「BMW M5」と「ポルシェ パナメーラ 4S E-Hybrid」ドイツ最強PHEV対決

2000万円級の同価格帯4ドアPHEVサルーン「BMW M5 セダン」「ポルシェ パナメーラ 4S E-Hybrid」を比較

新型「BMW M5」は、歴代M5として初めてプラグインハイブリッドパワートレインを搭載。今回、ライバルとして取り上げるのは、2023年11月に登場した3代目ポルシェ パナメーラのハイブリッドモデル「パナメーラ 4S E-Hybrid」。ハイパフォーマンスPHEVながら、好対照を見せる2台のスペックを比較する。

BMW M5
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Porsche Panamera 4S E-Hybrid

他にはないポルシェらしい4ドアスタイル

相次いで、ニューモデルへと進化を果たした「BMW M5」と「ポルシェ パナメーラ 4S E-Hybrid」のスポーツサルーンを電動車同士の似たような価格帯で比較してみよう。最新プラグインハイブリッドを搭載するドイツ製スポーツセダンという共通項を持ちながら、そのキャラクターは対照的だ。

M5がパナメーラに対して全長で43mm、全幅で33mm、全高で87mm大きいが、サイズ以上に異なるのがそのアピアランスだろう。独立したトランクを持つ典型的な4ドアセダンの佇まいを見せるM5に対し、パナメーラは初代から引き継いできた、4ドア版“911”といったポルシェ独自のフォルムを実現している。

BMW M5

ボディサイズ=全長5095mm×全幅1970mm×全高1510mm
ホイールベース=3005mm
車両重量=2400kg
タイヤサイズ=285/40R20(前)、295/35R21(後)

ポルシェ パナメーラ 4S E-Hybrid

ボディサイズ=全長5052mm×全幅1937mm×全高1423mm
ホイールベース=2950mm
車両重量=2330kg
タイヤサイズ=265/45ZR19(前)、295/40ZR19(後)

パナメーラ 4S E-Hybridをパワーで圧倒したM5

M5、パナメーラ 4S E-Hybridともに、プラグインハイブリッドパワートレインを搭載。4.4リッターV型8気筒ガソリンターボをベースにするM5が、3.0リッター水平対向6気筒ツインターボにモーターを組み合わせたパナメーラ 4S E-Hybridを、最高出力と最大トルクで圧倒。パナメーラ 4S E-Hybridは、最高出力で183PS、最大トルクで250Nmも水を開けられてしまった。そして最高速、0-100km/h加速もM5に軍配が上がっている。

BMW M5

エンジン形式=V型8気筒ガソリン+モーター
排気量=4394cc
最高出力=727PS/6000rpm
最大トルク=1000Nm/1800-5400rpm
トランスミッション=電子油圧制御式8速AT
駆動方式=AWD
最高速度=305km/h
0-100km/k加速=3.5秒

ポルシェ パナメーラ 4S E-Hybrid

エンジン形式=水平対向6気筒ツインターボ+モーター
排気量=2894cc
最高出力=544PS
最大トルク=750Nm
バッテリー容量=25.9kWh
トランスミッション=8速PDK
駆動方式=AWD
最高速度=290km/h
0-100km/k加速=3.7秒

“ポルシェ”という他には変え難い魅力

コクピットに関しては、どちらも最新世代インフォテイメントシステムを搭載。M5は、BMWの最新モデルではお馴染み、2基の横型スクリーンを並列配置した「BMWカーブドディスプレイ」を備える。パナメーラも大型ディスプレイを備えた「ポルシェ・ドライバー・エクスペリエンス」を搭載するが、ポルシェらしいメーターナセルが残されており、ここも“ポルシェ”らしさを感じさせるポイントだろう。

リヤシートの快適性は、高い全高を活かしたM5に分があるだろう。パナメーラのリヤシートは十分なレッグスペースとサポート性を備えるが、M5よりも低い着座姿勢となる。両車の価格差は約100万円に留まるが、走行性能ではM5がパナメーラ 4S E-Hybridを大きく上まわった。しかし、ポルシェ製4ドアサルーンという、他に代え難い魅力を放っており、それこそがパナメーラを選ぶ十分な理由になるかもしれない。

ちなみに価格はグンと跳ね上がるが、3325万円のプライスタグを掲げ、M5に互するスペック(最高出力782PS、最大トルク1000Nm)を持つ「パナメーラ ターボ S E-Hybrid」も控えている。

車両本体価格

BMW M5 2048万円
ポルシェ パナメーラ 4S E-Hybrid 1940万円

昨年11月に登場した3代目パナメーラ。当初プラグインハイブリッド仕様はターボだけだったが、追って「パナメーラ4 Eハイブリッド」「パナメーラ4S Eハイブリッド」が加わった。いずれも電動領域を拡大してさらなる効率化を図ってきたが、その恩恵はシャシーまわりにもあった!

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昨年11月に登場した3代目パナメーラ。当初プラグインハイブリッド仕様はターボだけだったが、追って「パナメーラ4 Eハイブリッド」「パナメーラ4S Eハイブリッド」が加わった。いずれも電動領域を拡大してさらなる効率化を図ってきたが、その恩恵はシャシーまわりにもあった!(GENROQ 2024年9月号より転載・再構成)

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