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VOLKSWAGEN GOLF R VARIANT
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BMW 3 SERIES TOURING
パワーとトルクが生み出すそれぞれの走りの違い




「フォルクスワーゲン ゴルフR ヴァリアント」は、最高出力333PS、最大トルク420Nmを発揮する2.0リッターの直列4気筒ターボエンジンを横置き搭載する。4MOTIONと呼ばれる4WDシステムを採用し、電子制御式デファレンシャルロックを備えることで高いトラクション性能を発揮する。トランスミッションは7速DCTが組み合わされており、素早いシフトチェンジと高効率を両立している。
一方、「BMW 320i ツーリング」は同じく2.0リッターの直列4気筒ターボエンジンを縦置き搭載するが、最高出力184PS、最大トルク300Nmとやや控えめ。駆動方式はRWD(後輪駆動)で、BMWらしいスポーティな走りを実現している。トランスミッションには8速ATが採用されており、滑らかな加速と優れた燃費性能を両立している。
エンジンスペックを見ると、ゴルフR ヴァリアントの方が明らかに高性能だ。しかし320i ツーリングはFRらしい縦置きレイアウトの特性を活かした軽快なハンドリングが魅力となっている。
フォルクスワーゲン ゴルフR ヴァリアント アドバンス
ボディサイズ=全長4650mm×全幅1790mm×全高1465mm
ホイールベース=2670mm
車両重量=1590kg
タイヤサイズ=235/35R19
BMW 320i ツーリング M Sport
ボディサイズ=全長4720mm×全幅1825mm×全高1450mm
ホイールベース=2850mm
車両重量=1620kg
タイヤサイズ=225/45R18
路面を捉える足まわりとドライビングフィール


ゴルフR ヴァリアントは、スポーツモデルらしい硬めの足まわりを持つが、DCC(アダプティブシャシーコントロール)を備えており、モードによって乗り心地を調整できる。通常走行時には快適性を維持しながら、スポーツモードではよりダイレクトな操縦性を楽しめる。
対して、320i ツーリングはBMWの得意とする50:50の前後重量配分によって安定感のある走りを実現している。サスペンションは適度にしなやかで、ワインディングロードでは自然なハンドリングを楽しめる。一方で、路面の凹凸を拾う場面ではやや硬さを感じることもある。
快適性という観点では、どちらも一定のレベルを維持しているが、ゴルフR ヴァリアントは電子制御の調整幅が広く、シチュエーションに応じた最適な走りを実現しやすい。320i ツーリングは、FR特有のコーナリング性能を活かした運転の楽しさが強調されるモデルとなっている。
フォルクスワーゲン ゴルフR ヴァリアント アドバンス
エンジン形式=直列4気筒DOHCターボ
排気量=1984cc
最高出力=333PS/5600〜6500rpm
最大トルク=420Nm/2100〜5500rpm
トランスミッション=7速DCT
駆動方式=AWD
BMW 320i ツーリング M Sport
エンジン形式=直列4気筒DOHCターボ
排気量=1998cc
最高出力=184ps/5000rpm
最大トルク=300Nm/1350~4000rpm
トランスミッション=8速AT
駆動方式=RWD
ユーティリティ性能とラゲッジスペースの実力




ワゴンとしての実用性も重要なポイントだ。ゴルフR ヴァリアントのラゲッジルーム容量は通常時で611L、後席を倒せば最大1642Lまで拡大する。開口部も広く、荷物の積み下ろしがしやすい。
320i ツーリングのラゲッジルーム容量は500L、後席を倒すことで1510Lまで拡大可能だ。ゴルフR ヴァリアントに比べると若干小さいが、BMWのツーリングモデルはリヤハッチのウインドウ部分のみ開閉できる機能を備えるなど、実用性は高い。積載量を重視するならゴルフR ヴァリアントの方が優位だが、実用的な工夫という点では320i ツーリングも負けていない。
ラゲッジルーム容量
フォルクスワーゲン ゴルフR ヴァリアント アドバンス 611~1642L
BMW 320i ツーリング M Sport 500~1510L
車両価格と装備内容から見るコストバランス


ゴルフR ヴァリアント アドバンスの車両本体価格は約760万円となっている。高性能なエンジンや4WDシステム、先進的な安全装備が標準で備わっており、スポーツワゴンとしての完成度が高い。一方の320i ツーリングの車両本体価格は約740万円。内外装がスポーティな仕立てとなる人気のMスポーツパッケージは標準で備わる。
価格を考慮すると、ゴルフRヴァリアントは高性能なスポーツワゴンを求めるユーザー向けの選択肢となる。一方、320i ツーリングはプレミアムブランドの質感や走りを楽しみたいユーザーに適している。それぞれの特性を理解し、用途に合った選択をすることが重要だ。