストの本社ファクトリーにおいて生産が開始される。

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ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…