「アストンマーティン ヴァンキッシュ ヴォランテ」2025年中頃にデリバリー

アストンマーティン史上最強“835馬力”オープン「ヴァンキッシュ ヴォランテ」デビュー「5.2リッターV12ツインターボ搭載」【動画】

アストンマーティンは、フラッグシップオープン「ヴァンキッシュ ヴォランテ」をワールドプレミアした。
アストンマーティンは、フラッグシップオープン「ヴァンキッシュ ヴォランテ」をワールドプレミアした。
アストンマーティンは、5.2リッターV型12気筒ツインターボを搭載するフラグシップオープン「ヴァンキッシュ ヴォランテ」をワールドプレミアした。ヴァンキッシュ ヴォランテは、2025年第3四半期に最初のデリバリーを予定しており、現在、台数限定でオーダーを受け付けている。

Aston Martin Vanquish Volante

「ヴァンキッシュ」登場60年記念モデル

最強オープン「アストンマーティン ヴァンキッシュ ヴォランテ」のエクステリア。
ヴァンキッシュ ヴォランテは、1965年にデビューした「ショートシャシー ヴァンキッシュ」から60周年を記念したモデルとなる。

2024年9月に発表された3代目「ヴァンキッシュ」のオープン仕様として開発された「ヴァンキッシュ ヴォランテ」は、ヴォランテ登場60周年モデルであり、アストンマーティン史上最速・最強のオープントップ生産車両として開発されたと謳う。

最高出力835PS、最大トルク1000Nmを発揮する、アストンマーティン製5.2リッターV型12気筒ツインターボエンジンを搭載。オープン化による重量増は最小限に抑えられており、0-100km/h加速は3.4秒、最高速は344km/hに達するという。クーペ同様、現在販売されている市販モデルのなかで最速・最強のフロントエンジン搭載モデルとなる。

アストンマーティンのエイドリアン・ホールマークCEOは、ヴァンキッシュ ヴォランテについて次のようにコメントした。

「60年にわたり“ヴォランテ”は、エレガントでスポーティなオープントップスポーツの代名詞となってきました。ヴァンキッシュ ヴォランテは、その美しいエクステリアと最強のV12エンジンによって、市販されている全てのフロントエンジンモデルよりも高いパワーを発揮します。ヴァンキッシュ ヴォランテのパフォーマンスが示すように、私たちは未来に目を向けながら、伝統を受け継いでいきます」

835PSを発揮する5.2リッターV型12気筒ツインターボ

最強オープン「アストンマーティン ヴァンキッシュ ヴォランテ」の走行シーン。
2000年のDB7 ヴァンテージを起源に持つ5.2リッターV型12気筒ツインターボは、新型ヴァンキッシュの搭載に合わせて大幅にアップデート。最高出力835PS・最大トルク1000Nmに向上しした。

ヴァンキッシュ ヴォランテは、ヴォランテ クーペに続き、新開発5.2リッターV型12気筒ツインターボエンジンを搭載する。このV12エンジンは、2000年にデビューした「DB7 ヴァンテージ」を起源に持つ。以来25年、アストンマーティンを象徴するV12エンジンのパワーは426PSから835PSへとほぼ倍増し、最大トルクも543Nmから1000Nmに向上しした。

ヴァンキッシュに搭載されるV12の最新スペックは、わずか2500rpmで最大トルクを発生。これは先代エンジンが必要とした回転数のちょうど半分となる。性能が大幅に向上しているにもかかわらず、ヴァンキッシュ ヴォランテの総重量は95kgの増加に抑えられており、パワーウェイトレシオは1トンあたり313PSから416PSに向上した。

リヤアクスル内に配置されたZF製8速ATにより、最適な重量配分が実現。クーペと同様「E-diff」が組み込まれており、フル開放から135ミリ秒で完全ロックが可能となっている。最新のエレクトロニック・スタビリティ・プログラム(ESP)と組み合わせることで、低中速域からハイウェイ、ドリフトまであらゆる運転パターンに対して適切なトラクションを得ることが可能になったという。

クーペと変わらぬパフォーマンスを実現

最強オープン「アストンマーティン ヴァンキッシュ ヴォランテ」の走行シーン。
ヴァンキッシュ ヴォランテは、クーペと同時開発したことで、重量増を最小限に抑えながらシャシーの高い剛性レベルを確保。オープントップながらも、クーペと変わらない走行性能を実現した。

サスペンションはフロントがダブルウイッシュボーン、リヤがマルチリンク。ビルシュタイン製DTXダンパーは各ドライブモードに合わせたホイールコントロールを行う。ヴァンキッシュ ヴォランテにはオープン化による重量配分の変化を考慮し、専用のサスペンションチューニングが施された。

