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Aston Martin Vantage Roadster
新型ヴァンテージに待望のオープン仕様
「アストンマーティン ヴァンテージ ロードスター」は、クーペと同様に最大出力665PS、最大トルク800Nmを発揮するメルセデスAMG製4.0リッターV型8気筒ツインターボエンジンを搭載。クーペに備わるクラス最高水準のパフォーマンス、ダイナミックなドライビングエクスペリエンスが全てキャリーオーバーされた。ここにオープンエアによる、開放感とスリルという新たな魅力が追加されている。
ヴァンテージ ロードスターは、オープンモデルが持つ爽快なスタイル、自由な感覚、冒険心をすべて手にしながらも、従来のコンバーチブルに課されていた設計上の制約を排除。美しいソフトトップにより、クーペからの重量増加を最小限に抑え、業界最速のフルオートマチックルーフシステムも導入された。
2005年の「V8 ヴァンテージ」を発表して以来、2025年は20周年というアニバーサリーイヤーを迎える。V8 ヴァンテージは、英国ゲイドンで製造された最初の“モダン”なアストンマーティンとして、その名を冠した最初のモデルであり、派生型ではなく独立したモデルとして登場した最初のヴァンテージでもある。その1年後、ロードスター仕様も追加された。
アストンマーティンのチーフ・エグゼクティブ・オフィサーを務めるエイドリアン・ホールマークは、ヴァンテージ ロードスターのデビューを受けて以下のようにコメントした。
「新型ヴァンテージ クーペの技術面や動的性能は、先代を遥かに凌ぐパフォーマンスを発揮し、クラス最高水準のスポーツカーと評価されています。ヴァンテージ ロードスターは、クーペが持つすべての利点を備えながらも、開発チームによるハードワークにより、洗練性や性能に一切妥協することなく、快適なオープンエアドライビングを実現しました」
先代から155PSアップの4.0リッターV8ターボ
ヴァンテージ ロードスターが、クーペのドライビングダイナミクスを維持できたのは、両車の設計・開発が2台同時に行われたことにある。ヴァンテージ ロードスター自体が独立して開発されたモデルであり、開発チームはパフォーマンス、乗り心地、ハンドリング、過剰な追加重量など、一切妥協することなく、優れた機能や特性を実現することに集中した。
アストンマーティン製4.0リッターV型8気筒ツインターボエンジンは、先代ヴァンテージ ロードスターから、ターボチャージャーを大型化。カムシャフトプロファイルを見直し、圧縮比を最適化することで、出力が155PS、トルクが115Nmも向上した。
最高出力665PS、最大トルク800Nmを発揮し、その強大なパワーは8速AT、電子制御式リミテッドスリップデフを介して後輪を駆動する。そして、オープントップでありながらも0-60mph加速3.5秒、最高速度323 km/h(202mph)という脅威的なパフォーマンスを実現した。
高剛性かつ軽量アルミニウム構造、複合素材のボディパネル、バランスの良いフロントとリヤの重量配分(49:51)により、ヴァンテージ ロードスターは、サスペンションが理想的に機能するプラットフォームを手にした。フロントにはモータースポーツ由来の不等長ダブルウィッシュボーン、リヤはマルチリンク、ここに専用チューニングのビルシュタイン製「DTXアダプティブダンパー」が組み合わせられている。
足元にはミシュランが専用開発し、アストンマーティンがヴァンテージに合わせて配合を調整したミシュラン「パイロットスポーツS5」タイヤを装着。ドライコンディションだけでなく、ウエットでも最高のグリップレベルを発揮し、優れた乗り心地やステアリングフィールも手にした。
6.8秒で開閉可能な「Zフォールド」ルーフ
ヴァンテージ ロードスターのボディ構造には、開発初期段階から2つのターゲットが掲げられた。ひとつ目はヴァンテージ クーペに対して、ロードスターであっても重量を可能な限り軽くすること。そして、2つ目がオープントップモデルとして、高いレベルの構造的剛性を維持することにあった。
このため構造とボディ全体の荷重経路を精査し、クーペよりも高い剛性を得るため車両後部の取り付け方法を改良。さらに、オープントップモデル特有の剛性レベル低下を相殺するべく、重量を最適化したシアパネルを戦略的に配置し、クーペよりも横方向の剛性をさらに高める構造を手にしている。
ルーフは従来の「Kフォールド」ルーフよりも、高速展開が可能で軽量な「Zフォールド」ルーフを導入。トノカバーを排除し、軽量化と低重心化を実現した。ルーフは50km/h以内であれば開閉操作が可能で、開閉にかかる時間はわずか6.8秒。これは現在販売されている自動開閉式ルーフ装備車の中では最速となる。さらに操作はドライバーがクルマの半径2メートル以内にいれば、車内に座った状態、あるいは遠隔操作でもキーを使って行うことができる。
ルーフは8層の断熱材から構成されており、ルーフを上げた状態での車内の騒音レベルは、ヴァンテージ クーペと変わらない静粛性を確保。また、Zフォールドの採用により、ルーフはよりシンプルかつ軽量化され、クーペ比でわずか60kgの重量増加に抑えられている。ロールオーバーも強度と軽量化の両立を目指し、入念に最適化。高い安全性を誇るアルミニウム製「ロールオーバー・プロテクション・システム(ROPS)」が導入された。
アストンマーティンのビークルパフォーマンス担当取締役、サイモン・ニュートンはヴァンテージ ロードスターのボディ構造全般について次のように説明を加えた。
「今回、ヴァンテージ クーペとヴァンテージ ロードスターを同時開発したことで、オープントップモデルでも、ヴァンテージの驚異的なドライビングダイナミクスと、俊敏なスポーツ性を妥協することなく維持することができました。これは、ボディ構造の綿密な最適化と、熟練したダイナミクスチームによる専用シャシーチューニングにより実現されています」
コクピットに10.25インチ・ディスプレイを配置
コクピットには、ヴァンテージ クーペと同様、アストンマーティンの次世代インフォテインメントシステムを搭載。DB12から初めて導入されたインフォテインメントシステムは、ゼロから社内で開発された。オンライン接続機能を備えた一体型マルチスクリーンシステムには、10.25インチ・ピュアブラック・タッチスクリーンが採用されている。
タッチスクリーンによる操作に加えて、ギヤチェンジ、ドライブモードの選択、冷暖房、ベンチレーションといった機械的操作は、スイッチ機能が、あえてバランスよく残された。また、シャシー、ESP、エキゾースト、アクティブ・セーフティ・システムの設定、パークディスタンス・コントロールなどのコントロールスイッチなど、頻繁に使用する機能は、道路から目を離すことなく直感的に操作することが可能となっている。
サウンド面では、アストンマーティン製390w 11スピーカー・オーディオシステムが標準装備。ドライブ中の音楽体験にこだわりのあるカスタマーには、オーディオパートナーのBowers & Wilkins社と共同開発したサウンドシステムをチョイスすることも可能となっている。ヴァンテージ ロードスターの室内容積と形状に合わせ、音響工学的に設計されたこのシステムは、Bowers & Wilkins社製の最新スピーカーシステムが搭載される。
ヴァンテージ ロードスターは、「イリデッセントサファイア」「サテンイリデッセントサファイア」「ブロンズフレア」という3色の新しいカラーバリエーションを追加。ルーフはブラック、レッド、ブルー、ブラック&シルバーから選ぶことができる。21インチホイールは4種類のデザインが用意され、7色のブレーキキャリパーを組み合わせることも可能となっている。