強大なパワーを支えるカーボンセラミック・ブレーキシステムを標準装備し、フラッグシップにふさわしい制動力を発揮。重量は従来の鉄製ディスクより27kgも軽く、ディスク寿命と耐フェード性が大幅に向上した。

今回、クーペとコンバーチブルのヴォランテを同時開発。接合アルミニウム構造を導入したことで強化されたアンダーボディの剛性レベル、従来のフラッグシップコンバーチブルと比較し、横方向の剛性レベルが75%もアップを果たしたと謳う。しかも、重量増加を最小限に抑えながら、最大限のねじり剛性を維持しているという。

アストンマーティンのビークルパフォーマンス担当ディレクターのサイモン・ニュートンは、ヴァンキッシュ ヴォランテについて次のように説明を加えた。

「ヴァンキッシュ ヴォランテが、クーペと同じクラストップレベルのパフォーマンスを発揮できるようにするため、当初からクーペとヴォランテを同時開発しています。これにより、ボディ構造の最適化とシャシーチューニングを組み合わせることで、ルーフを展開することによる妥協を排し、クーペと変わらないダイナミックなパフォーマンスとキャラクターを維持することができました」

14秒で開閉可能なKフォールドルーフ

最強オープン「アストンマーティン ヴァンキッシュ ヴォランテ」のエクステリア。
「Kフォールドルーフ」システムを採用したファブリックルーフは、50km/hまでの速度であれば開閉することができる。

軽量構造「Kフォールドルーフ」は14秒でクローズドから状態からルーフを収納し、オープンからクローズドへも16秒で行うことが可能。センターコンソールに配置されたエレガントなメタルスイッチにより、50km/hまでの移動中でもルーフの開閉を行うことができる。また、ルーフの開閉は半径2メートル以内でキーフォブからの遠隔操作に対応する。

ファブリックルーフながらも、ヴァンキッシュ クーペと変わらない断熱レベルを確保したという。遮音性を高めたファブリックルーフは、シームレスに流れるボディのラインを妨げることなく、シート後方のトノー下部に収納される。収納時のルーフ高はわずか260mmに抑えられた。

エグゼクティブ・バイス・プレジデント兼チーフクリエイティブオフィサーのマレク・ライヒマンは、ヴァンキッシュ ヴォランテのデザインについてコメントした。 

「今回、アストンマーティンのコアにあるDNAを維持することが課題となりました。優れたプロポーションとドラマティックをフォルムを実現するため、クーペと同時にヴォランテを作り上げることが極めて重要でした。Kフォールドルーフ・システムにより、エレガントなパッケージングに一切の妥協はありません」

あえて物理スイッチが残されたコクピット

最強オープン「アストンマーティン ヴァンキッシュ ヴォランテ」のインテリア。
英国製グランドツーリングらしい、シンプルでありながら豪奢なインテリア。コクピットはデジタル化されたが、あえて物理スイッチも残されている。

コクピットは最新のタッチスクリーンテクノロジーを導入。10.25インチ・TFTフルデジタルメーターを配置し、水平基調のインスツルメントパネルのセンター部には10.25インチ・ピュアブラック・タッチスクリーンが組み合わせられた。アストンマーティンの伝統として、デジタル化を進めながら、操作系に物理的スイッチも残されている。

シャシー、ESP、エキゾースト、パークディスタンスコントロールなどのプッシュスイッチが並んで配置され、ドライバーが道路から目を離すことなく、様々なコントロール系を操作することができる。ヴァンキッシュ ヴォランテ専用としてルーフ開閉スイッチと、「ADAS」コントロールに直接アクセスするための新たなショートカットボタンも追加された。

オーディオ・パートナーのBowers & Wilkins製オーディオを標準装備。サウンドシステムはコクピットにシームレスに統合され、ヴァンキッシュ ヴォランテのために専門的にチューニングされた15スピーカーシステムは、ドライバーとパッセンジャーに魅惑的なリスニング体験を提供する。

ヴァンキッシュ ヴォランテは2シーターのみの設定。「+2」リヤシートは用意されず、シート後方は荷物を置くスペースとなる。アクセサリーとして用意されたサドルレザー製ラゲッジセット専用の収納エリアとなる。

「アストンマーティン ヴァンキッシュ ヴォランテ」を動画でチェック!

カントリーロードに入っても好印象は続く。車幅はもちろんのこと、ノーズの長さもまるで感じさせない。まさに一体感の恩恵だろう。

帰ってきたアストンの“頂上”アイコンは意外な乗り味?「アストンマーティン ヴァンキッシュ」に試乗

V型12気筒をフロントに搭載するアストンマーティンのフラッグシップモデル、3代目「アストンマーティン ヴァンキッシュ」についに試乗した。優雅なボディにV12を搭載するスーパーラグジュアリースポーツの意外な乗り味を西川淳が速報する。

キーワードで検索する

著者プロフィール

ゲンロクWeb編集部 近影

ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…